
銀行融資の返済が厳しくなってきたからリスケジュールしようか考えているよ。
リスケジュール交渉を成功させたいから、リスケジュール交渉を依頼する時に準備する事や、注意点、コツ等があれば教えて欲しいよ。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
リスケジュールを成功させるためのコツ・ポイントを解説


銀行融資をリスケジュールするというのは、殆どの経営者の方は初めての経験になると思います。
なので、交渉のポイントやコツなどが気になるはずだと思います。
銀行融資をリスケジュールすること自体、難しい事ではありませんが、リスケジュール交渉がうまくいかず、さらに厳しい状況に追い込まれる会社もあります。
そのような事にならないよう、リスケジュールを成功させるための必要なポイントを押さえてから交渉に挑みましょう。
リスケジュール交渉を成功させる12のコツ


それでは、リスケジュール交渉を成功させる12のコツを紹介します。
- リスケジュールを依頼する前に銀行融資の可能性が残されていない確認する
- リスケジュールを早く決断する
- リスケジュール前に高金利の借り入れをしない
- 必要最低限の資料を準備する
- リスケの依頼はメインバンクからはじめる
- リスケジュールは「全行一律同条件」が基本(全て平等に対応しましょう)
- 嘘はつかない
- 返済額は限りなく低く依頼する(理想は元本ゼロ)
- 前向きなリスケジュールであることをアピールする
- できない、したくない約束はしない(金利引き上げ、追加担保・保証人)
- 実現可能な経営改善計画書をつくる
- 粘り強く交渉する
上記のとおりです。
リスケジュールを依頼する前に銀行融資の可能性が残されていない確認する
銀行にリスケジュールを依頼する前に、まだ銀行から借りれるのかどうかを確認するようにしましょう。
銀行が貸してくれる間は借りた方が良いので、銀行にリスケジュールを依頼する前に、まずは融資してくれるかどうかを確認してから決断しましょう。
一方的に「多分借りれない」等と決めず、まずは追加融資を依頼して、まだ借りれるか、これ以上は無理なのかを確認しましょう。
- 銀行 → もう少し融資可能だと思っている。
- 企業 → 前回借りた時に「これ以上は難しい」と言われたからきっとダメだと思っている。
こういった認識の違いはよくあります。
銀行がまだ貸せますと言ってくれているのにリスケジュールするのは勿体ないので、融資可能かどうかを必ず確認するようにしましょう。
リスケジュールを早く決断する
銀行に融資を依頼した際に、次のいずれかに該当するようであればスグにリスケジュールを決断しましょう。
- 借換えを提案されたけど、真水は殆ど出ない(毎月の返済が減るだけ)
- 銀行のビジネスローンを提案される
- これ以上の追加融資は不可能
「【銀行融資】新規融資を依頼したら借換えを提案されたけど応じるべき?【結論:返済財源次第】」という記事でも解説しているとおり、借換えを提案してきても真水が出ないことがあります。
真水が出なくても資金繰りがまわるなら良いのですが、基本的に真水が出ないと資金繰りは厳しくなるだけです。
また、新規融資を依頼した際に、銀行から借換えやビジネスローンを提案されると「もしかしたら、まだ借りれるかも…」と勘違いされる方もいます。
銀行が借換えやビジネスローンを提案してくるのはこれ以上の追加融資は不可能という終わりの合図なので、これらの提案を受けたら、リスケジュールを決断しましょう。
リスケジュール前に高金利の借り入れをしない
銀行融資をリスケジュールする前に、高金利の借入はしないようにしましょう。
百歩譲って銀行から紹介された銀行系のビジネスローンは致し方ないとして、それ以外の高金利の借入はリスケジュール前にしない方が良いです。
理由は、高金利の借入れは基本的にリスケジュールに応じようとしないからです。
高金利の債権者がリスケジュールに応じない状況で、銀行にリスケジュールを依頼した場合、銀行の立場からすると「高金利の金だけ返済を続けて、我々だけリスケジュールに応じるというのは平等ではない」と思われてしまい、リスケジュール交渉が難航します。
もし、高金利の借入れの利用を検討しているのであれば、せめてリスケジュール後に検討するようにしましょう。
必要最低限の資料を準備する
銀行にリスケジュールを依頼する前に、以下3つの資料を用意しましょう。
- 資金繰り表
- 直近の試算表
- 借入金一覧表
理想は、上記書類にプラスして、「経営改善計画書」があると良いのですが、スグに作成するのは恐らく難しいという思いますので、まずは3つの書類を準備しましょう。
リスケの依頼はメインバンクからはじめる
3つの資料を準備したら、メインバンクからリスケジュールの依頼をしていきましょう。
基本的に融資残高の多い順に連絡していけば大きな間違いはないです。
融資残高が同じぐらいの銀行には注意が必要
例えば、以下のように、メインバンクと準メイン(サブバンク)の融資残高がほぼ同じような場合があるとします。
- A銀行 → 5,120万円
- B銀行 → 5,067万円
単純に融資残高で見ればA銀行の方が残高が多いので、「当社のメイバンクはA銀行」と認識して、A銀行から先にリスケジュールの相談をすると、
「当行は御社のメインバンクではありませんから、B銀行さんに先に相談された方が…」と言われる事があります。
もしこのような事を言われたら、「【リスケジュール】メインバンクはどう判断するの?判断基準や融資残高が同じ場合も合わせて解説」という記事参考に、メインバンクを判断してください。
リスケジュールは「全行一律同条件」が基本(全て平等に対応しましょう)
「銀行にリスケを拒否された!約定返済するしかない?【原因と対処法を解説】」という記事でも解説しているとおり、複数の銀行から融資を受けていても、融資残高、保全状況(担保の有無)等は関係無く、全行一律同条件が基本です。
例えば、A銀行にはリスケジュールするけど、B銀行に対しては返済を続ける。というような事はできません。
全ての銀行に同じ条件でリスケジュールを依頼するようにしましょう。
嘘はつかない
リスケジュールを依頼する時に嘘をつかないようにしましょう。
例えば、銀行に対して正直に言い難い情報があるような場合。
- 他行がリスケジュールに難色を示している
- 大口の取引を打ち切られた(売上減のマイナス要因が出てきた)
など、できれば知られたくないと思うかもしれませんが、嘘をついて報告したところで、遅かれ早かれ嘘はバレます。
嘘がバレれば後々の銀行付き合いに悪影響しかありませんので、銀行に言い難いマイナス情報でも正直に伝えるようにしましょう。
返済額は限りなく低く依頼する(理想は元本ゼロ)
リスケジュールを依頼する時は、元本返済額を限りなく低く依頼するようにしましょう。
具体的には「元本ゼロ(金利のみ)」でリスケジュールを依頼しましょう。
中途半端に元本を返済すると、後々返済は厳しくなります。
「すでにリスケジュール中だけど、さらなる条件変更は可能?【結論:可能】」という記事でも解説しているとおり、一度リスケジュールした後に、さらなる条件変更も可能ではあります。
とはいえ、手続きに時間もかかりますし、その間に現金は減ってしまいますので、最初から元本ゼロで依頼するようにして、資金繰りが好転してきたら、徐々に返済額を増やすようにしましょう。
前向きなリスケジュールであることをアピールする
リスケジュールは元本返済を猶予してもらう訳ですから、どうしても後ろ向きな話になりがちです。
しかし、「リスケジュールしてもらう事で資金繰りを安定させることができ、その間に経営改善を行い、最終的には約定返済に戻す」というように、リスケジュールする事でお互いにとってプラスになることをアピールするようにしましょう。
できない、したくない約束はしない(金利引き上げ、追加担保・保証人)
リスケジュールを依頼すると、不利な条件を提示される事があります。
具体的には次のとおりです。
- 金利引き上げ要求
- 追加担保の要求
- 追加連帯保証人の要求
基本的に断っても問題無いのですが、銀行から「リスケジュールの条件」などと言われると、「条件を断ってリスケして貰えなければ困る」といって、応諾してしまう方がいます。
後々必ず後悔しますので、不利な条件を提示されても安易に応諾せず、断るようにしましょう。
経営改善計画書を策定する
リスケジュールを依頼したら、実現可能性の高い経営改善計画を策定しましょう。
ちなみに、銀行に経営改善計画書を提出すると、進捗状況をかなり厳しくチェックされますので、実現できないような事は書かないようにしましょう。
粘り強く交渉する
数年前と比較すると現在はリスケジュールしやすい環境にありますが、依頼して断られる事もあります。
よくある断り文句は次のとおりです。
- 前回融資して間もないからリスケジュールできない
- 長期は良いけど短期は書き換えできないから短期は返済せよ
- 元本ゼロは応じられないので、約定の3分の1は返済して欲しい
こういった事を言われて、すぐに諦める方もいます。
諦めずに粘り強く交渉するようにしましょう。
まとめ
以上、リスケジュール交渉を成功させる12のコツについて解説しました。
おわり。