【リスケジュール】メインバンクはどう判断するの?判断基準や融資残高が同じ場合も合わせて解説

銀行融資のリスケジュールを検討しているけど、当社のメインバンクは「融資残高が最も多い銀行がメインバンク」という認識で合ってるかな?

融資残高が同じぐらいの銀行があるけど、その場合、どっちがメインバンクなのかな?担保やプロパーの有無も判断要素になるのかな?

リスケジュールをスムーズに進めるために、メインバンクの判断方法について教えて欲しいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

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メインバンクの決め方は融資残高が基本だけどリスケジュール時は異なる

メインバンクの決め方は、基本的に融資残高ベースで決められます。

現在時点において融資残高が最も多い銀行がメインバンクというポジションになります。

しかし、これはあくまで約定返済中における考え方であり、リスジュールを依頼するとなると状況は異なります。

ちなみに、リスケジュールの詳細については以下の記事をどうぞ。

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単純に融資残高多い銀行をメインバンクと判断してリスケジュールの依頼をすると「当行はメインではありません、〇銀行さんがメインだと思います」と言われて、他行から先に依頼するよう促される場合があります。

なぜ、このような事になるのかというと、リスケジュール時には融資残高の多い少ないで判断する他にも、別の判断基準でメインバンクが決まる事があるからです。

別の判断基準とは、具体的にどのようなものなのか、リスケジュール時のメイバンクの判断基準を3つご紹介します。

リスケジュール時におけるメインバンクの判断基準3つ

リスケジュール時におけるメインバンクの判断基準は下記3つあります。

  • 融資残高で決める方法
  • 毎月の返済額で決める方法
  • 借入の保全状況で決める方法

上記のとおりです。

融資残高で決める方法

例えば、3つの銀行と取引していて、そのうちの1行が圧倒的に融資残高が多いような場合、その銀行をメインバンクと判断しても間違いありません。

具体的なイメージは次のとおりです。

  • A銀行の残高:1億円
  • B銀行の残高:2,000万円
  • C銀行の残高:800万円

もし、融資残高がこういった状況であれば、A銀行から順にリスケジュールの依頼をすれば大きな問題はありません。

毎月の約定返済額で決める方法

次に、毎月の約定返済額で決める方法です。

例えば、現在時点において同じような融資残高の銀行があった場合、どちらの銀行がメインバンクなのか、判断が難しいと思います。

  • A銀行の残高:5,000万円
  • B銀行の残高:5,000万円

こういった場合は、毎月の約定返済額でメインバンクを判断する事になります。

このケースで言えば、A銀行の方が毎月の返済額が多いですから、A銀行がメインバンクという事になります。

  • A銀行の残高:5,000万円 / 毎月の返済額:130万円)← メインバンク
  • B銀行の残高:5,000万円 / 毎月の返済額:80万円)← サブ

保全状況で決める方法

2つの銀行が同じような保全状況であれば毎月の約定返済額で判断するのですが、以下のように保全状況が異なる場合、逆転現象が起こります。

  • A銀行の残高:5,000万円 / 毎月の返済額:130万円 → 全額保証付融資
  • B銀行の残高:5,000万円 / 毎月の返済額:80万円 → 3,000万円は保証付で、2,000万円はプロパー

単純に毎月の返済額だけ見てしまえば、A銀行がメインバンクと考えられますが、A銀行の借入は全て信用保証協会の保証付融資(いわゆる「マル保」)です。

保証付融資ということは、融資したお金がデフォルト(債務不履行)になった場合、A銀行は信用保証協会から代位弁済を受ける事ができますので、リスクはありません。

しかし、B銀行は毎月の返済額はA銀行より少ないものの、2,000万円をプロパーで融資しています。

万が一にでもデフォルト(債務不履行)になってしまえば、3,000万円は代位弁済で補填されるものの、2,000万円は回収不能となってしまいますので、B銀行の方がリスクを負って融資をしているというように判断する事ができます。

ちなみに、信用保証協会の保証付融資がデフォルト(債務不履行)になると銀行は信用保証協会に代位弁済を求めます。

代位弁済ついて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。

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借入金一覧表を作成して融資残高の状況を把握しましょう

どこがメインバンクなのか一目で分かるように、借入金一覧表を作成するようにしましょう。

借入金一覧表を作成し、金融機関ごとに以下の情報を整理することで、どこの銀行に返済が進んでいるのか、どこの銀行が担保を多く取っているのか(保全率が高いのか)、一目で確認できるようになります。

  • 当初借入額
  • 借入日・借入期日・借入期間、毎月の返済日、借入金利
  • 返済条件(元金均等分割・期日一括返済など)
  • 現在の融資残高
  • 資金使途(運転資金・設備投資資金など)
  • 担保の有無(信用保証協会、不動産担保など)

複数の銀行から融資を受けている場合、資金繰り表と経営改善計画書とあわせて必ず作成するようにしましょう。

ちなみに、以下の記事で借入金一覧表の作成方法の解説や、書式を配布していますので、是非どうぞ。

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また、資金繰り表の作成方法については、以下の記事をどうぞ。

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まとめ

以上、リスケジュールを依頼する際に、どこの銀行がメインバンクになるのか、その判断基準について解説しました。

おわり。

マネフロ
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