
銀行にリスケジュールを依頼しようと考えているけど、銀行の対応って地域や銀行の規模等によって違ったりするのかな?
例えば、メガバンクは厳しく追及してくるとか、都心の銀行は対応が厳しいけど、地方はゆるいとか…。
地域や銀行の規模によって対応が異なったりすることがあるかどうか知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
リスケを依頼した時の対応は銀行地域や銀行の規模によって異なる【結論】


銀行にリスケジュールを依頼しようとしている方や、今まさにリスケジュールを依頼している方から、「地域や銀行の規模等によって、対応が異なることはあるのか?」という質問を受ける事があります。
具体的には、「メガバンクの対応は厳しい」とか、「地方の銀行の対応はゆるい」等といった感じです。
実際のところ、地域や銀行の規模によって、こういった違いがあったりするのでしょうか?
結論から言うと、銀行の規模や地域によって対応は明確に異なります。
実際、どのような違いがあるのか、「地域」と「銀行の規模」、2つのケースを解説します。
- 地域による対応の違い
- 銀行の規模による対応の違い
地域によるリスケジュール対応の違い
筆者の肌感覚ではありますが、銀行にリスケジュールを依頼した時の対応は地域が異なると次のような違いがあります。
- 政令指定都市の銀行 → 淡々とリスケジュールに応じてくれる。
- 地方の銀行 → 「リスケジュールはできない」とか、「リスケジュールなんて難しい」等と食い下がってくる傾向が強い
担当者によって多少の違いはあると思いますが、2009年から現在まで、様々な地域の企業から相談を受けてきた筆者の経験から言うと、概ねこのような感じです。
銀行の規模によるリスケジュール対応の違い
概ね次のとおりです。
- メガバンク → ドライ(プロパーはうるさいけど、マル保はノーチェック)
- 地銀(第一地銀・第二地銀) → メガバンクと比較すると、全体的に「融資先を何とか支援しよう」と考える傾向が強い
- 信金・信組 → 最近は地銀と対応がほとんど変わらないが、地方の信金・信組はリスケジュールの依頼をしたとたん、態度が豹変するので注意が必要。
- 日本政策金融公庫 → 特に意に介さないようなスタンス。
メガバンク
プロパー融資をリスケジュールしようとすると、「プロパーだからリスケできない」等と言ってくることはあるものの、基本的に対応はドライです。
特に、マル保(保証付)融資のリスケジュールを依頼すると、次のような感じで淡々と対応します。
- ウチもこれ以上の融資は難しいですから、リスケするしか無いですね。
- あー、いいですよ。これ以上(融資)は無理ですし。進捗(他行さんの)がありましたら連絡ください。
また、借入過多の水準まで負債が膨らんできた状態で新規融資の依頼をすると、
「これ以上の融資は無理ですよ。そもそもウチはリスケでも構わないですから、リスケしますか?」といった感じで、淡々とリスケジュールを勧めてくるのがメガバンクの特徴です。
地銀(第一地銀・第二地銀)
地銀にリスケジュールを依頼すると、事業規模にもよりますが、いろいろな提案をしてくる場合がけっこうあります。
例えば、リスケジュールしようか考えていると相談すると、淡々と手続きを進めるのではなく、以下のような提案をしてくれるのが地銀の特徴でもあります。
- 御社の状況では、こういった保証制度が使える可能性が高い
- 後〇ヶ月返済すれば〇百万の真水が出せるから、それを借りて手元資金を厚くしてからリスケジュールした方が良い。
- 状況的にリスケジュールする他無さそうですが、短期であればリスケ中でもウチが出します。
銀行や担当者によって違いはありますが、メガバンクや信金・信組等と比較すると、「融資先をできる限り支援する」という傾向が強いのが地銀の特徴です。
信金・信組
リスケジュールを依頼すると、今までと態度が一変し、一生懸命回収しようとする傾向が特に強いのが信金・信組の特徴です。
ちなみに、「借入金の返済ができないとどうなる?債権者に大変な事になると言われたけど破産するしかない?」という記事は、まさに信金・信組の担当者がよくいうセリフを記事にしたものです。
ここだけの話、行儀の悪さではぴか一です。
結構へっちゃらで「借金して返済して欲しい!」と言ってくるケースもあります(違法行為です)。
よく聞くケースが次のとおりです。
- 社長のお子様は〇〇という会社で働いてますよね。〇百万ぐらいなら借りれるのではないですか?
- 社長の親戚で事業を営んでいる方がいますよね?〇百万ぐらいなら借りれるのでないですか?
- 駅前の〇銀行のATMコーナーでカードローンの申込みがすぐにできるみたいですよ。
直接的に、どこからか借りて返済しろと言っている訳では無いですが、遠回しにそのように言っているのは明白です。
これらは貸金業法第21条に抵触しますので、違法行為です。
今でも普通にこういうことをへっちゃらで言ってくるのが、信金・信組の特徴と言えます。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の融資残高は、基本的に2番目以降の水準となっていることが殆どなので、リスケジュールを依頼しても、たんたんと「銀行さんとの条件が決まりましたらご連絡下さい」としか言われません。
特に何か言ってくる訳でもなく、「他行一律同条件」にのっとってリスケジュールの手続きをすすめる。という感じです。
銀行にリスケジュールを依頼する時の注意点1つ


地域や銀行の規模を問わず、銀行にリスケジュールを依頼する時の注意点は下記1つです。
- 「銀行員が嘘をつくはずがない」と盲信しないこと
上記のとおりです。
「銀行員が嘘をつくはずがない」と盲信しないこと
約定返済中であれば、貸し手と借り手はビジネスパートナーという間柄にあり、対等の関係にあるといえます。
しかし、リスケジュール(元本返済猶予)してもらうという事になると状況は一変します。
貸し手と借り手の間柄はビジネスパートナーから、債権者と債務者という関係になります。
- ビジネスパートナー → 対等な関係
- 債権者と債務者 → 上下関係にある
つまり、完全な上下関係になってしまう訳です。
こうなると、債権者は少しでも債権回収を有利にするために、次のような嘘をつく事があります。
- 手形貸付はリスケジュールできません!
- 〇月に融資したばかりだからリスケジュールできません!
- リスケジュールすると書き換え(短期融資の)ができなくなりますよ!
- プロパーはリスケジュールできません!(「不動産を担保に入れないとできない」というケースもあります)
- リスケジュールすると定期預金は解約できません!
などなど、よくもまあ、息を吐くかのように嘘がポンポン出てくるな~と感心するほどです。
基本的に、こうした事が原因でリスケジュールできないということはないのですが、初めてリスケジュールを依頼される方からすると、こうした事は分からない訳です。
そのため、銀行からこのように言われると、「〇〇銀行が嘘をつくはずがない」と盲信してしまい、あっさりと不利な条件を受け入れてしまう、というケースがあるのです。
約定返済中であれば、全幅の信頼を置いても良いと思いますが、リスケジュールするとなると話は別です。
話半分で話を聞くぐらいがちょうどいいと思います。
銀行にリスケジュールを依頼して違法な対応をされた時の対処法1つ


最後に、銀行にリスケジュールを依頼して、違法な対応をされた時の対処法を1つだけご紹介します。
- 金融庁に通報する
上記のとおりです。
金融庁に通報する
銀行にリスケジュールを依頼した際に、担当者から次のような事を言われたら、金融庁に通報しましょう。
- どこからか借りて返済して欲しい
- 社長の親戚から金を借りれば良い
担当者との今までの付き合いを考えると、通報し難い部分はあると思いますが、「誰か(どこかの金融機関)から金を引っ張って返済して欲しい」などと要求がエスカレートしてきたら、通報した方が早いです。
色々要求されて、「どうしたら良いのか?」、「この先どうしよう」などと神経をすり減らして悩んでも正直、時間の無駄です。
言い返す事ができれば別に問題無いのですが、言い返すことができず、精神的に消耗するぐらいでしたら電話一本金融庁に入れた方が効率的です。
どちらにしても、そんな要求をしてくる金融機関からこの先融資を受ける事など不可能ですので、「今まで融資してくれたから…」などと考えず、割り切ってさっさと連絡した方が良いです。
参考リンク:金融サービス利用者相談室 皆様の「声」をお寄せください!:金融庁
まとめ
以上、リスケを依頼した時の銀行の対応は地域や規模で異なることはある?という事について解説しました。
おわり。