
法人・個人事業主向けのETCカードに興味があります。
高速道路を頻繁に利用するので、割引料金が適用されるETCカードが必要です。
決算書や確定申告書不要で簡単に発行されるカードがあれば知りたいです。
この記事では、こういった疑問・要望にお答えします。
- 協同組合発行の法人ETCカードならクレジット審査なし
- 法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作るメリット4つ
- 法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作るデメリット3つ
- 協同組合発行の法人・個人事業主向けETCカード5選
- 法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作る時のよくある質問
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、法人・個人事業主向けのETCカードの情報をまとめました。
「クレジット機能はなくても良いから、法人・個人事業主向けのETCカードを使いたい」、「決算書や確定申告書の提出不要でETCカードを作りたい」という方向けに、おすすめなETCカードを紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
今すぐ法人ETCカードを確認したい方は、「協同組合発行の法人・個人事業主向けETCカード5選」をどうぞ。
協同組合発行の法人ETCカードならクレジット審査なし


法人や個人事業主がETCカードを作る場合、下記いずれかのETCカードを選ぶことが一般的です。
- クレジットカードに附帯したETCカード
- ETC付きクレジットカード
しかし、上記のETCカードはいずれもクレジット機能が付いているため、ETCカードを作るにはクレジット審査が必要となります。
設立・創業から2年以上経っていて、財務内容が良ければ審査も簡単に通ると思いますが、そうでなければ審査に通過するのは難しいです。
クレジット審査に通らなければカードは発行されませんから、当然、ETCカードは作れません。
そうなると、ETCカードを作れない法人や個人事業主は、個人のETCカードを使用するか、現金払いを余儀なくされます。
こうした場合に選択肢に入るのが協同組合が発行している法人ETCカードです。
組合発行の法人ETCカードはクレジット機能なし
協同組合(高速情報協同組合・ETC協同組合)が発行している法人ETCカードは、クレジット機能がありません。
そのため、クレジットカードと比べて審査条件が緩やかであり、新しく法人を設立したり、開業して間もない個人事業主にとっても審査を通過しやすいとされています。
法人ETCカードを発行している協同組合2つ
法人ETCカードを発行している協同組合は下記2つあります。
- 高速情報協同組合
- ETC協同組合
上記のとおり。
高速情報協同組合
高速情報協同組合は、中小企業や個人事業主を対象にビジネス支援を目的に作られた組合です。
新設法人や創業したばかりの個人事業主はクレジット審査に通りにくいため、法人ETCカードを作りたくても審査が通らずに作れないケースがあります。
高速情報協同組合はこのようなケースでも法人ETCカードが作れるよう、クレジット機能なしで法人ETCカードを発行しています。
ETC協同組合
ETC協同組合は、高速情報協同組合の姉妹団体で、中小企業の事業を多角的にアシストし、コストの削減や新たな経営戦略に役立つ情報の発行や交流など、経営活動の促進を目指した事業協同組合です。
高速情報協同組合と同様、クレジット機能なしの法人ETCカードを発行しています。
協同組合発行の法人ETCカードの特徴
協同組合発行の法人ETCカードの特徴は下記のとおりです。
- クレジット機能がないから作りやすい
- クレジットカード同様、利用料金は後払い
- 複数枚カードが作れる
- 事業者向けのなので一般の割引よりもさらにお得に高速道路を利用できる
- 支払いの管理が楽(社用車を一括管理できる)
- ボリュームディスカウント対応カードあり(ETCコーポレートカード)
法人ETCカードがあれば現金不要で高速道路を利用できるようになるので、資金繰りが楽になるばかりか、経費精算が楽になります。
カードは複数枚作れるので、車両ごとに法人ETCカードを利用できます。利用状況もカード毎に把握できるため、どの車両がどれぐらい高速を利用したのか、一元管理できます。
また、高速を頻繁に利用される方向けにボリュームディスカウント対応の法人ETCカードも用意されています。
以上がクレジット審査がない協同組合が発行している法人ETCカードの特徴となります。続いて、法人・個人事業主が協同組合が発行している法人ETCカードを作るメリットを解説していきます。
法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作るメリット4つ


法人・個人事業主が協同組合発行の法人ETCカードを作るメリットは下記4つです。
- 割引料金で高速を利用できる
- 現金で支払わなくて済む
- 後払いだから資金繰りが楽
- 経費精算が楽になる
上記のとおり。
割引料金で高速を利用できる
クレジット機能なしの法人ETCカードは、一般のETCカードと同じく、深夜・休日、平日朝夕割引が利用できます。
- 深夜割引:30%OFF
- 休日割引:30%OFF
- 平日朝夕割引:50%OFF
現金支払いだと割引価格での利用はできませんが、法人ETCカードであれば利用時間や回数に応じて割引料金が適用されます。
現金で支払わなくて済む
一般的なETCカード同様、現金で支払わなくても高速道路を利用できます。
現金が不要なので、手元に現金がなくても高速道路を利用できますし、従業員に現金を渡す手間も省けます。
現金を用意する手間や管理のリスクから解放され、スムーズな経費精算が可能です。
後払いだから資金繰りが楽
協同組合提供の法人ETCカードの支払いサイトは、月末締め翌々月5~8日です(口座振替)。
支払いサイトが30日以上あるので、資金繰りが楽になります。
経費精算が楽になる
現金支払いだと高速道路を利用する度に領収書が発行されるため、頻繁に利用する方は経費精算の手間がかかります(領収書紛失リスクもあります)。
法人ETCカードは利用明細が記載された請求書が発行されますので、利用状況の管理・経費精算が楽になります。
法人ETCカードの利用明細・請求書は利用月の翌月20日ごろに郵送で届きますが、ETCコーポレートカードの場合、利用明細をPDF・CSVデータでダウンロードできます。
以上が法人・個人事業主が協同組合発行の法人ETCカードを作るメリットとなります。続いてデメリットを解説していきます。
法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作るデメリット3つ


法人・個人事業主が協同組合発行の法人ETCカードを作るデメリットは下記3つです。
- 申し込みの必要書類が多い
- カード発行にコストがかかる
- ETCマイレージサービスを利用できるカードが少ない
上記のとおり。
申し込みの必要書類が多い
協同組合が発行している法人ETCカードの申し込みは、下記書類が必要になります。
法人 | 個人事業主 |
---|---|
履歴事項全部証明書(写し) (3か月以内に取得したもの) 車検証 (写し) ETC車載器セットアップ証明書(写し) | 所得税確定申告書(写し) (個人事業を始めたばかりの方は開業届、取引先との契約書、領収書など) 車検証(写し) ETC車載器セットアップ証明書(写し) |
上記のほか、組合加入申込書、免許証コピー、カード申込書、預金口座振替依頼書などが必要になります。
カード発行にコストがかかる
クレジット機能なしの法人ETCカードは、カード発行にあたり下記4つのコストがかかります。
- 出資金:10,000円(退会時には返金)
- カード発行手数料:550~880円/1枚
- 取扱手数料:550~880円/1枚
- 走行金額手数料:走行料金に対し、無料~8%の手数料がチャージされる
クレジット機能付きのカードと比較して、若干コストがかかります。
ETCマイレージサービスを利用できるカードが少ない
ETCマイレージサービスは、ETCによる高速道路などの通行料金に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは還元額(無料通行分)と交換できるサービスです。
協同組合発行のETCマイレージサービスを利用できる法人ETCカードは「ETCマイレージサービス(高速情報協同組合)
以上が、法人・個人事業主が協同組合発行の法人ETCカードを作るデメリットとなります。続いて、協同組合が発行している法人・個人事業主向けの法人ETCカードを紹介していきます。
協同組合発行の法人・個人事業主向けETCカード5選


協同組合が発行している法人・個人事業主向け法人ETCカードは下記5つです。
- UCカード(高速情報協同組合)
- セディナ(高速情報協同組合)
- ETCマイレージサービス(高速情報協同組合)
- ETCコーポレートカード(高速情報協同組合)
- UCカード(ETC協同組合)
上記のとおり。
UCカード(高速情報協同組合)


高速情報協同組合が発行している、UCカードブランドの法人ETCカードです。地域・業種を問わず、お得に利用できます。
公式サイト UCカード(高速情報協同組合)
割引 | 休日・深夜(30%OFF) |
---|---|
出資金 | 1万円(退会時に返金されます) |
カード作成手数料 | 550円(税込)/ 1枚 |
取扱手数料 | 550円(税込)/ 1枚(年1回) |
支払サイト | 月末締め、翌々月6日(口座振替) |
走行金額手数料 | 5%(毎月、走行金額に応じた手数料がかかります) |
車両限定 | なし(レンタカー、従業員の車でも利用できます) |
公式サイト UCカード(高速情報協同組合)
セディナ(高速情報協同組合)


高速情報協同組合が発行している、セディナブランドの法人ETCカードです。地域・業種を問わず、お得に利用できます。
公式サイト 【ETC法人ブラックカード】
割引 | 休日・深夜(30%OFF) |
---|---|
出資金 | 1万円(退会時に返金されます) |
カード作成手数料 | 550円(税込)/ 1枚 |
取扱手数料 | 550円(税込)/ 1枚(年1回) |
支払サイト | 月末締め、翌々月8日(口座振替) |
走行金額手数料 | 5%(毎月、走行金額に応じた手数料がかかります) |
車両限定 | なし(レンタカー、従業員の車でも利用できます) |
公式サイト 【ETC法人ブラックカード】
ETCマイレージサービス(高速情報協同組合)


高速情報協同組合が発行している、ETCマイレージサービス対応の法人ETCカードです。地域・業種を問わず、お得に利用できます。平日朝夕割引にも対応しています。
公式サイト ETCマイレージサービス(高速情報協同組合)
5万円分走行すると5千円還元されるお得な法人ETCカードです。
割引 | 休日・深夜:30%OFF 平日朝夕割引:50%OFF |
---|---|
出資金 | 1万円(退会時に返金されます) |
カード作成手数料 | 550円(税込)/ 1枚 |
取扱手数料 | 550円(税込)/ 1枚(年1回) |
支払サイト | 月末締め、翌々月8日(口座振替) |
走行金額手数料 | 8%(毎月、走行金額に応じた手数料がかかります) |
車両限定 | なし(レンタカー、従業員の車でも利用できます) |
公式サイト ETCマイレージサービス(高速情報協同組合)
ETCコーポレートカード(高速情報協同組合)


ETCコーポレートカードは、高速情報協同組合が発行している、首都・阪神高速道路のボリュームディスカウウント割引(大口割引)対応の法人ETCカードです。休日・深夜、平日朝夕割引に加えて、最大25%の割引が受けられます。
公式サイト ETCコーポレートカード(高速情報協同組合)
割引 | 休日・深夜:30%OFF 平日朝夕割引:50%OFF 上記割引適用後、さらに最大25%OFF(阪神高速は20%OFF) |
---|---|
出資金 | 1万円(退会時に返金されます) |
カード作成手数料 | 629円(税込)/ 1枚 |
取扱手数料 | 629円(税込)/ 1枚(年1回) |
支払サイト | 月末締め、翌々月8日(口座振替) |
走行金額手数料 | – |
車両限定 | あり(カード記載の車両以外には利用できません) |
公式サイト ETCコーポレートカード(高速情報協同組合)
UCカード(ETC協同組合)


ETC協同組合が発行している、UCブランドの法人ETCカードです。地域・業種問わずにお得に利用できます。平日朝夕割引にも対応しています。
公式サイト UCカード(ETC協同組合)
ETC協同組合発行の法人ETCカードは、必要な枚数を無制限で申し込めます。
割引 | 休日・深夜:30%OFF 平日朝夕:最大50%OFF |
---|---|
出資金 | 1万円(退会時に返金されます) |
カード作成手数料 | 880円(税込)/ 1枚 |
取扱手数料 | 880円(税込)/ 1枚(年1回) |
支払サイト | 月末締め、翌々月5日(口座振替) |
走行金額手数料 | 5%(毎月、走行金額に応じた手数料がかかります) |
車両限定 | なし(レンタカー、従業員の車でも利用できます) |
公式サイト UCカード(ETC協同組合)
以上、法人・個人事業主向けのETCカード5選でした。最後に、法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作る時のよくある質問とその答えを紹介していきます。
法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作る時のよくある質問


法人・個人事業主が協同組合のETCカードを作る時のよくある質問は下記のとおりです。
- 利用履歴はネットで確認できますか?
- 高速情報協同組合とETC協同組合のカードはどう違うのですか?
- 後からクレジット機能をつけることはできますか?
- 協同組合はガソリンカードを扱ってますか?
上記のとおり。
利用履歴はネットで確認できますか?
高速情報協同組合、ETC協同組合、どちらもWebで利用明細を確認できるシステムが用意されていますので、ネットで利用履歴を確認できます。
高速情報協同組合とETC協同組合のカードはどう違うのですか?
基本スペックはどちらもほとんど変わりませんが、大きな違いはカードの発行枚数です。
高速情報協同組合 | ETC協同組合 | |
---|---|---|
出資金 | 10,000円 | 10,000円 |
カード作成手数料(税込) | 540~629円 | 880円 |
走行距離に応じた手数料 | 5~8% | 5% |
カード発行枚数制限 | 登録車両1台につき最高4枚まで | 無制限 |
割引 | 休日・深夜:30%OFF 平日朝夕割引:50%OFF 上記割引適用後、さらに最大25%OFF(ETCコーポレートカード) | 休日・深夜:30%OFF 平日朝夕割引:50%OFF |
ETC協同組合が発行している法人ETCカードは、枚数無制限で申し込めます。
ですので、どのカードを選べば良いのか分からない方は、下記を参考にお選びください。
- 車両が少ない(1~2枚あれば十分) → 高速情報協同組合のカード
- 走行距離が長い → 高速情報協同組合のETCコーポレートカード
- 車両が多い・車両を増やす予定(走行距離は短い) → ETC協同組合のカード
後からクレジット機能をつけることはできますか?
後からクレジット機能をつけることはできません。
クレジット機能が必要な方は、法人ETCカードが作れる法人カードをご検討ください。
協同組合はガソリンカードを扱ってますか?
高速情報協同組合・ETC協同組合、いずれもクレジット機能なしのガソリンカードを発行しています。
法人ETCカードと併せてガソリンカードも作っておけば、ガス代の支払いを後払いにできるので、資金繰りのメリットは大きいですよ。
詳くは「法人・個人事業主のガソリンカード比較!クレジット機能無し【後払い】」をどうぞ。
まとめ
以上、法人・個人事業主向けの法人ETCカードを5つ紹介しました。
協同組合(高速情報協同組合・ETC協同組合)が発行している法人ETCカードはクレジット機能がないので、クレジット機能付きのカードと比べて審査条件が緩やかなので、審査に通過しやすいです。
- 法人クレジットカードは必要無いが、法人ETCカードは利用したい
- 決算書や確定申告書の提出不要で法人ETCカードを作りたい
- 事情があり、クレジットカードは使えなくなったが、高速道路を使った移動が多く、法人ETCカードが無いと困る
などのご要望をお持ちの法人や個人事業主の方は、協同組合発行の法人ETCカードの利用をぜひご検討ください。
最後に、本記事で紹介した法人ETCカードをまとめましたので、興味をお持ちの方は公式サイトにアクセスして詳細を確認してみてください。
- UCカード(高速情報協同組合)
:休日・深夜料金が30%割引 - 【ETC法人ブラックカード】
(セディナ):休日・深夜料金が30%割引 - ETCマイレージサービス(高速情報協同組合)
:平日朝夕割引50%割引、マイレージが貯まる - ETCコーポレートカード(高速情報協同組合)
:首都・阪神高速道路のボリュームディスカウント割引に対応 - UCカード(ETC協同組合)
:発行可能枚数無制限