【保存版】信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【網羅的に解説】

【保存版】信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【網羅的に解説】

信用保証協会の保証付き融資(マル保)が返済不能になると代位弁済するらしいけど、実際どうなるのかな?

代位弁済の流れや代位弁済後はどうなるのか、今後、どれぐらい返済することになるのか具体的に知りたい。
借入の際に担保に入れた不動産はどうなるのかな?代位弁済について詳しく教えて欲しい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

本記事の内容
  • 信用保証協会の代位弁済の基礎知識
  • 信用保証協会に代位弁済してから実際に返済を行うまでの流れを3ステップで解説
  • 信用保証協会の代位弁済に関するよくある疑問とその回答

なお、この記事を書いている筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰りや事業再生コンサルタントとして活動しております。

これまでお手伝いさせて頂いた企業は年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。

こういった経験を元に、この記事では、信用保証協会の代位弁済の基礎知識や、代位弁済後にどのように請求されるのか、代位弁済に関するよくある疑問とその答えを解説します。

保証付融資が返済不能になり、代位弁済を起こすと今後どうなるのかお悩みの方は、本記事を是非ご覧ください。

前置きはこれぐらいにして、さっそく本題にはいりましょう。

好きなところから読めます

信用保証協会の代位弁済【基礎知識】

最初に、信用保証協会の保証付融資が代位弁済になるどうなるのか、下記の順に代位弁済の基礎知識を解説します。

  • 代位弁済とは
  • 返済不能になってから代位弁済する流れ
  • 代位弁済すると債権者が銀行から保証協会へと代わる
  • 代位弁済は返済減額のチャンスでもある
  • 代位弁済の件数は公開されている
  • 代位弁済のメリット・デメリット

上記順に解説します。

代位弁済とは

代位弁済とは、銀行から信用保証協会の保証付き融資(マル保)を受けた事業者が、元利金ともに返済不能になると、
主債務者である企業に代わって信用保証協会が銀行に対し、借入金の返済を肩代わり返済する事を言います。

返済不能になってから代位弁済する流れ【図解】

信用保証協会の保証付き融資が代位弁済する時の流れ

返済不能になってから信用保証協会に代位弁済する流れは下記のとおりです。

  1. 延滞:保証付き融資の返済が90日以上延滞すると、期限の利益を喪失します。
  2. 督促:「期限の利益を喪失した」という内容の内容証明や督促状が届きます。
  3. 代位弁済の請求:銀行が信用保証協会に対して代位弁済の請求をします。
  4. 代位弁済:信用保証協会が債務者に代わって銀行に肩代わり弁済を行います。
  5. 請求【求償権の行使】:肩代わり弁済を行い、求償権を取得した信用保証協会は債務者に返済するよう請求してきます。
  6. 返済【求償債務の弁済】:債務者は信用保証協会に対して求償債務を返済します。

以上が返済不能になってから、代位弁済する流れとなります。

代位弁済すると債権者が銀行から保証協会へと代わる

代位弁済の手続きが行われると債権者が銀行から保証協会へ変わりますので、銀行への返済義務は無くなります。

銀行への返済義務は無くなりますが、銀行に肩代わり弁済を実行した信用保証協会に対して求償債務を負う事になります。

そのため、代位弁済後は信用保証協会に対して求償債務を返済していく事になります。

代位弁済後は信用保証協会へ返済する流れ

普通保証(80%)で融資を受けている場合は銀行への返済義務が残る

普通保証で融資を受けている場合、保証割合は80%なので、残りの20%の部分については銀行が負担する事になります。

そのため、無保証の部分の20%については銀行に対する返済義務が残りますのでご注意ください。

100%保証で保証付融資を受けた場合、銀行に対する返済義務は残りません。

  • 80%保証 → 銀行への返済義務が残る
  • 100%保証 → 銀行への返済義務は残らない

100%保証でも、代位弁済前に返済が遅れた分の遅延損害金を銀行から請求される場合がありますので、ご注意ください。

代位弁済は返済減額のチャンスでもある

信用保証協会へ代位弁済されるという状況は、今後の銀行融資がほぼ絶望的になるので、一見すると大ピンチに思えるかもしれませんが、チャンスでもあります。

なぜなら、代位弁済すると、毎月の利息支払い負担は無くなり、毎年発生する信用保証料の支払いも無くなりますので、資金繰りが大幅に改善されるからです。

例えば、1億円を年利2.5%で融資を受けた場合、単純計算で年間250万円の金利支払いが発生します。

保証付融資であれば、別途、信用保証料を毎年払う必要があります。

しかし、代位弁済すると、金利や信用保証料の支払い負担が無くなるので、資金繰りは改善します。

代位弁済の件数は公開されている

一般社団法人全国信用保証協会連合会のサイトで代位弁済件数を公開しています。

データを見れば分かりますが、毎月、全国の事業者が何千件と代位弁済されています。

数多くの事業者が人知れず代位弁済しているという事実を把握しておきましょう。

あわせて読みたい
【2020年最新】保証付融資の代位弁済件数の推移【平成23年~令和2年3月末】 信用保証協会の保証付融資が代位弁済された件数をお探しの方向け。 全信保連(一般社団法人 全国信用保証協会連合会)は、保証付融資が代位弁済した件数を「信用保証実...

代位弁済のメリット・デメリット

信用保証協会に代位弁済するメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
毎月払っている借入金の金利を支払う必要が無くなる
毎年発生する信用保証料を払う必要が無くなる
保証付融資を受けている銀行口座が凍結(ロック)される
銀行や政府系金融機関からの借入が絶望的になる
個人信用情報機関に異動情報が登録される
遅延損害金が発生する
不動産を担保に入れて融資を受けていれば換価処分される
連帯保証人への督促

各項目の詳細については、「信用保証協会に代位弁済するメリットとデメリットを解説【基礎知識】」をどうぞ。

信用保証協会に代位弁済してから実際に返済を行うまでの流れを3ステップで解説

信用保証協会に代位弁済してから実際に返済を行うまでの流れを3ステップで解説します。

  • ステップ1:銀行口座が一時的にロック(凍結)する
  • ステップ2:債権者が信用保証協会に代わる
    • 無担保で融資を受けている場合
    • 不動産を担保設定している場合
  • ステップ3:返済額の協議を行い、返済スタート

上記のとおりです。

ステップ1:銀行口座が一時的にロック(凍結)する

マル保(保証付)融資の返済が90日以上止まってしまうと、期限の利益を喪失します。

この時点で銀行口座は一時的にロック(凍結)され、預金口座に入っている資金は全て返済に充当されます。

また、期限の利益を喪失すると、銀行は信用保証協会に対して代位弁済の請求し、代位弁済手続きに入ります。

ステップ2:債権者が信用保証協会に代わる

代位弁済手続きが完了すると、債権者は銀行から信用保証協会に代わります。

普通保証(保証割合80%)で融資を受けている場合、銀行に対して20%の返済義務が残ります。

信用保証協会に代位弁済されると、求償権を取得した信用保証協会から請求を受ける事になるのですが、この時、無担保と有担保では今後の流れが変わります。

  • 無担保で融資を受けている場合
  • 不動産を担保設定している場合

上記順に解説します。

無担保で融資を受けている場合

マル保(保証付)融資を無担保で受けていた場合、信用保証協会から連絡が来るのではなく、信用保証協会の債権回収の委託を受けた「保証協会サービサー(保証協会債権回収株式会社)」から連絡がきます。

不動産を担保設定している場合

銀行からマル保(保証付)融資を受ける際に、社屋や工場などといった土地・建物、ご自宅を担保設定している場合、代位弁済を起こすと信用保証協会の審査部から次のような連絡がきます。

銀行から代位弁済請求を受けたため、担保物件を換価処分する事になります。
今現在、営業で土地・建物を使用しているのであれば、3ヵ月待ちますので、不動産の買受先を探して下さい。
3ヵ月経っても買受先が見つからなければ競売にかけます。

何年か前であれば、交渉で期限の延長ができたのですが、ここ数年は事情が異なり、期限の延長は期待できません。

そのため、不動産を競売で換価処分されてしまうと、事業継続が不可能な場合は、買受先やファイナンス先を探す必要があります。

ちなみに、「3ヶ月」と期限を区切られますが、期間中に「買付証明書」を取得し、信用保証協会に提出することができれば競売は回避できます。

3ヶ月以内に買付証明書が取得できなけば、競売手続きに進みます。

元本確定後に残債を毎月返済する

競売で担保物件が競落され、換価処分が終了すると元本が確定します。

元本が確定すると、窓口が信用保証協会から債権回収の委託を受けた「保証協会サービサー(保証協会債権回収株式会社)」から連絡がきます。

ステップ3:返済額の協議を行い、返済スタート

債権回収の委託を受けた「保証協会サービサー(保証協会債権回収株式会社)」から、電話・手紙による連絡で、管轄の保証協会サービサーに来るよう呼出を受けます。

日程が合わなかったり、呼出を無視すると事務所や経営者の自宅に訪問してくる場合もあります。

呼出の内容は、今後の返済額の協議についてです。

現在の資金繰り状況に合わせて、今後の返済額を保証協会サービサーと協議することになります。

この時の協議で毎月の返済額が決まったら、振込用紙を6枚 or 12枚発行して貰い、信用保証協会への返済がスタートします。

なお、具体的な返済額については「毎月どれくらい返済することになるの?」という項目で後述していますのでご確認下さい。

信用保証協会の代位弁済に関するよくある疑問とその回答

信用保証協会の代位弁済に関するよくある疑問とその回答をご紹介します。

  • 保証協会サービサー(保証協会債権回収株式会社)とは?
  • 事務所や家に催促に来たりしない?
  • 回収(取立て)は厳しい?
  • 毎月どれくらい返済することになるの?
  • 担保物件はすぐに競売にかけられるの?
  • ロック(凍結)された銀行口座は解除される?
  • 代位弁済を起こした事実は第三者にばれる?
  • 信用情報にキズが付いてブラックになる?
  • 代位弁済を起こすとクレジットカードは止まる?
  • 代位弁済を起こしたら今後2度と銀行融資を受けれない?
  • 信用保証協会の求償債務は免除してもらえるの?
  • 代位弁済された求償債務の時効は何年?
  • 代位弁済したら破産しないといけない?
  • 代位弁済しても事業を続けることはできる?
  • 信用保証協会に裁判を起こされる?
  • 代位弁済を起こすと2度と保証を受ける事はできない?
  • 代位弁済を起こす会社なんてウチぐらいですよね?
  • 保証協会サービサーに債権譲渡されれば債権カットできますよね?

上記のとおりです。

保証協会サービサー(保証協会債権回収株式会社)とは?

保証協会サービサー(保証協会債権回収株式会社)は、信用保証協会から債権回収の委託を受けている債権回収会社です。

今後の返済方法に関する相談は、保証協会サービサーとやり取りすることになります。

参考リンク保証協会債権回収株式会社

事務所や家に催促に来たりしない?

信用保証サービサーからの電話や手紙を無視すると、保証協会サービサーの職員が事務所・経営者の自宅に訪問してきます。

ただ、訪問してきたからといって、その場で「返済して欲しい」などと催促される事はありません。

まずは事情伺いから始まり、そこから、「毎月、いくらぐらいなら返済できそうですか?」という流れになります。

回収(取り立て)は厳しい?

いわゆる、夜討ち朝駆けといった回収をされることは100%あり得ません。

また、今後の返済方法に関する話し合いも非常に紳士的ですので、精神的に辛くなるような事はまず無いと言えます。

担保付きの場合、信用保証協会の審査部の方に「競売による換価処分は3ヶ月しか待たない」と言われたら厳しいと感じるかもしれませんが、何時でも話し合いに応じてくれますので、厳しくはありません。

毎月どれくらい返済することになるの?

具体的な毎月の返済額は次のとおりです。

  • 毎月1万円 ← 実務上、最も多い返済額
  • 毎月2万円~3万円 ← 「交渉が面倒・苦手だから」と、保証協会サービサー任せにしてしまうとよくある返済額
  • 毎月3千円~5千円 ← 高齢の経営者で事業自体に収益力が無く、役員報酬を受け取っておらず、年金で生活しているとよくある返済額

ちなみに、毎月の返済額は残債の多寡に関係なく設定されます。

毎月の返済額は負債の多寡と無関係

例えば、次のようなケース。

  • Aさん:1億円の求償債務
  • Bさん:500万円の求償債務

Aさんの方が負債総額は圧倒的に多いですが、だからといって、Aさんに対する督促の風当たりがBさんの20倍あるのかというと、そのような事は100%あり得ません。

AさんとBさんに対する対応や、毎月の返済額は同じです。

担保物件はすぐに競売にかけられるの?

ステップ2:債権者が信用保証協会に代わる」という項目の不動産を担保設定している場合でも解説したとおり、3ヶ月は待ってもらえます。

2012年~2013年ぐらいの時期、あるいはそれ以前の時期であれば、以下の記事で解説しているような交渉が可能でしたが、ここ最近は担保処分ありきで話が進みます。

あわせて読みたい
【悲報】借入が返済できない!担保物件の競売は回避可能?【対処法あり】 社屋や工場等といった不動産を担保設定して借入を起こしたけど、資金繰りが厳しくて返済できないよ…。このまま借入金の返済ができないと、債権者である金融機関に競売を...

ですので、このままだと代位弁済になりそうだと思ったら、事前に任意売却の準備を進める必要があります。

任意売却の詳しい説明は「【競売回避】抵当に入っている不動産の保全を図る任意売却について解説【基礎知識】」をどうぞ。

ちなみに、信用保証協会と任意売却の交渉をする際、「都道府県で対応が違うことはありますか?」というご質問をよく頂きますが、「【任意売却】保証協会の代位弁済後、都道府県で回収方針が違ったりする?【どこも同じ】」という記事でも解説しているとおり、基本的に全国一律同じです。

ロック(凍結)された銀行口座は解除される?

期限の利益を喪失した時点で、保証付融資を受けている銀行口座はいったんロック(凍結)されます。

しかし、代位弁済手続きが終わればロック解除となりますので、その後は普通に入出金できるようになります。

詳しくは「信用保証協会に代位弁済されると銀行口座は凍結する?【するけど後で解除されます】」をどうぞ。

代位弁済を起こした事実は第三者にばれる?

代位弁済を起こすと取引先に知られてしまい、取引停止になるのでは?と心配される方がいますが、代位弁済を起こした事実は黙っていれば誰かにばれるような事はありません。

ただし、保証付き融資を受ける際に不動産を担保提供している場合、不動産登記簿謄本を見られたら代位弁済を起こした事実はばれます。

詳しくは「保証協会に代位弁済した事実は誰かにばれる?【ばれるケースは2つ】」をどうぞ。

信用情報にキズが付いてブラックになる?

代位弁済を起こした事実は、個人信用情報機関の1つであるKSC(全国銀行個人信用情報センター)に登録され、5年間は履歴が残りますので、信用情報にキズがつくことになるのでブラックになります。

ちなみに、登録されるのはKSCだけではありますが、国内に3つある信用情報機関(CIC・JICC・KSC)は相互に連携しているので、事実上、全ての個人信用情報に残る事になります。

詳しくは「【銀行融資】リスケジュールした事実は信用情報機関に登録される?【結論:登録されない】」をどうぞ。

代位弁済を起こすとクレジットカードは止まる?

「代位弁済を起こすと…」、というよりは、銀行融資を90日以上延滞し、期限の利益を喪失すると、クレジットカードの銘柄によっては法人・個人問わずに使用停止になることがあります。

銀行名の付いたクレジットカードは即日停止となります。

ちなみに、一度も支払い遅延を起こしたことが無いクレジットカードでも、期限の利益を喪失した時点で使用停止となります。

使い続ける事ができるクレジットカードもあります

クレジットカードの銘柄によっては、期限の利益を喪失した後でも使い続ける事ができるカードは結構あります。

代位弁済を起こしたからといって、全てのクレジットカードが止まる訳ではありません。

クレジットカードが止まるとWebサービス・ETC・ガソリンの支払いが心配な方は

信用情報にキズが付いてブラックになる?」という項目でも解説しているとおり、代位弁済になると個人信用情報がブラックになるので、しばらくの間は新規のクレジットカードは作れません。

クレジットカードが止まるとWebサービスやETC・ガソリンの支払いが現金払いになって困るという方は、カード支払いができるよう、審査不要のカードを作っておきましょう。

代位弁済を起こしたら今後2度と銀行融資を受けれない?

信用保証協会の求償債務がある限り、新規融資を受ける事は不可能です。

これは、銀行に限らず、日本政策金融や商工中金でも同じです。

決算書の「借入金及び支払利子の内訳書」に「信用保証協会」と記載されている限り、新規融資は不可能です。

そのため、原則としては求償債務を全額返済しないと新規融資は不可能ではあるのですが、求償債務をきちんと返済する事業者の救済措置として、「求償権消滅保証」という保証制度があります。

詳しくは「求償権消滅保証とはどんな保証制度?代位弁済の求償権を借換える仕組みについて解説」をどうぞ。

信用保証協会の求償債務は免除してもらえるの?

状況次第にもよりますが、信用保証協会が求償債務を免除することはあります。

筆者のお客様の中で、実際に求償債務の免除の提案を受けたという方や、今現在、提案を受けている経営者様も実際にいます。

ただし、とてつもなくハードルが高いので、簡単に考えない方が良いです。

詳しくは「信用保証協会は求償権を債権放棄してくれる?【結論:する事はあるけどハードルは高い】」をどうぞ。

代位弁済された求償債務の時効は何年?

代位弁済が実行されてから5年で時効になります。

ただし、「5年経てば時効で負債が消滅する」ということは期待しない方が良いです。

時効間際に信用保証協会から訴訟を起こされますので、5年経ったからと言って求償債務が消滅する事はあり得ません。

詳しくは「信用保証協会に代位弁済された求償権の時効は何年?起算点や事例を解説」をどうぞ。

代位弁済したら破産しないといけない?

代位弁済したからといって、破産しなければならないというルールはありません。

破産するしないは個人の自由ですから、「ご自由にどうぞ」という他ありません。

詳しくは「信用保証協会に代位弁済したら破産しないといけない?【個人の自由】」をどうぞ。

代位弁済しても事業を続けることはできる?

資金繰りが回っている限り、事業を続けることはできます。

実際、続けている方は少なくないですし、代位弁済をきっかけに復活した方も少なくありません。

また、代位弁済の出口戦略はありますので、「代位弁済=(イコール)終わり」ではありません。

詳しくは「信用保証協会に代位弁済された企業に生き残りの選択肢はある?【3つあります】」をどうぞ。

信用保証協会に裁判を起こされる?

代位弁済された求償債務の時効は何年?」でも解説しているとおり、時効間際に訴訟を起こされます。

それ以外に訴訟を起こされる事は殆どありません。

2009年から現在まで、お客様からそのような事を聞いたことはありません。

代位弁済を起こすと2度と保証を受ける事はできない?

代位弁済を起こしたら今後2度と銀行融資を受けれない?」という項目でも解説しているとおり、代位弁済を起こした事業者の救済措置である「求償権消滅保証」という保証であれば、今後の返済次第では保証を受けれる可能性があります。

詳しくは「求償権消滅保証とはどんな保証制度?代位弁済の求償権を借換える仕組みについて解説」をどうぞ。

その他の保証(緊急保証、セーフティネット保証)については、残念ながら諦める他ありません。

代位弁済を起こす会社なんてウチぐらいですよね?

代位弁済の件数は公開されている」という項目でも解説しているとおり、代位弁済を起こす会社は毎月何千社とあります。

表立って「ウチの会社は代位弁済した」などと口にしないだけで、もしかしたら、あなたの取引先も代位弁済をしている可能性がゼロと言い切れません。

ですので、必要以上に悲観的に考える必要はないと思います。

詳しくは「信用保証協会の代位弁済件数はどれぐらいある?【絶望しなくて良い理由も合わせて解説】」をどうぞ。

保証協会サービサーに債権譲渡されれば債権カットできますよね?

保証協会サービサーは信用保証協会から債権回収の委託を受けているに過ぎず、債権譲渡された訳ではありません。

  • 債権回収の委託 → 債権の回収業務を代行しているだけ(債権回収のアウトソーシング)。
  • 債権譲渡 → 原債権者(元々の債権者)が回収を諦めて債権を第三者に売却すること。

そのため、民間の金融機関のように「和解交渉で債権カット」というような事は起こりません。

信用保証協会の求償債務は免除してもらえるの?」という項目でも解説しているとおり、信用保証協会側から債務免除の提案をしてくることはあります。

債権譲渡と債権回収の委託は言葉の意味が全く違うので気を付けましょう。

まとめ

以上、信用保証協会の保証付融資が代位弁済になるとどうなるのかを徹底解説しました。

マル保(保証付)融資が代位弁済すると、銀行や政府系金融機関からの融資は絶望的になりますが、救済措置がありますので、今後2度と借りれなくなるということではありません。

代位弁済を起こしても、資金調達の可能性はゼロになる訳では無いので、無理して金利を払い続けるのであれば、金利の支払を止めて代位弁済に持ち込むという選択肢も考えられます。

あわせて読みたい
【保存版】売掛金で資金調達するファクタリングの仕組みや注意点を徹底解説【基礎知識】 銀行から融資を受けるのが難しく、売掛の入金サイトも長いから、売掛債権を売却して資金調達するファクタリングの利用を検討しているよ。ファクタリングで売掛金を現金...
あわせて読みたい
ABL(売掛金担保融資)による資金調達を徹底解説!業種やメリット・デメリット、条件など【保存版】 商品を販売して実際に入金されるまで入金を待ち続けるのは、資金繰りが苦しい企業にとってかなり苦しいものです。「支払いサイトが60日から、30日になってくれたら...」...

ちなみに、生き残るための今後の方向性にお悩みでしたら、筆者が面談相談(有償)に対応していますので、興味のある方は以下のページで詳細をご覧くださいませ。

資金繰りや事業再生に関する面談相談の依頼ページ

人気記事資金繰りのコンサルタントがおすすめするビジネスローン5社

人気記事【結論】売掛金で資金調達するファクタリングは、OLTA(オルタ)が神

面白かったらシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
好きなところから読めます