信用保証協会の保証付融資が代位弁済された件数をお探しの方向け。
全信保連(一般社団法人 全国信用保証協会連合会)は、保証付融資が代位弁済した件数を「信用保証実績の推移」という形で毎月公表しています。
「信用保証実績の推移」で確認できるデータは、代位弁済の件数の他、以下のデータを確認する事ができます。
- 保証承諾:件数・金額
- 保証債務実績:件数・金額
- 代位弁済(元利合計):件数・金額
この記事では、代位弁済の件数・金額を紹介します。
なお、代位弁済の詳しい解説は「【保存版】信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【網羅的に解説】」をどうぞ。
信用保証協会に代位弁済された件数の推移【令和元年度】
信用保証協会に代位弁済された件数の推移は下図のとおりです。

データ参照元:一般社団法人全国信用保証協会連合会 信用保証実績の推移(pdf)
代位弁済の件数は年々減少傾向にある
一般社団法人全国信用保証協会連合会が公表している「信用保証実績の推移」によると、代位弁済の件数は年々減少しており、
平成23年度に77,586件あった代位弁済件数は、平成30年度には36,036件と53.6%減少し、直近年度の令和元年度には、35,337件とさらに減少しています。
全国信用保証協会連合会は、全国51の信用保証協会を会員とする組織で、信用保証業務改善のための調査・研究や中小企業金融に関する調査研究、各種研修等の企画・運営、機関誌やパンフレット等の企画・制作、および信用保証協会団体信用生命保険制度の運営などの事業活動を行い、中小企業・小規模事業者等に対する金融の円滑化に資することを目的として事業を行っています。
出典:一般社団法人全国信用保証協会連合会
保証付融資の代位弁済件数の推移が減少している理由1つ

保証付融資の代位弁済件数の推移が減少している理由は下記1つです。
- リスケジュール件数が増加しているから
上記のとおりです。
リスケジュール件数が増加しているから
代位弁済件数は年々減少傾向にありますが、減少している理由の1つにリスケジュール件数の増加が挙げられます。
以下の記事でリスケジュール件数の推移のグラフを掲載していますが、リスケジュール申請件数は右肩上がりに増加していることが分かります。

売上の見込みが全く無いという状況以外であれば、リスケジュール(返済条件変更)で元本返済を猶予してもらう事で、代位弁済の回避に貢献しているという事が見て取れます。
代位弁済件数は近い将来上昇に転じる可能性もゼロではない
事業性評価に基いた融資が期待され、新たな保証制度の創設などで中小企業の資金調達を後押しする支援策が出てきています。
しかし、金融機関が財務内容の良い企業に対して融資を実行するという基本姿勢に変化は無いと思います。なぜなら、「財務内容を重視する」という融資の根幹部分に変化が無いからです。
平成29年3月末時点で847万件もあるリスケジュール申請件数。
この数字だけ見てしまうと、約定弁済、若しくはリスケジュール中の融資を受けれる企業は全体の数パーセント程度しか無いのでは?と推察されます。
となると、金利だけ払い続けている企業は利払い負担が重くのしかかり、やがて代位弁済の道を辿る事になるのは想像に難くありません。
今後、代位弁済件数が上昇に転じる可能性は十分考えらるのではないでしょうか。
まとめ
以上、信用保証協会の保証付き融資の代位弁済件数の推移データについて解説しました。
現在リスケジュール中の企業は今後、以下いずれかの選択を迫られる事になりそうです。
- 経営改善で財務内容を改善し、資金調達できる環境を取り戻す(企業価値向上)
- 組織再編等で収益事業を伸ばし、不採算部門は負債と共に処理する
- 第二会社を使って負債を処理し、成長資金の調達を狙う
第二会社方式について詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

ちなみに、代位弁済になったからといって、経営継続できない訳ではありませんので、「代位弁済=(イコール)絶望」などと思わないようにしましょう。

