信用保証協会に代位弁済された企業に生き残りの選択肢はある?【3つあります】

信用保証協会に代位弁済された企業に生き残りの選択肢はある?【3つあります】

信用保証協会の保証付融資が代位弁済になったけど、代位弁済後はどのような選択肢があるのかな?

銀行融資は絶望的だし、負債を抱えたまま経営継続するしかないのかな?それとも、業績が回復したら銀行から融資してもらえるようになるのかな?

今後の方向性を考えたいから、代位弁済後はどのような選択肢があるのか知りたい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

本記事の内容
  • 信用保証協会に代位弁済された後の選択肢3つ

この記事を書いている筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰りや事業再生コンサルタントとして活動しております。

こういった経験を元に、この記事では、保証付き融資が代位弁済された後、どのような選択肢があるのかについて詳しく解説していきます。

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信用保証協会に代位弁済された後の選択肢3つ

信用保証協会の保証付き融資が代位弁済になった企業は、今後、どのような選択肢が残されているのでしょうか。

結論から言うと、選択肢は下記3つあります

  • 第二会社方式での再生
  • 求償権消滅保証を狙う
  • 何もしない(現状維持 or 時効狙い)

順を追って解説します。

第二会社方式での再生

まず最初に、会社分割や事業譲渡といった「第二会社方式」を検討するという選択肢があります。

代位弁済したという事は、収益力が低下して利息や保証料の支払い負担が厳しくなり、代位弁済を決断したのだと思いますが、代位弁済すると多額の負債を抱えたままの状態で経営継続する事になります。

業績が横這いであれば負債を抱えたままでも問題無いと思いますが、業績回復の兆しが見えてくるようになると銀行から資金調達できないという事が大きな足かせとなり、急成長するのは難しいです。

このような場合、第二会社方式を活用して負債を処理するという方法があります。

過大な負債を抱えたままでは銀行融資を受ける事はできませんが、負債を処理する事で銀行からの融資も受けやすくなり、負の資産を旧会社に残し、良い部分だけを残す事ができます。

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第二会社方式を使えば負債を切り離すことができますが、設計を間違えると旧会社の負債を負うこともあります。

余計なトラブルを増やさないよう、第二会社方式を検討する際は必ず専門家にアドバイスを受けながら検討するようにしましょう。

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また、以下の記事で別会社による資金調達の注意点を解説しています。こちらも合わせて確認しておいて下さい。

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求償権消滅保証を狙う

「代位弁済になったけど、今の会社で再び銀行から融資を受けたい」という事をお考えの方は、「求償権消滅保証」という保証制度を狙うという選択肢があります。

求償権消滅保証を受ける事ができれば、代位弁済された後でも新たな保証を受ける事ができます。

つまり、再び銀行から融資を受ける事ができるようになるのです。

求償権消滅保証の詳しい制度内容、仕組みについては「求償権消滅保証とはどんな保証制度?代位弁済の求償権を借換える仕組みについて解説」をどうぞ。

ただしハードルは高いです

求償権消滅保証は、一度代位弁済を起こした企業が再び保証を受ける事ができるようになる制度なので、とてつもなくハードルが高いです。

求償権消滅保証を狙うには、まず本業の収益力を回復させることが第一となります。

なぜなら、代位弁済後もある程度の金額を返済し、他債権者に対しても同じように返済を続け、そこから「再び保証を付けるに値する事業者なのか?」という事を見られるからです。

この記事を書いてる筆者は、この仕事を2009年から続けていますが、求償権消滅保証を受けた事があるという方とお会いしたのは2名しかいません。

非常にハードルの高い保証制度だという事を覚えておきましょう。

とはいえ、希望が全く無い訳ではありませんので、第二会社方式を選択せず、「自社で立て直す」という気概をお持ちの方は、求償権消滅保証を狙うのもアリだと思います。

何もしない(現状維持 or 時効狙い)

「何もしない」というのは文字通り何もしないことです。

第二会社方式を選択するわけでもなく、求償権消滅保証も狙わず、現状を維持するような形で経営継続していくという事です。

信用保証協会サービサーと交渉で決まった金額を延々と払い続けるも良いですし、支払い自体を止めて時効を狙うという事も考えられます。

意外とこういったケースは少なくないので、資金繰りが苦しくならない方法を選択すれば良いと思います。

ちなみに、信用保証協会の求償債務の時効に関する詳しい情報を知りたいという方は、以下の記事をどうぞ。

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何もしない場合、銀行や政府系金融機関からの資金調達は不可能になりますので、突発的な支払いが発生しそうなときは、以下いずれかの方法で資金調達を検討することになります。

  • ファクタリング
  • 不動産担保ローン

ファクタリング

ファクタリングは、商取引の際に発生した売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却する事で現金化する資金調達方法です。

ファクタリングは取引先の信用力を重視しているため、利用者の信用力はほとんど審査されません。そのため、代位弁済を起こした企業でも取引先の信用力が高ければ利用する事ができます。

詳しくは「【保存版】売掛金で資金調達するファクタリングの仕組みや注意点を徹底解説【基礎知識】」をどうぞ。

不動産担保ローン

不動産を所有していれば、代位弁済を起こしても資金調達できる可能性があります。

不動産があれば必ずしも融資を受けれるというわけでは無く、融資を実行するかどうかはローン事業者の判断次第となりますのでご注意ください。

土地の流動性が高ければ、比較的融資を受けやすい傾向にあります。

まとめ

以上、信用保証協会の保証付き融資が代位弁済になった後の選択肢を3つ紹介しました。

代位弁済になってもその先の選択肢がありますので、「代位弁済=(イコール)今後二度と銀行から借りれない」という訳ではありません。

代位弁済になっても今まで通り事業を継続することもできますし、ノンバンクであれば資金調達も可能です。

どうしても銀行から借りたいという事であれば、第二会社方式や求償権消滅保証を狙うという事も考えられますので、「代位弁済になったからもうダメだ」等と思考停止にならず、本業の収益力を少しでも回復できるよう乗り切りましょう。

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