【保存版】売掛金で資金調達するファクタリングの仕組みや注意点を徹底解説【基礎知識】

【保存版】売掛金で資金調達するファクタリングの仕組みや注意点を徹底解説【基礎知識】

銀行から融資を受けるのが難しく、売掛の入金サイトも長いから、売掛債権を売却して資金調達するファクタリングの利用を検討しているよ。

ファクタリングで売掛金を現金化すれば、入金を待たずに買掛金を払えるから、融資を受けれなくても資金繰りの都合が付きそうだよ。

利用を検討しているので、ファクタリングの特徴や注意点などがあれば詳しく教えて欲しいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

売掛金で資金調達する「ファクタリング」とは

「ファクタリング(factoring)」とは、商取引の際に発生した売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却する事で現金化する取引のことを言います。

ファクタリングの仕組み

売掛金をファクタリングに売却することで、取引先からの入金を待たなくても、売上が確定している売掛債権の現金を受取ることができる仕組みです。

後日、通常通り支払日に取引先から入金が行われたら、入金額をそのままファクタリング会社に送金することでファクタリングの手続きは完了します。

融資ではないので利用者の与信は問われない

ファクタリングは融資ではありませんので、利用者の与信は問われません。

従って、下記いずれかに該当するような場合でも、取引先の与信が良ければ利用可能です。

  • 債務超過
  • 経営者の個人信用情報がブラック
  • 税金・社会保険料を滞納している
  • リスケジュール中で資金調達が難しい

詳しくは以下の記事をどうぞ。

審査のスピードが早い(最短24時間以内というファクタリング会社もある)

融資ではないので、審査は早いです。殆どのファクタリング会社は、申込みから3営業日以内には審査結果が出ます

また、最近では最短24時間以内に申込から審査の可否、振込実行までを行うファクタリング会社もあります。

ファクタリングの種類と買取手数料

一口にファクタリングといっても、取引形態は2種類あり、種類別に手数料も変わります。具体的には次のとおりです。

  • 2社間ファクタリング(取引先の承諾を得ない) → 手数料10%~20%
  • 3社間ファクタリング(取引先の承諾を得る)→ 手数料1%~5%

両者の違いは、取引先の承諾を得るか、得ないかの違いとなります。

つまり、分かりやすく言うと次のような違いがあります。

  • 取引先に知られたくない場合 → 2社間ファクタリング → 手数料が高い
  • 取引先に知られても構わない → 3社間ファクタリング → 手数料が安い

ファクタリングの多くはノンリコース

ファクタリング会社の多くは、ノンリコースで売掛債権を買い取ってくれます。

ノンリコースとは「償還請求権がない」ことを指す言葉です。

償還請求権がないというのは、売掛債権をファクタリング会社に買い取って貰った後に、取引先が倒産したとしても、利用者は一切の責任を負うことなく、ファクタリング会社が貸倒リスクを引き受ける取引形態のことを言います。

売掛金で資金調達するファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングを利用することによるメリット・デメリットは次のとおりです。

メリットデメリット
業績や財務内容は関係無く利用できる(債務超過でもOK)
融資ではないので個人信用情報が悪くても調達可能
税金・社会保険料を滞納していても利用可能
保証人・担保不要
最短24時間以内に売掛金を現金化する事も可能
ファクタリングを利用している事が取引先にバレない
取引先(売掛先)が倒産しても返金する必要がない
買掛を支払う前に資金を手にする事ができるため、キャッシュフローの改善を図れる
融資と比較すると調達コストが高い(買取手数料が高い)
売掛金が存在していないと資金調達できない
売掛金以上の金額を調達できない(売掛の範囲内でしか調達不可)
取引先にファクタリングを利用している事がバレる可能性あり
分割返済ができない
ファクタリング事業者によっては面接が必要な場合がある

各項目の詳細については、「【資金調達】ファクタリングを利用するメリット・デメリットを徹底解説【基礎知識】」をどうぞ。

売掛金で資金調達するファクタリングの注意点4つ

売掛金で資金調達するファクタリングの注意点は下記4つあります。

  • 債権譲渡禁止特約がついていると利用できない
  • 分割返済ができない
  • 買取手数料が高いので利用を検討する際はシミュレーションが必要
  • 手数料の高い業者でファクタリングを利用すると負のスパイラルに陥る可能性大

上記のとおりです。

債権譲渡禁止特約がついていると利用できない

取引先と取引基本契約を交わしており、契約内容に債権譲渡禁止特約が付いている場合、基本的にファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらう事はできません。

改正民法が施行される2020年4月以降であれば利用できる可能性がありますが、現状、ファクタリング会社の多くは債権譲渡禁止特約が付いている売掛債権の買取りはリスクが高いので敬遠しているのが実情です。

改正民法の詳しい解説については「民法改正で債権譲渡禁止特約が付いた債権譲渡が可能に!売掛債権を活用した資金調達の影響は?」をどうぞ。

ちなみに、「【結論】売掛金で資金調達するファクタリングは、OLTA(オルタ)が神」という記事で紹介しているファクタリング会社は、債権譲渡禁止特約が付いていても、買取可能です。

分割返済ができない

ファクタリングの返済ができなくなった場合、分割返済は基本的にできません。

理由は2つあります。

  • ファクタリングは借入ではなく「前受金」だから
  • 分割返済を認めると「融資行為」に該当し、貸金業法に抵触するため

上記の理由から、ファクタリングの分割返済は基本的に不可能です。

ただし、何事にも例外は存在します。

詳しくは「【悲報】ファクタリングが返済できない!分割返済は可能?【対応策はある】」をどうぞ。

買取手数料が高いので利用を検討する際はシミュレーションが必要

ファクタリングの種類と買取手数料」でも解説しましたが、ファクタリングの買取手数料は高いです。

3社間ファクタリングを利用するなら数%で済みますが、2社間ファクタリングを利用する場合、ファクタリング業者によっては10%~20%近い買取手数料が発生することもあります。

20%もの買取手数料を負担していたら、「ファクタリングを利用すれば資金繰りは改善する?【結論:買取手数料次第】」でも解説しているとおり、早晩破綻します。

そのような事にならないためにも、利用を検討する際は、買取手数料の安いファクタリングの検討はもちろん、事前に資金繰りのシミュレーションを行ってから利用するようにしましょう。

手数料の高い業者でファクタリングを利用すると負のスパイラルに陥る可能性大

筆者のお客様で、20%の買取手数料をチャージされるファクタリング会社を利用していた方がいました。

手数料が高過ぎるため、いくら売上を上げても利益は殆ど無く、むしろ販管費の分だけ毎月マイナスになるという状況でした。

筆者の元に相談に来られた時は、真っ青な顔をしてました。

このお客様も、利用する前にシミュレーションを行っていれば、こうしたことは事前に予測できたはずです。

このような状況に陥ってしまえば後の祭りですので、必ずシミュレーションを行ってから利用を検討するようにしましょう。

売掛金で資金調達するファクタリングのよくある疑問

売掛金で資金調達するファクタリングのよくある疑問を11項目紹介します。

  • 創業したばかりでも利用できる?
  • 個人事業主でも利用できる?
  • 少額(小口)の売掛金でも買取りできる?
  • 税金・社会保険料を滞納しているけど利用できる?
  • 赤字決算だけど利用できる?
  • 債務超過でも利用できる?
  • リスケ中でも利用できる?
  • 年利換算すると利息制限法を超えるけど違法ではない?
  • そもそも、ファクタリングって危なくない?
  • ファクタリングを利用していることが取引先に知られる?
  • ファクタリング業者は沢山あるから、比較検討するべき?
  • 手形割引とどのような違いがあるの?

上記のとおりです。

創業したばかりでも利用できる?

ファクタリングは利用者の与信を殆どチェックされませんので、創業したばかりでも取引先の信頼性が高ければファクタリングできます。

例えば、個人事業主同士の取引で売掛金が発生した場合は、取引先の信頼性が低いと判断されますが、取引先が中小企業・大企業などであれば信頼性が高いと判断されます。

個人事業主でも利用できる?

個人事業主でもファクタリングは利用可能!審査のポイントやおすすめ事業者を3つ紹介」でも解説しているとおり、個人事業主でもファクタリングを利用できます。

ただ、ファクタリング会社の多くは、利用対象を法人だけに絞っているファクタリング会社が殆どなので、個人事業主が利用できるファクタリング会社は少ないです。

少額(小口)の売掛金でも買取りできる?

ファクタリング業者の多くは少額の売掛金の買取りに対応していませんが、一部のファクタリング業者は少額(小口)の売掛金の買取りに対応しています。

詳しくは「小額の売掛でもファクタリング可能?【数万でも買取ってもらえます】」をどうぞ。

税金・社会保険料を滞納しているけど利用できる?

【資金調達】税金や社会保険料を滞納してる企業が資金調達する方法【売掛を活用】」でも解説しているとおり、税金や社会保険料を滞納していても、ファクタリングを利用する事は可能です。

税金や社会保険料を滞納しているということは、入金口座を差押えられてしまうリスクがあるので、どこのファクタリング会社でも審査に通るとまでは言えませんが、それでも、ほぼほぼ断られるような事は少ないと言えます。

赤字決算だけど利用できる?

ファクタリングは融資と違い、赤字決算でも利用可能です。

債務超過でも利用できる?

債務超過でも売掛金さえあればファクタリング可能です。

リスケ中でも利用できる?

【銀行融資】リスケジュール中でも可能な資金調達方法6選」という記事でも解説しているとおり、銀行融資のリスケジュール中でもファクタリングを利用する事は可能です。

年利換算すると利息制限法を超えるけど違法ではない?

ファクタリングは融資ではなく債権の売買契約なので、利息制限法には該当せず、違法ではありません。

詳しくは「ファクタリングは違法?法的根拠やよくある疑問を解説【基礎知識】」をどうぞ。

そもそも、ファクタリングって危なくない?

ファクタリング自体は怪しくはありませんが、危ない業者というのは存在しますので、利用する際は気を付ける必要があります。

詳しくは「【資金調達】ファクタリングは危ない?危険性と対処法を解説」をどうぞ。

ファクタリングを利用していることが取引先に知られる?

ファクタリングで資金調達すると取引先に知られる?【2社間なら大丈夫】」でも解説しているとおり、2社間ファクタリングなら、基本的に取引先に知られるような事はありません。

ただ、2社間ファクタリングでも、状況次第では取引先にばれることはあります。

詳しくは「【資金調達】ファクタリングがばれるパターンとは?【5つ紹介します】」をどうぞ。

ファクタリング業者は沢山あるから、比較検討するべき?

ファクタリング業者を比較してもあまり意味はありません。

なぜなら、買取手数料の高い業者を比較したところで、資金繰りが悪化するのは目に見えてますから、それなら最初から業界最低水準のファクタリングを利用した方が良いです。

詳しくは「【意味ない】2社間ファクタリングで業者を比較しても時間の無駄です」をどうぞ。

手形割引とどのような違いがあるの?

売掛債権を現金化するという点において、ファクタリングと手形割引は同一視されやすいですが、手形割引はあくまで「融資」であり、ファクタリングは「債権の売買」となります。

その他にも細かい違いがいくつかありますので、詳しく知りたい方は「ファクタリングと手形割引の違いを7つ紹介【基礎知識】」をどうぞ。

売掛金で資金調達するファクタリングは手数料が低い業者の利用がおすすめ

ファクタリングで資金調達をするなら、買取手数料が一桁台のファクタリング会社を利用するようにしましょう。

いまのところ、筆者おすすめのファクタリング会社は以下のとおりです。

  • :買取手数料は業界最低水準、最短24時間以内に入金可能
  • :ファクタリング事業者ではありませんが、提携事業者の中から一括で比較できるので、買取手数料の低い会社を紹介してもらうと良いです。

特にオルタのファクタリングは業界最低水準なので、利用するのであれば、オルタのように手数料が低い会社を利用するようにしましょう。

まとめ

以上、売掛金で資金調達するファクタリングの仕組みや、利用を検討する際の注意点について解説しました。

ファクタリングは融資とは異なり、ファクタリング会社が売掛債権を買取る仕組みなので、利用者の与信の重要度は殆ど考慮されません。

そのため、資金調達が難しい企業にとって有効な資金調達方法だと思いますが、買取り手数料が高いので、いきなりファクタリングに飛びつくような事は避けるべきです。

自社の利益率をもとに、ファクタリングを利用した場合のシミュレーションを行った上で、利用を検討するようにしましょう。

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