
銀行融資の返済が厳しく、新規融資も断られたからリスケジュールを検討しているけど、リスケしたら信用情報機関に情報を登録されたりするのかな?
信用情報機関にリスケしたことが登録されて、後々ローンが組み難くなったり、クレジットカードが作れなくなったら嫌だよ。
リスケすると信用情報機関に何らかの痕跡が残るかどうか知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
銀行融資をリスケジュールしても信用情報機関に登録される事はない【結論】


銀行融資のリスケジュールを検討する際、「信用情報機関にリスケジュールの事実が登録されたりしないか?」などと心配される方がいますが、
結論から言うと、銀行融資をリスケジュールしただけで信用情報に登録されるようなことはありません。
登録されない理由は、リスケジュールは延滞と違い、貸し手と借り手双方が合意の上で、一時的に契約の変更をしているだけに過ぎないため、延滞している訳ではないからです。
そのため、信用情報機関に登録されるようなことはありません。
信用情報機関に異動情報が登録される事由3つ


信用情報機関に事故情報(正確には「異動情報」と言います)が登録される事由は下記3つあります。
- 借入金の返済を延滞した場合
- 期限の利益を喪失した場合
- 代位弁済になった場合
上記のとおりです。
借入金の返済を延滞した場合
銀行はもちろん、クレジットカードやノンバンクからの借入の返済が延滞すると、信用情報機関に延滞の事実が登録されてしまいます。
ちなみに、この記事の最初に「リスケジュールは延滞扱いにならない」とお伝えしていますが、
例えば、元本返済ゼロ円(金利だけの支払い)でリスケジュールした場合、金利の支払いが滞ってしまうと延滞扱いになりますので、気を付けましょう。
期限の利益を喪失した場合
期限の利益とは、契約で決められた返済日にきちんと返済していれば、債権者が突然「やっぱりすぐに全額返済して欲しい」という事をできない権利のことで、債務者を保護する権利の事をいいます。
債務者は期限の利益で守られている為、契約通りに返済していれば、債権者から一括請求を受ける事がありません。
しかし、契約で決められた返済日に返済できなくなると、「期限の利益」を喪失することになりますので、債権者から一括請求を受ける事になります。
ちなみに、銀行融資の場合、銀行取引約定書にも記載されているとおり、90日以上延滞すると期限の利益を喪失しますので、その事実は信用情報機関に登録されてしまいます。
期限の利益の喪失に該当するケース
期限の利益を喪失するケースは90日以上の延滞のほか、下記いずれかに該当すると期限の利益を喪失しますので、ご注意ください。
- 仮差押・差押 → 預貯金、担保物件の差押を受けた時
- 手形事故 → 不渡りを出した時
- 法的整理 → 破産・民事再生・会社更生法・特別清算開始の申し立てをした時(弁護士に債務整理を委任したとき、あるいは営業の廃止を表明したときも含まれます)
代位弁済になった場合
期限の利益を喪失し、マル保融資(保証付融資)が代位弁済になると、その事実は信用情報機関に登録されてしまいます。
代位弁済の詳細は以下の記事をどうぞ。


信用情報機関に異動情報が登録される事による悪影響1つ


銀行融資をリスケジュールするぐらいで信用情報機関に登録される事はありません。
ただ、借入金の返済が延滞してしまうと異動情報が登録され、今後、金融機関との取引に悪影響を及ぼします。
信用情報機関に異動情報が登録されることがないよう、注意しましょう。
ちなみに、異動情報が登録される事による悪影響は1つしかありません。
- しばらくの間、借入が難しくなる
上記のとおりです。
しばらくの間、借入が難しくなる
信用情報機関に異動情報が登録されてしまうと、しばらくの間、銀行からの新規融資は絶望的となり、ノンバンクからの借入も難しくなります。
しばらくの間って具体的な期間はどれぐらい?
銀行借入の異動情報は「全国銀行個人信用情報センター(KCS)」という信用情報機関が管理しており、KCSは異動情報を5年間保存しています。
異動情報が登録されている限り、銀行からの新規融資は絶望的となります。
ただ、5年を過ぎれば異動情報が消えますので、新規融資を受けれる可能性が出てきます。
信用情報機関に異動情報が付かないよう、資金繰りがまわるよう注意を払いましょう
異動情報が登録されるとしばらくの間、新規融資が絶望的となりますので、異動情報が登録されるようなことが無いよう、日々の資金繰りに細心の注意を払いましょう。
資金繰りが厳しくなってきたら、無理に返済しようとせず、リスケジュールで資金繰りを確保したり、銀行融資以外の方法で資金調達を検討する等、資金ショートを起こさないよう、延滞や期限の利益を喪失することが無いよう、気を付けましょう。
ちなみに、銀行融資のリスケジュールについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。


リスケジュールを検討する際、借りれなくなる事を心配して無理して返済しようとされる方が少なくありません。
しかし、以下の記事でも解説しているとおり、借りれない心配をしても意味ないです。
資金繰りが厳しいときは迷わずリスケジュールした方が安全です。


異動情報が登録される信用情報機関3つ


最後に、異動情報が登録される信用情報機関について解説します。
現在、日本国内にある信用情報機関は下記3つあります。
- CIC(シーアイシー)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
上記のとおりです。
CIC(シーアイシー)
「CIC」は主に割賦販売や消費者ローン(クレジットカード利用、ローン利用、消費者金融利用など)の利用・返済情報などを取り扱っている信用情報機関です。
クレジットカードやローンの支払いが遅延したり、携帯電話本体の割賦払いの支払いを延滞すると、CICの信用情報に遅延・延滞の事実が残ります。
信用情報の保存期間は「5年」
信用情報の保存期間は5年です。
支払遅延、異動(延滞・保証履行・破産)など信用情報に傷がついた場合、5年間は履歴が残ります。
参考リンク:CICが保有する信用情報|信用情報について|指定信用情報機関のCIC
JICC(日本信用情報機構)
「JICC(日本信用情報機構)」は消費者金融やクレジットカード会社、ノンバンク、銀行、保証会社、リース会社などの利用・返済情報などを取り扱っている信用情報機関です。
3つの信用情報機関の中で最も加盟会員が多く、最も長い歴史がある信用情報機関です。
信用情報の保存期間は「5年」
信用情報の保存期間は5年です。
支払遅延、異動(延滞・保証履行・破産)など信用情報に傷がついた場合、5年間は履歴が残ります。
参考リンク:登録内容と登録期間 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」は全国銀行協会が運営している信用情報機関で、銀行、信金・信組、JA(農協)、信用保証協会など、主に金融機関が加盟しています。
金融機関の借入が延滞すると、KSCの信用情報に延滞の事実が残ってしまいますので、注意しましょう。
信用情報の保存期間は最長「10年」
取引情報(延滞、代位弁済、強制回収などの履歴)や手形不渡り情報は5年間履歴が残ります。
ちなみに、官報に公告された情報(破産・民事再生手続き開始決定)については10年間履歴が残ります。
参考リンク:センターの概要 | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会
3つの信用情報機関は「CRIN(クリン)」で相互に提携している
3つの信用情報機関(CIC・JICC・KSC)は相互に提携しているため、お互いの信用情報を見ることができます。
この、情報共有の仕組みは「CRIN(クリン)」と呼ばれており、それぞれの信用情報機関が保有する信用情報のなかから、下記情報のやり取りをしています。
- 延滞・代位弁済に関する情報
- 各信用情報機関に、申込者が申告した本人確認書類の紛失・盗難に関する情報
つまり、銀行の借入情報はもちろん、個人で利用しているクレジットやノンバンクからの借入についても、きちんと返済しておかないと、それぞれの借入の審査に影響することがあるということを覚えておきましょう。
センターは、次の個人信用情報機関と提携して情報交流CRIN(Credit Information Network:クリン)を実施しており、センターおよび提携個人信用情報機関の会員は、各機関の延滞、代位弁済等の情報および本人申告情報の一部を相互に利用することができます。
出典:情報交流(CRIN) | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会
まとめ
以上、銀行融資をリスケジュールした事実は信用情報機関に登録されるか?ということについて解説しました。
借入金をリスケジュールしたぐらいのことで信用情報機関に登録される事はありませんので、資金繰りが厳しい時は躊躇せず、リスケジュールを依頼して資金流出をくいとめましょう。