【銀行融資】リスケジュールして融資を受けれなくなったら困る!【借りれない心配は無駄】

銀行に新規融資を依頼したら断られたよ。

この先、資金繰りが厳しくなりそうだからリスケジュール(条件変更)を依頼するか考えているけど、新規融資が受けられなくなるから、リスケジュールに踏み切れないよ。

決断できない間に、手元資金は目減りする一方だよ。

このまま約定返済を続けるべきなのか、リスケジュールした方が良いのか教えて欲しいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

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新規融資を断られているのに借りれない心配をしても無駄ですよ

リスケジュールすると今後の新規融資は難しくなるので、「借りれなくなったら困る」といって、一生懸命、元本返済を続けている方を良く見ますが、
結論から言うと、新規融資を断られている状況で、今後借りれるか借りれないかといった心配をしても無駄です。

銀行融資を断られたら一刻も早くやるべき6つの事!現状把握から資金繰りの見直しについて解説」でも解説しているとおり、すぐに他行に相談するか、もしくはすぐに返済を止めた方が良いです。

借りれないのに返済を続けても自分の首を締めるだけ

借りれない状態で約定通り返済を続けても資金が流出するだけです。

他行から「〇百万円なら融資しても良い」という回答を事前に得られているのであれば、返済を継続した方が良いですが、そうでなければ時間が経つにつれ、手元資金は目減りしていきます。

流出した資金を個人資産などで穴埋めできれば良いですが、そのような施策は長続きしません。

どうせ長続きしないのですから、最初から返済を止めた方が良いです。

返済を続けても融資を受ける事ができる保証はどこにもにない

約定返済を続けたところで、この先、新規融資を受けれる保証はどこにもありません。

次回は何時ぐらいに新規融資を受けれるか分からない状態で返済を続けても、倒産確率を確実に引き上げるだけです。

後で後悔しても流出した資金は戻ってきませんから、希望的観測を持つのは止めましょう。

今後全く借りれなくなる訳では無い

リスケジュールすると全く借りれなくなる訳でなく、条件次第では融資を受ける事はできます。

リスケジュール中に融資を受ける事ができる以下のような保証制度があります。

この他にも、以下のような融資であればリスケジュール中でも検討する事ができます。

  • 銀行 → 短期継続融資(売掛が発生したエビデンスが必要)
  • ノンバンク → ビジネスローン、ABL、ファクタリング、AI融資、トランザクションレンディング

このように、リスケジュール中でも可能な資金調達方法がありますので、「リスケジュール = 融資は絶望的」と思い込むのは止めましょう。

ちなみに、リスケジュール中でも可能な資金調達方法を以下の記事で紹介していますので、参考にして下さい。

リスケジュール後の手形割引はケースバイケース

リスケジュール後の手形割引については、ケースバイケースとなります。

リスケジュールをしてもそのまま継続して割って貰える事もあれば、リスケジュールをきっかけに断られるケースもあります。

詳しくは「【手形割引】リスケジュールしても銀行は手形を割引いてくれる?【結論:ケースバイケース】」をどうぞ。

リスケジュールしないで返済を頑張る人のよくある悪例5つ

リスケジュールしないで返済を頑張る人のよくある悪例を5つ紹介します。下記のとおりです。

  • 経営者の個人資産を全て返済に回す
  • 取引先への支払いをジャンプして返済に回す
  • 従業員の給料を遅配して返済に回す
  • 高利の金を借りて返済に回す
  • 親戚・知人・友人から金を引っ張って返済に回す

上記のとおりです。

経営者の個人資産を全て返済に回す

筆者の仕事柄、最も良く見かけるのがこのパターンです。

個人の預金・役員報酬を会社に貸付け、そのお金を返済に回すという方法です。

今まで様々な経営者様からご相談を受けてきましたが、「会社に貸付けたお金を全額返済して貰いました!」というケースは見た事がありません。

経営者が会社に貸付けたお金を会社から返済してもらうのは、金額にもよりますが金融機関の心証は悪いです。

そのため、「本当は返済してもらいたいけど、銀行が反発するから後回しにしている」と考えている経営者様が殆どです。

ちなみに、銀行があまり反発してこない処理の方法としては以下のケースがあります。

  1. 役員報酬を月額10万円まで下げる(社会保険の関係上)
  2. 生活を維持するのに必要な最低限の金額を会社から毎月返済してもらう

まとまった金額(数百万円~1千万円単位)を会社から返済してもらうと、決算書や試算表を見た金融機関から「これはいったいどういう事なのか!」と、めちゃくちゃ反発されますが、
生活を維持する程度のお金を少しずつ返済してもらう分にはノーチェックの場合がほとんどです。

取引先への支払いをジャンプして返済に回す

銀行への返済を最優先にして、取引先の買掛金を待ってもらっている事業者を未だに見かけますが、これは倒産確率を確実に引き上げるので止めた方が良いです。

  • 取引条件の悪化(与信枠の縮小、現金取引、取引停止など)
  • 風評被害(取引先に「あの会社は金払ってくれない」と同業他社に言いふらされる)

良い事は一つも無いので、止めた方が良いです。

従業員の給料を遅配して返済に回す

従業員の給料が遅れると、仕事へのモチベーションが劇的に低下するばかりか、「この会社はヤバい!今のウチに辞めた方が良い」と思われてしまい、就職活動をされてしまいます。

そうなると近い将来、従業員がいなくなってしまい、仕事が回らなくなる危険性があります。

銀行への返済は約定返済日の何日か前に「今月、資金繰りが厳しいので返済を待って欲しい」と電話一本入れればOKですが、従業員は別です。

電話一本で引き止められるほど甘くありません。

高利の金を借りて返済に回す

最近は少なくなりましたが、今でもこうしたケースは見かけます。

銀行から借りた金利の低いお金を、ノンバンクから借りた金利の高いお金で銀行に返済するケースです。

資金繰りが余計苦しくなるだけなので止めた方が良いです。

ノンバンクから調達したことが銀行に発覚すると、今後融資して貰えなくなるので、決算書に載らないよう以下のような方法で借りているケースが多いです。

  • 個人名義で借りて会社の返済に充当
  • ビジネスローンを借りる(決算前に全額返済し、決算期を跨いだらまた借りる)

いずれにしても、余計な金利を払うだけなので止めた方が良いです。

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親戚・知人・友人から金を引っ張って返済に回す

返す当てがあるなら借りても良いと思いますが、当ても無いのに借りてしまうと関係が壊れるので止めた方が良いです。

筆者がよく見聞きするケースは以下の通りです。

  • 親戚
    • 親戚中に「金を返してもらえない」という情報がシェアされる
    • 近所で顔を合わせてもガン無視される(筆者の義母が嘆いてました)
    • 親戚の行事(冠婚葬祭など)に一切声をかけて貰えなくなる
    • お中元、お歳暮がこなくなる
    • 家に行くと、帰りがけに本人の前で塩をまかれる(筆者の義理父とお客様から聞きました)
  • 知人・友人
    • お金を借りる前にいくら仲が良くても、返済できなくなると友人関係から債務者・債権者という関係に成り下がる。
    • お互い敬意を持って付き合っていたとしても、返せなくなると〇〇さんから「アイツ」、「あの野郎」、「あのクソ」などと影で呼ばれるようになります。
    • 人によっては言いふらされます(例:「アイツに金貸したら全然返ってこねー」)。

完済できるまで総スカンになりますので、返す当ても無く借りるのは止めましょう。

新規融資を断られた時点で返済を止めるべき

銀行に新規融資を断られたら、この先頑張って返済を続けても手元資金が減るだけで、何のメリットもありません。

手元資金が枯渇すると身動き取れなくなりますので、銀行に新規融資を断られたら、即時以下の判断をするようにしましょう。

  • 他行に新規融資の依頼をしてみる
  • 取引している全行に「返済を止めさせて欲しい」と連絡する

まとめ

以上、新規融資を断られた企業が「リスケジュールして融資を受けれなくなったら困る!」といって、返済を頑張ってしまうケースを解説しました。

おわり。

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