
銀行融資をリスケジュールしている企業でも資金調達ができる「経営改善サポート保証」という保証制度があるみたいだけど、具体的にどのような保証制度なの?
リスケジュール中だけど、資金調達したいから詳しく知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
リスケジュール中の融資を可能にする「経営改善サポート保証」とは


「経営改善サポート保証(事業再生計画実施関連保証)」は、2014年1月20日に施行された「産業競争力強化法」にともない、事業再生の支援強化策の一環として創設された保証制度です。
リスケジュールから卒業(約定返済に戻す)するためのツールとして、この保証制度が創設されました。
保証を受けるためには以下いずれかの支援機関の支援を受けて作成した経営改善・再生計画が必要になるため、ハードルはけっこう高めです。
- 中小企業活性化協議会(旧中小企業再生支援協議会)
- 経営サポート会議(金融機関等の関係者により個々の事業者を支援する信用保証協会等を事務局とした支援の枠組み)
しかし、保証協会の別枠保証が最大で2億8千万円まで受ける事ができるということと、経営改善計画の策定費用に対する補助制度がありますので、チャレンジする意義は大きいです。
保証制度の概要
「経営改善サポート保証」の概要は次のとおりです。
保証限度額
2億8千万円(一般の普通・無担保保証とは別枠)
保証期間
- 一括返済:1年以内
- 分割返済:15年以内(据置期間1年以内)
計画策定等
- 中小企業活性化協議会(旧中小企業再生支援協議会)、あるいは経営サポート会議支援による経営改善・再生計画の作成が必要
- 経営改善・再生計画の実施状況を金融機関に対して報告(四半期毎)、金融機関は、経営支援の実施状況を含め信用保証協会に対して報告(年1回)。
保証料率
- 責任共有保証:0.8%以下
- 100%保証:1.0%以下
保証割合
- 責任共有保証:80%保証
- ただし、100%保証の既保証を同額以内で借り換える場合は、例外的に100%保証
さらに詳しい情報は中小企業庁のサイトをご確認下さい。
参考リンク:中小企業庁:産業競争力強化法が本日施行されます
リスケジュール中の企業でも利用できる保証制度は他にある?


「経営改善サポート保証」以外に、リスケジュール中の企業でも利用できる保証制度はあります。
「条件変更改善型借換保証」という保証制度なのですが、こちらを活用する事でリスケジュール中の資金調達は可能です。
とはいえ、「条件変更改善型借換保証」は「借換」という文言が入っているとおり、あくまで基本は借換なのであまり大きな真水(ニューマネー)は期待できません。
両者の活用イメージはざっくり次のとおりです。
- 経営改善サポート保証 → まとまった金額を調達したい
- 条件変更改善型借換保証 → 真水はそこそこに、約定返済額を抑えて無理なくリスケを卒業したい
条件変更改善型借換保証は金融機関や認定支援機関のサポートを受けながら事業計画を作成する必要がありますが、経営改善サポート保証と比較すると、計画作成のハードルは低いです。
なので、あまりガッツリ調達しなくてもOKという企業は条件変更改善型借換保証がマッチすると思います。
ちなみに、以下の記事で条件変更改善型借換保証について解説していますので、ぜひどうぞ。


リスケジュール中の企業でも利用可能な資金調達方法6つ


最後に、リスケジュール中の企業でも利用可能な資金調達方法を6つ紹介します。
- ABL(売掛金担保融資・動産担保融資)
- ビジネスローン
- 手形割引(電債割引)
- ファクタリング
- 不動産担保ローン
- AI融資(トランザクションレンディング)
上記の詳細については「【銀行融資】リスケジュール中でも可能な資金調達方法6選」という記事で解説していますので、ぜひどうぞ。
基本的にノンバンクからの調達になるので(ABLは保証制度があります)銀行融資と比較すると金利は高くなります。
とはいえ、リスケジュール中でも資金調達できますし、急な資金ニーズにも対応できますので、どうしても資金繰りが厳しいような時は、選択肢の一つに入れておくと良いかと思います。
まとめ
以上、リスケジュール中の融資を可能にした保証制度「経営改善サポート保証」について解説しました。
リスケジュール中に業績回復の兆しが出てきた際、ある程度まとまった運転資金が必要になる場面が出てくると思います。
そのような時、経営改善サポート保証にチャレンジしてみるのも一つの選択肢だといえます。