
売掛金の入金サイトが長く、入金されるまでの期間、資金ショート不可避だから銀行に融資を申し込んだけど、断られた…。
売掛金を担保に資金調達するという方法もあるけど、銀行から資金調達した方が利益率が良いから、銀行で調達したい。
売掛金が入金されるまでの期間だけでも銀行から融資を受けれる方法があれば知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
売上が発生していれば短期継続融資を調達できる可能性あり


商品やサービスを販売して売上が発生したものの、売掛金の入金サイトが長いため、運転資金が足りなくなってしまうケースがあると思います。
こうした状況を回避するため、通常は銀行から運転資金を調達して資金繰りを回すことになるのですが、
すでに融資枠を使い切っていたり、あるいはリスケジュールしているような場合、銀行から融資を受けるのは基本的には難しいです。
しかし、結論から言うと、こうした状況でも「短期継続融資」なら銀行から融資を受けることができる可能性があります。
短期継続融資とは
短期継続融資は、契約期間が1年以内の短い融資のことをいいます。
「短期転(ころ)がし融資」と呼ばれたり、略して「短コロ」などと呼ばれています。
運転資金の融資がNGでも短期継続融資はOKということはよくある
銀行に長期の運転資金を申込んで断られたとしても、売上を見合いとした短期継続融資の申込みなら融資OKということはよくあります。
ですので、もし、入金サイトが長いことが原因で資金繰りにお悩みでしたら、長期の運転資金を申し込むのではなく、短期継続融資を依頼してみてください。
例えば、3ヶ月後に売掛金が入金されるけど、入金されるまでの3ヶ月間、資金繰りが厳しいといった場合、
売掛金が存在しているという事実を元に銀行に融資を依頼すると、短期継続融資の検討・審査をしてくれることがあります。
銀行から短期継続融資を受けるポイント3つ


銀行から短期継続融資を受けるポイントは下記3つです。
- 売掛金の入金口座は融資を実行してくれる銀行の口座を指定する
- 返済財源が存在するエビデンスを用意する
- 資金繰り予定表を作成する
上記のとおり。
売掛金の入金口座は融資を実行してくれる銀行の口座を指定する
これは短期継続融資を受けるにあたって大前提となります。
短期継続融資の返済は売掛金の入金と同時に行われるため、入金口座を短期継続融資を実行してくれる銀行に指定する必要があります。
返済財源が存在するエビデンスを用意する
短期継続融資を依頼する際、返済財源が存在するエビデンス(証拠)を用意しましょう。
エビデンスを用意しておかないと、依頼を受けた銀行も審査のしようがありませんので、必ず用意しましょう。
- 契約書類
- 発注書、注文請書など
上記の書類を可能な限り準備しておくと良いです。
資金繰り予定表を作成する
銀行に短期継続融資を依頼する際、資金繰り予定表を準備しておきましょう。
売掛金が入金されるまでの間の資金繰り状況はもちろん、取引先から入金があった際に確実に返済可能で、
入金後の資金繰りも問題ない事を全て数字に落とし込んで説明するために必要です。必ず準備しましょう。
銀行が短期継続融資を審査する際のチェックポイント3つ


最後に、銀行が短期継続融資を審査する際のチェックポイントを3つ紹介します。
- 取引先の財務内容
- 融資先企業の財務内容
- 事業(取引)の利益率
上記のとおりです。
取引先の財務内容
短期継続融資は売掛金が入金されるまでの間に限り、融資を受けることができるという性質のものですから、審査の重点は売掛先の財務内容が重要となります。
期日通り売掛金が支払われなければ融資を実行した銀行は回収できなくなりますから取引先の財務内容は厳しめにチェックされます。
売掛先の与信が良いと審査に通りやすい
売掛先が官公庁、上場企業、地元で有名な中堅企業の場合、売掛先の与信が良いので審査に通り易いですが、それ以外の場合だと厳しめチェックされます。
特に、地元でも「あの会社はヤバイ」と噂されているようなレベルの会社が売掛先だと、審査に通るのは難しいです(難しいというより絶望的)。
融資先企業の財務内容
短期継続融資は売掛先の財務内容を重視していますが、融資先企業(融資の申込み企業)の財務内容もきちんとチェックされます。
なぜなら、短期継続融資を実行してから、売掛金が入金されるまでの間に融資先企業が倒産することも考えられるからです。
短期継続融資を実行した後、万が一にでも融資先が倒産してしまったらデフォルト(回収不能)に陥ってしまいます。
デフォルトリスクを少しでも排除するため、売掛先企業だけでなく、融資先企業の財務内容もきちんとチェックするのです。
事業(取引)の利益率
短期継続融資を審査する際、売掛金の内容、つまり、取引における利益率もチェックされます。
例えば、商取引で一千万円の売掛金が発生した場合、取引の内容をチェックされます。
- 原価(率)
- 人件費(率)
- 販管費(率)
事業の利益率をチェックする理由は、「資金繰りのために赤字受注を受けていないか?」をチェックするためです。
もし、赤字受注をしていたら回収不能に陥るリスクが増大しますので、審査の際に事業の利益率はチェックされます。
まとめ
以上、銀行融資を断られても「短期継続融資(短コロ)」なら融資を受けれる可能性がある、ということについて解説しました。
おわり。