資金調達
カード選び
銀行ビジネスローンについて詳しく知りたいです。
この記事では、銀行ビジネスローンについて解説します。
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験を元に、本記事では、銀行ビジネスローンに関する情報をまとめました。
銀行ビジネスローンは、銀行が開発した中小企業、個人事業主向けの無担保ローンサービスのことを言います。
銀行融資と違って、担当者が稟議書をまとめたり、本部や支店長が決裁するという手続きを必要とせず、決算書のデータを基にスコアリングシステムで自動的に融資の可否を判断するため、審査が早く、しかも比較的審査は通りやすくなっています。
無担保・第三者保証人なしなので、銀行からすると貸し倒れリスクの高い商品となるため、金利は高めに設定されています。
ビジネスローンとは、無担保、第三者保証人なし(経営者の連帯保証人あり)の法人向け無担保ローンのことをいいます。
ノンバンクによって中小企業や個人事業主向けに行われてきた「商工ローン」も現在ではビジネスローンと言われてますが、厳密には下記違いがあります。
ビジネスローンの種類は主に2つあります。
銀行ビジネスローンは、銀行や信用金庫・信用組合がサービス提供しているものを指します。
ノンバンクビジネスローンは、信販会社・消費者金融・ビジネスローン専門会社がサービス提供しています。
詳しくは別記事の「銀行ビジネスローンとノンバンクビジネスローンの違い」をどうぞ。
銀行ビジネスローンの特徴は下記3つです。
上記のとおり。
銀行から融資を受ける際、通常であれば会社が決算書や試算表、事業計画書等といった資料をまとめて銀行に提出します。
銀行は会社から渡された資料から、経営状態や財務状況を調査し、融資の審査を行います。
しかし、銀行ビジネスローンの場合、本人確認資料と決算書を提出するだけで済む場合が殆どで、資料を受け取った金融機関は「スコアリングシステム」を使って審査を行うため、申し込みも簡単で審査も早いです。
スコアリングシステムとは、統計的データに基づき、融資希望者の信用度をスコア化することによって融資の可否を決定する方法です。
銀行ビジネスローンは、基本的に「無担保、第三者の保証人なし」という条件のものがほとんどなので、原則的に経営者保証が必要となります。
無担保・無保証で融資を受けれるため、銀行融資や有担保のビジネスローンよりも金利が高めに設定されており、融資可能な極度額が低めに設定されていることが一般的です。
ビジネスローンの借入は総量規制の対象外にあたる貸付なので、年収の3分の1までという制限はありません。
そのため、個人事業主の方でも申し込めます。
総量規制とは、2010年に完全施行された貸金業法によって定められた、個人の借入総額を年収の3分の1に制限する制度のことです。
総量規制では、事業資金の借入は対象外としています。
すでにカードローンなどを利用していている個人事業主の方は、ビジネスローンを申込んだ際、審査結果に影響が及ぶ可能性があるので注意が必要です。
金融機関は、個人信用情報機関を通して個人の借入状況を照会することができますので、過去の返済状況に問題があったときは、ビジネスローンの審査にも影響を及ぼす可能性が高いです。
信用情報機関の詳しい解説は別記事の「銀行融資をリスケすると信用情報に影響する?【結論:影響なし】」をどうぞ。
最後に、銀行ビジネスローンの注意点を2つ紹介します。
上記のとおり。
銀行ビジネスローンは銀行が開発した中小企業、個人事業主向けの無担保ローンサービスですが、近年、銀行ビジネスローンは減少傾向にあります。
メガバンク3行(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行)は一応、ビジネスローンサービスを提供していますが、積極的にサービスを販売しているとまでは言えません。
また、いくつかの地方銀行もビジネスローンを提供していますが、数年前と比べて積極的に販売しているとまでは言えません。
ただ、銀行ビジネスローンは減少傾向にありますが、ネット銀行はビジネスローンを積極的に提供しています。
下記はネット銀行が扱っている銀行ビジネスローンですが、限度額は低めに設定されていますが、ノンバンクビジネスローンよりも金利は低めに設定されています。
また、ノンバンクがサービス提供しているビジネスローンは積極的に提供されています。金利は6~18%と、若干高めに設定されていますが、
という条件なので、中小企業、零細企業、個人事業主には強い味方です。
会社の状況によっては、ノンバンクビジネスローンの方が良いケースもあります。
銀行融資(保証付融資、プロパー融資)と比較すると、審査に通りやすい銀行ビジネスローンですが、決算書の内容が良く無いと審査に落ちます。
ビジネスローンはスコアリングシステムによって審査しますが、スコアリングの数値が悪いと、デフォルト(債務不履行)率が上がり、回収不能のリスクが高いと判断されてしまうからです。
審査に通りやすい銀行ビジネスローンですが、決算の内容が良く無いと審査に通らないので注意が必要です。
以上、銀行ビジネスローンについて解説しました。
銀行ビジネスローンはスコアリングシステムを使った、自動的に審査をする銀行融資の商品です。
審査が通りやすく、スピーディーな審査(最短即日融資)、無担保・第三者保証人なし、というメリットがある一方、通常の融資と比較して金利が高めに設定されるいるので、経営状況・資金繰り状況に応じて他の資金調達方法と使い分ける必要があります。
ビジネスローンを検討する際は、銀行ビジネスローンだけでなく、ノンバンクのビジネスローンも選択肢に入れて検討する必要があるといえます。