今回は久々に身内のネタです。興味ない方は次のお話をお待ち下さいね。
かなり前にお話しした事がありますが、私の義父は破産したので、所有していた不動産は全て競売による換価処分となりました。

自宅は同業の社長に買って頂き、リースバック形式で住んでいますが、競売で全く売れず、放置していた状態の土地があります。
特別売却によるバーゲンセールでも買い手が着かず、結局、所有権と抵当権が残ってしまい、今に至る。という訳なのです。
で、この土地ですけど、所有者が義父なので、固定資産税の請求は相変わらず義父に来ているような状態です。
年金暮らしなので、固定資産税の支払い原資が全く無い状態ですから、とりあえず「金なんかありませんよ」と淡々と伝え、役場で処分するように交渉(というよりお願いですね)しています。
このまま死ぬまで放置なのかな~。と思っていた矢先、最近、新たな動きが出てきました。
競売による換価処分で売れなければ、話し合いで抵当権を抹消する事ができる。
ソーラーパネルの販売会社を営んでいる義父の友人から、以下のような提案を受けました。

使っていない土地があるなら、ソーラーパネルのデモ機を置きたいので、あの土地を譲渡して欲しい。
義父がこの話を聞いた当初、



所有権は私の名義のままだけど、抵当が残っているから、譲渡とか言われても、抵当権者である金融機関がなんと言うか…。
と、若干困惑したようですが、そんな義父の様子を見て、友人の方は次のような話をされました。



競売で売れなかったのだから、所有権は残っている。
という事は、実質的な所有者はOさんのままだよ。
登記簿謄本にも名前が残っているでしょ。
だから、Oさんが譲渡したいと思えば、買い手を連れてきて、抵当権者と交渉したらいい。いわゆる任意売却だね。
今回、買い手は私になるのだけど、買うというよりは、無償で譲渡して欲しいから、名義変更だけで問題ない。
名義変更したら、Oさんに固定資産税も発生しないから、役場に「固定資産税の相談に来て欲しい」とか、呼び出される事もなくなるよ。
友人にこのように説明を受けたものの、義父は



抵当権者である金融機関が、こんな事を認めるのだろうか…。
と、釈然としない印象を受けたが、ひとまず、友人の提案を受ける事にしました。
この提案を受けた数日後、義父は友人と二人で抵当権者である信用組合と政策公庫に行き、話し合いをする事になりました。
この時点では、義父はまだ「タダで土地を譲渡するなんて、抵当権者が納得するのだろうか?」という考えが頭の中を支配していましたら、いざ、抵当権者と話し合いをしたら、その考えは杞憂に終わりました。
なんと、抵当権者である信用組合と政策公庫はあっさりと抵当権を抜いてもいいと言ったのです。
まあ、全く売れない土地に抵当だなんだと言っても、あまり意味の無いことですから、当然といえば当然なのですが、あまりにあっさりと「抵当を抜きます」と言われたので、義父は唖然としたみたいです。



競売だ何だと騒いでも、終わるときはこんなもんなのか。
先日、私も義父から謄本(登記事項証明書)を見せて貰ったのですが、抵当が無くなっており、まっさらな土地になっていました。※来月ぐらいに譲渡しますけど。
ちなみに、謄本は窓口に行かなくても郵送で取得する事ができます。便利になりましたね。


登記上、綺麗さっぱりと問題が片付いた感じがしますが、今はまだ、所有権は義父のままです。ですから、相変わらず固定資産税の督促が義父のところへやってきます。
「金融債権者が片付いても、固定資産税は全然片付かないですね(笑)」と笑うと、ため息混じりに「どうせ払えないし、すぐに譲渡手続きをするから、今後は新たな税金が発生しないから良いけど、何もしないで請求ばかりしてくるのもなんだか釈然としない。」
義父の考えも分からなくも無いですが、ここへきてようやく一連の騒動に終止符を打てそうです。