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銀行融資のリスケジュール中だけど、経営革新計画の承認を受ければ融資がおりると聞くけど、ホントかな?
承認を受けると保証枠が倍増し、承認を受けた企業ということで信用力も増えるから融資がおりやすくなるみたいだけど…。
資金調達したいから、経営革新計画の承認を受ければ銀行から新規融資がおりやすくなるのかどうか知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
リスケジュール中の方には説明不要かもしれませんが、基本的に銀行融資をリスケジュールすると、新規融資は難しくなります。
とはいえ、「リスケ中に銀行/公的機関から融資を受ける方法7選」という記事でも解説しているとおり、全く融資を受けられないという訳ではありません。
しかし、基本的にハードルは高いのは間違いありません。
こうしたなか、「リスケジュール中でも経営革新計画の承認を受けると銀行や政府系金融機関から融資を受けれるようになる」という誤った情報を見聞きして、「経営革新計画の承認を受ければ新規融資を受けれるようになる!」と思い込んでいる方をよく見かけますが、
結論から言うと、リスケジュール中に経営革新計画の承認を受けたからといって、新規融資がおりることはまずありません。
リスケジュール中に経営革新計画の承認を受けても融資がおりない理由は下記2つです。
上記のとおり。
これを言うと身も蓋もないかもしれませんが、経営革新計画の承認を受けたという評価は、基本的に微々たるものです。
リスケジュール中の企業に新規融資を出すほどの評価は得られません。
約定返済中で財務内容が悪くなければ、以下のように経営革新計画の承認を受けたという事実が考慮され、融資が実行されることはあります。
しかし、リスケジュール中となると話は異なります。
経営革新計画の承認を受けたからといっても、銀行の立場からすると「そもそも財務内容が悪いから新規融資ができず、リスケジュールの対応をしている」という見方をしますので、承認を受けたことが評価される事はありません。
銀行の融資審査は、「経営革新計画の承認を受けると融資を受けれる?【融資の審査は別問題】」という記事でも解説しているとおり、財務内容をベースに審査を行いますので、財務内容が悪ければ新規融資はおりません。
一方、経営革新計画はビジネスの新規性や、将来の付加価値・経常の伸び率で承認の可否が決まりますので、赤字体質・債務超過の企業でも承認を受けることができます。
繰り返しとなりますが、銀行が重視しているのは財務内容です。
経営革新計画の承認を受けても、現在の財務内容が悪ければ新規融資がおりることはありません。
ましてや、リスケジュール中ということは、財務内容が悪く、新規融資が不可能だからこそリスケジュールという対応をしている訳ですから、財務内容を改善して約定返済に戻さない限り、経営革新計画の承認を受けたところで新規融資がおりることはありません。
リスケジュール中に経営革新計画の承認を受けても融資はおりませんが、承認を受けるメリットは下記2つあります。
上記のとおり。
経営革新計画の承認を受けた企業しか受けられない補助金や、承認を受けると審査の加点となる補助金があります。
補助金や助成金は申請書をきちんと記載すれば申請できますので、銀行融資をリスケジュールしているということは関係ありません。
税金や社会保険の滞納が無ければ申請できますので、採択される可能性があります。
債務超過だと難しい場合がありますのでご注意ください。
経営革新計画の承認を受ければ、販路開拓の支援措置を受けれるようになります。
上記の他、各都道府県のWebサイトに経営革新計画の承認を受けた企業ということで紹介されます。
各都道府県のWebサイトを見たという大手企業から引き合いが来たという事例もありますので、販路開拓のメリットはあると言えます。
以上、リスケジュール中でも経営革新計画の承認を受ければ融資はおりるのか?ということについて解説しました。
リスケジュール中に経営革新計画の承認を受けても融資はおりませんので、銀行から新規融資を引き出す事を目的に経営革新計画にチャレンジすると徒労に終わります。
しかし、経営革新計画の承認を受ける目的が経営革新計画関連の補助金・助成金や、販路開拓における支援措置は受けたいということであれば、経営革新計画にチャレンジする意義はあるといえます。