資金調達
カード選び
ビジネスローンで資金調達しようと思うのですが、気を付けることはありますか?
利用時のデメリットについて教えてください。
本記事では、こういった疑問・要望にお答えします。
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、ビジネスローンのデメリットや失敗しない方法をまとめました。
ビジネスローンは銀行/公的機関の融資と比べて審査が早く、審査条件も緩やかなので、資金調達しやすいですが、実際に利用してみるとデメリットに感じる部分があります。
ビジネスローンで資金調達しようと考えている方は、事前に本記事でデメリットや注意点をチェックしておいてください。
ビジネスローンのデメリットは下記4つです。
上記のとおり。
ビジネスローンは銀行/公的融資と比べて金利が高いです。
例えば、銀行から1,000万円の融資を年利2.5%で受けた場合、年間の利息支払いは25万円で済みます。
ビジネスローンで1,000万円の融資を年利8%で受けた場合、年間の利息支払いは80万円となり、3倍以上の金利を負担することになります。
利息以上の事業収益を出せるなら問題無いかもしれませんが、収支トントンぐらいの企業がビジネスローンを利用するのは資金繰り上マイナスです。
ビジネスローンは銀行/公的機関の融資と比べて借入限度額が低いです。
借入限度額はビジネスローンの種類によって異なりますが、概ね下記のとおりです。
銀行ビジネスローンは借入限度額が高めですが、ノンバンクビジネスローンは借入限度額は300万〜1,000万円の間がほとんどです。
詳しくは別記事の「銀行ビジネスローンとノンバンクビジネスローンの違い」をどうぞ。
ビジネスローンを利用している事実が銀行や公的機関(日本政策金融公庫、信用保証協会など)に発覚すると、今後の新規融資は非常に難しくなります。
完済の目途が経っていれば新規融資の可能性はありますが、
という状況にあると、銀行や公的機関からの融資は絶望的となります。
詳しくは別記事の「ノンバンクの借入があると銀行が融資しない理由と借入を見抜くポイントを解説」をどうぞ。
ビジネスローンはやり方を間違えると資金調達できない時があります。
決算が黒字で税金滞納が無く、事業規模からいって800~1,000万円ぐらい調達できてもおかしくない企業でも、やり方をミスったばかりに、
など、思うように資金調達できなかったり、審査落ちすることがあります。
そこで次の項目では、失敗しないビジネスローンの申し込み方法を解説します。
失敗しないビジネスローンの申し込み方法は下記のとおりです。
上記のとおり。
最初は低金利の銀行ビジネスローンから申し込むことをおすすめします。
「1週間以内に資金が必要!」といったように、資金調達を急いでいる方は次の手順に進んでください。
理由は、金利が低いのはもちろん、
などの場合でも、2社目の候補となる「大手のノンバンクビジネスローン」で調達できる可能性が残されているからです。
銀行ビジネスローンはノンバンクビジネスローンと比べて審査は厳しめですが、まずは銀行ビジネスローンから申し込むといいですよ。
ちなみに、下記銀行ビジネスローンは限度額が1,000万円と低めですが、審査が早いのでおすすめです。
利用にあたり口座開設が必要なので、口座だけでも開設しておけば有事の際に便利ですよ。
銀行ビジネスローンの次は、大手のノンバンクビジネスローン(信販・クレジットカード会社・消費者金融系)に申し込みます。
銀行ビジネスローンと比べて金利は高めですが、審査条件は緩やかです。
ただし、限度額は銀行ビジネスローンよりも低く、無担保だと1,000万円が上限です(不動産担保ローンであれば、限度額は大きくなります)。
ちなみに、利用者が多いノンバンクビジネスローンは下記のとおりです。
どちらも審査が早いので、お急ぎの方におすすめです。
などの方は、ビジネスローン専門会社に申し込むことになります。
ちなみに、ビジネスローン専門会社を利用する場合、借入限度額が1,000万円と記載されていても、初回申し込みで借りられる金額は300万がほとんどです(不動産担保ローンは別です)。
ノンバンクビジネスローン業界には「初回300万Maxの法則」があります。
限度額が500万円、1,000万円と記載されていても、初回はだいたい300万円が上限です。
必要資金が300万円以上の場合、2社以上申し込まないと目標資金を調達できません。
しかも、2社目は1社目よりも調達できる金額が下回る傾向があります(200~150万円調達できれば御の字だと思います)。
初回は信用がないので、いきなり大きな金額は調達できないので、ビジネスローン専門会社を利用する方は覚えておくといいですよ。
ビジネスローンで非常に重要なことなのですが、申し込んでから審査結果が分かるまで2社目に申し込まないようにしてください。
ビジネスローンの申し込み情報(代表者の個人情報、ローン商品、申し込み日時)は個人信用情報機関に6か月登録されます。
審査結果が分かる前に申し込むと「多重申し込み(申し込みブラック)」とみなされ、ローン審査に不利です。
本来であれば審査に通っていたものが、多重申し込みが原因で審査落ちする可能性もあります。
しかも、多重申し込みが原因で審査落ちしたら、多重申し込みの情報が消えるまでの間はどこに申し込んでも審査に通らなくなるので、1社申し込んだら、審査結果が分かるまで2社目に申し込まないようにしましょう。
以上が失敗しないビジネスローンの申し込み方法です。続いて最後に、ビジネスローンで失敗しないための注意点を解説します。
ビジネスローンで失敗しないための注意点は下記2つです。
上記のとおり。
極力、時間に余裕をもって申し込みましょう。
最近は「最短即日」といったビジネスローンも多いので、
と思われるかもしれませんが、資金が必要になってからだと、本来利用できていたビジネスローンが利用できなくなる可能性があるからです
例えば、下記銀行ビジネスローンの場合、入出金データをもとに審査しますので、資金が必要になってから口座開設しても入出金データが無ければ審査に通りません。
また、時間に余裕がない状態で申し込むと「リスクが高い申込者」と判断され、希望金額を大幅に下回る金額しか融資を受けられなかったり、最悪、審査に通らないこともあります。
筆者は提携ローン会社にお客様を紹介することがありますが、時間に余裕がない方を紹介すると「切羽詰まっている=リスクが高い」と判断され、審査に通らないことが多いです。
ですので、ビジネスローンを申し込む時は余裕をもって申し込むといいですよ。
「今のところ資金は必要ないけど、将来的に利用するかもしれない」方は、いつでも利用できるよう審査だけしてもらっておくとイザという時に安心ですよ。
銀行/公的機関の融資の返済が厳しく、ビジネスローンで資金調達して銀行/公的機関の融資を返済しようとしている方は、リスケジュールしてから利用すべきです。
低金利の銀行/公的機関の融資を高金利のビジネスローンで返済すると、資金繰りは厳しくなります。
しかも、ビジネスローンを利用すると銀行/公的機関から融資を受けるのは難しくなるので、追加融資は期待できません。
こうなると、
といった悪循環に陥り、役員報酬が取れないような状態に追い込まれますので、銀行/公的機関から融資を受けていて、資金繰りがすでに厳しいかたはリスケジュールしてから利用した方がいいですよ。
以上、ビジネスローンのデメリット4つと失敗しない方法を解説しました。
ビジネスローンを申し込む時は同時に複数申し込まないようにしましょう。