
法人で取引している銀行から個人名義で教育ローンを借りたけど、たまに返済を遅延したり、延滞したりしているよ…。
法人の融資は期日にきちんと返済してるから、今までどおり融資を受ける事はできますよね?
個人教育ローンの返済を延滞すると法人融資に影響するのか知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
教育ローンを借りて延滞すると法人の借入に影響します【結論】


中小企業の経営者が、個人的にお子様の教育ローンを借りているケースは少なくないと思いますが、経営者個人の資金繰りが厳しいため、教育ローンの返済が厳しくなり、延滞しているような場合、今後の銀行取引に影響を受けるのでしょうか。それとも、個人と法人は全く別の扱いになるのでしょうか。
結論から言うと、教育ローンを利用している銀行と法人の融資を受けている銀行が同一の場合、今後の融資は難しくなります。
理由は、銀行は法人と経営者個人を実質的に同一と見ているからです。
銀行は経営者個人の資金繰りが厳しい=会社の資金繰りも厳しいと考える
教育ローンの返済を延滞するということは、経営者個人の資金繰りが厳しいからこそ延滞するわけですから、
教育ローンと法人の融資を実行している銀行の立場からすると、「経営者個人の資金繰りがさらに厳しくなるような事があれば、会社の資金に手を付ける可能性が非常に高い」と考えます。
つまり、法人に融資した資金の一部(あるいは全部)が、経営者個人に流れてしまう事を銀行は懸念するのです。
もし、経営者個人の資金繰りが厳しいからといって、会社の資金に手を付けてしまえば会社の資金繰りも厳しくなり、会社に融資した資金の返済も延滞になる可能性がゼロとは言い切れません。
そのため、銀行は教育ローンの返済が遅れると、「教育ローンの返済が遅れるぐらいだから、法人の資金繰りも厳しいのでは」と考え、今後の融資に影響するのです。
教育ローンを延滞しても法人の借入に影響しないケース1つ


法人で融資を受けており、個人で借りた教育ローンを延滞すると、法人の借入に影響しますが、下記ケースであれば教育ローンを延滞しても法人の借入には影響しません。
- 教育ローンを利用していない銀行であれば法人の借入に影響しない
上記のとおりです。
教育ローンを利用していない銀行であれば法人の借入に影響しない
現在、教育ローンを利用して延滞していたとしても、教育ローンを利用していない銀行から法人で融資を受ける分には影響しません。
例えば、3つの銀行から法人融資を受けていて、そのうちの1行から個人で教育ローンを借りている場合があるとします。
- A銀行:法人融資と個人で教育ローンを利用している(教育ローンは延滞を起こしている)
- B銀行:法人融資のみ
- C銀行:法人融資のみ
A銀行から個人で借りた教育ローンを延滞すると、A銀行の法人の融資は影響しますが、B銀行、C銀行は基本的に影響はありません。
理由は、B銀行とC銀行は、経営者個人の教育ローンの返済状況を把握する事ができないからです。
もちろん、個人で借りた教育ローンを延滞すると、延滞の事実は信用情報機関に登録されますが、原則、銀行は法人の融資審査において経営者個人の信用情報をチェックする事はありません。
ちなみに、「【銀行融資】ノンバンクの借入があると銀行が融資しない理由と借入を見抜くポイントを解説」という記事で、融資の種類別に銀行や政策公庫が個人信用情報をチェックするかどうかをまとめていますので、是非どうぞ。
また、銀行間で情報交換することはありませんので、この点からも、他行であれば影響しないのです。
まとめ
以上、教育ローンを借りて延滞した時の銀行融資の影響について解説しました。
同じ銀行で融資を受けていれば、教育ローンを延滞したら会社の融資に影響しますが、銀行が異なれば影響はありません。
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