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【銀行融資】残高が増えると評価が下がる決算書の勘定科目5選


決算書の資産の中に、残高が多いと銀行が嫌がる勘定科目があるみたいだけど、どの科目のことかな?
今後、銀行融資が受けにくくなると困るから、銀行が嫌がる勘定科目や理由を詳しく知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
残高が増えると銀行からの評価が下がる勘定科目がある


銀行の融資審査は「決算書の内容が8割」と言われるほど、決算内容を重視しています。
そのため、業績が良ければ銀行からの評価は上がりますが、決算書の中には残高が増えると銀行の評価が下がってしまう勘定科目があります。
銀行からの評価が下がると融資が受けにくくなるばかりか、最悪、残高を解消しない限り融資が絶望的になるケースもあります。
銀行融資を受けやすくするためにも、銀行が嫌がる決算書の勘定科目をきちんと押さえておきましょう。
残高が増えると銀行からの評価が下がる決算書の勘定科目5つ


融資審査の際に、前期決算から残高が増えていると銀行からの評価が下がる決算書の勘定科目は下記5つあります。
- 貸付金の増加
- 立替金の増加
- 仮払金の増加
- 未収入金の増加
- 開発費の増加
上記のとおりです。
貸付金の増加
貸付金は、所定の期日に返済してもらう約束で会社からお金を貸すと計上される科目です。
貸付金は銀行が最も嫌う勘定科目なので、前期決算から貸付金の残高が増加していると銀行融資は非常に難しくなるばかりか、場合によっては絶望的になります。
銀行が貸付金を嫌う理由は2つあります。
- 資金使途と異なるから
- 粉飾に使われやすいから
上記のとおりです。
資金使途と異なるから
金融機関である銀行は事業資金(運転資金・設備投資資金)として企業に融資を実行するわけですが、融資を受けた企業が他人にお金を貸すということは、そもそも資金使途と異なる訳です。
特に、貸付先が経営者・関係会社だったりすると、銀行は「迂回融資」という見方をします。
面と向かって「これは迂回融資ではないか!」と追及してくることは殆どありませんが、言わないだけで迂回融資をしている企業というレッテルを貼られます。
こうなると残高を解消しない限り新規融資は絶望的になります。
詳しくは「【銀行融資】役員貸付金が原因で融資を断られた!発生原因や解消方法を解説」をどうぞ。
粉飾に使われやすいから
貸付金は粉飾決算に使われやすい科目でもあります。
- 領収書が切れない謝礼やリベートの支払い
- 資金使途が不明朗な支払い
- 事業と無関係の支払いなど、
上記のような支出を処理する際に貸付金勘定を使用することがあります。
また、領収書を切ると赤字に転落してしまう際にも貸付金として計上し、企業の利益を大きく見せる際に使われることもあります。
貸付金は、そもそも事業と無関係な事で資金を使っているからこそ計上される場合が殆どなので、本来の資金使途と異なる理由で使っているお金として見られます。
ですので、貸付金は可能な限り計上しないようにしましょう。
立替金の増加
立替金とは、役員・従業員・関係会社や取引先が負担するべき費用を企業が一時的に立て替えて支払った時に発生する勘定科目です。
- 従業員が支払うべき雇用保険料
- 役員や従業員が自分で負担するべき私的な費用
- 取引先が負担するべき配送料など
上記は一時的に立て替えているだけであり、返済してもらえる権利があるため、資産(流動資産)として計上されます。
しかし、銀行からすると立替金は「誰に対して、どのようなシーンで発生した立て替えなのか」不明瞭に写ります。
残高が少なければ問題視されませんが、毎年のように立替金が増加していると銀行に警戒されるので気をつけましょう。
仮払金の増加
仮払金は、企業の営業活動で必要になる経費を事前にお金を渡した際に発生する勘定科目です。
- 小さな買い物のために支給した現金
- 役員や従業員に対する概算払いの出張費(交通費・宿泊費)
- 営業所の小口資金
仮払金は、将来的に経費として処理されるため、資産(流動資産)として計上されますが、仮払金に資産価値はありません。
また、仮払金は本来精算が必要な経費にもかかわらず、意図的に経費として計上せずに資産として計上したり、使途不明金を仮払金として計上するケースがあるため、銀行からすると不審に思いやすい科目です。
残高が小さければ問題視されませんが、毎年のように仮払金が増加していると銀行に不審に思われるので気を付けましょう。
未収入金の増加
未収入金とは、営業取引以外の取引で発生する収益のことで、保有資産(固定資産・有価証券)を売却した時や、際に発生する将来的に回収が見込まれる勘定科目です。
性質的には売掛金と近いため、資産性は高く、一見すると銀行に評価してもらいやすい科目に思えるかもしれませんが、回収できていない未収入金がいつまでも計上されていると、銀行から「回収不能なので資産性は無い」とマイナス評価を受けます。
回収できれば良いですが、回収できない未収入金をいつまでも計上していても銀行からマイナス評価を受けるだけなので、回収できなければ早めに損金処理して計上しないようにしましょう。
開発費の増加
開発費とは、企業が新たな市場を開拓するために投資した費用や、新技術を採用するために支払った費用の科目です。
- 市場調査費
- 広告宣伝費
- コンサルタント料金
決算書上、資産(繰延資産)として計上されますが、すでに支払った費用が計上されているだけで、資産価値はありません。
また、開発費は利益操作に使われやすい科目なので、銀行に疑われやすい科目でもあります。
開発費の内訳や、計上した理由を銀行に対してきちんと説明できれば問題ありませんが、もし、きちんとした理由を説明できないのであれば、計上しない方が無難です。
まとめ
以上、残高が多いと銀行が嫌がる決算書の勘定科目を5つ紹介しました。
銀行融資を受けやすくするためにも、銀行が嫌がる勘定科目の残高を増やさないようにしましょう。
おわり。