
先月、銀行から新規融資を受けたばかりだけど、このまま約定返済を続けると資金ショートするからリスケしようと考えているけど、借りてすぐにリスケするのはまずい?
担当者に「これ以上の新規融資は無理」と言われたから、リスケするしか無いけど、借りてから何回ぐらい返済すればリスケジュールを依頼しても良いのかな?
銀行との付き合いを悪くするのは避けたいから、借入を起こしてからどれぐらい期間を空ければリスケジュールしても大丈夫なのか教えて欲しいよ。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
直近の融資からリスケジュールを依頼するまでの返済期間に明確な決まりはない【結論】


新規融資を受けたものの、リスケジュールしなければ今後の資金繰りが回らないことが判明した場合、銀行にリスケジュールの依頼をする事も止む無しだと思います。
このような場合、直近の融資を受けてからどれぐらいの期間、返済をすればリスケジュールを依頼すれば良いのか疑問に思いますよね。
結論から言うと、新規融資を受けてから〇カ月は返済を続けなければならないというような明確な決まりはありません。
ですので、直近の融資から2ヶ月後にリスケジュールをお願いしても、3ヶ月後にお願いしても、基本的にはOKです。
判断基準はあくまで「常識の範囲内であるかどうか」
直近の融資からリスケジュールを依頼するまでの返済期間の判断基準はあくまで常識の範囲内であるかどうか、という事になります。
では、どれぐらい返済すれば常識の範囲内なのかというと、こちらは感覚的な話になってしまうので、一概に「〇ヶ月は返済した方が良い」というような事は言い難いところではあります。
ただ、一度も返済しない、あるいは融資を受けてから1回しか返済していないのにリスケジュールを依頼するのは流石にNGだと思います。
一度も返済しないでリスケジュールを依頼するのは非常識
借りてから一度も返済しないでリスケジュールを依頼するのは、普通に考えて非常識だと思います。
- 経営者が突然病気で倒れてしまった
- 自然災害等が発生し、事業を中断させなければならない予測不可能な自体が起きた
こういった状況が起こってしまったら、借りてから一度も返済しないでリスケジュールを依頼するのも状況的に致し方ないと思いますが、そうでもない限り、借りてすぐにリスケジュールというのは非常識です。
そもそも、経営者であれば1ヶ月後の資金繰り状況ぐらい把握していて当然ですし、銀行の担当者も同じように考えますから、一度も返済しないでリスケジュールというのは考えられない事です。
ちなみに、一度しか返済しないでリスケジュールを依頼したケースを見聞きした事がありますが、担当者に「詐欺みたいなものだ」と怒られたと言ってました。
直近の融資から3カ月ぐらいなら概ねOK
筆者のお客様から見聞きしたケースからいうと、直近の融資から3ヶ月経った頃ならリスケジュールを依頼しても銀行と揉めるような事は少ないです。
返済回数で言えば、融資を受けてから2回返済し、3回目が近づいてきた時に「今月の資金繰りが厳しいので、支払いを止めさせて欲しい(リスケジュールを示唆するような相談の仕方)」というような感じです。
2カ月後に依頼すると揉めるケースが増える
筆者のお客様のケースを見ていると、直近の融資から2ヶ月後にリスケジュールを依頼すると担当者から責められるケースが急増します。
たった1ヶ月の差で、なぜそんなに対応が異なるのか。
銀行の担当者は「経営者は直近3ヶ月の資金繰りは把握していて当然」と思っている場合が多いですから、
融資を受けてから2カ月後にリスケジュールを依頼すると「2ヶ月しか経ってないのに!」、「2ヶ月先の資金繰りぐらい予測できただろうに!」と思われ、かなり揉めることになってしまいます。
しかし、不思議と3ヶ月ぐらい間を空けると、そこまで揉めるケースは減りますので、銀行と揉めたくなければ3ヶ月ぐらいは間を空けた方が良いです。
借りてすぐにリスケジュールを依頼する時のポイント2つ


借りてすぐにリスケジュールを依頼しても、今後も銀行と良好な関係を続けるためのポイントを筆者の経験から解説していきます。
- 前向きな借入だったことをきちんと説明する
- 今後の資金繰り状況をきちんと報告する
上記のとおりです。
前向きな借入だったことをきちんと説明する
貸し手である銀行からすると、借りてすぐにリスケジュールされてしまった具体的な理由を知りたい訳です。
つまり「なぜ、借入を起こしたのか?」という事をきちんと説明する必要があります。
例えば、以下のような理由で借入を起こしたという事をきちんと説明する事ができれば、そこまで揉めるような事はありません。
- 〇カ月後に入金予定があるから短期継続融資(短コロ)を受けた
- 運転資金として商品を仕入、これぐらいの売上を立てる見込みがあったから借りた
- 例年、この時期は売上が上がる時期だから、返済できる可能性が高いと判断したから借りた
こういった資金使途で借りるお金は前向きな資金使途なので、「仕方ないですね…」と穏便に済む場合が殆どです。
ちなみに、短期継続融資の詳細は「銀行融資を受けられない!短期継続融資なら可能性があるかも」をどうぞ。
心証が悪いケース
銀行からの心証が最も悪くなるのは、「とりあえず手元資金が枯渇しそうだから借りれるウチに借りれるだけ借りて、資金が無くなりそうになったらリスケジュールする」というケースです。
銀行からするとこういった資金使途はただの赤字補填ですから、そんな事なら最初からリスケジュールすれば良かったじゃないか。という話になり、かなり揉めることになりますので、気を付けましょう。
今後の資金繰り状況をきちんと報告する
リスケジュールを依頼する際、資金繰り表や試算表を提出する事になると思いますが、この時、以下のように理路整然と今後の資金繰り状況を説明するようにしましょう。
- なぜ、借りてすぐにリスケジュールしなければならない状況に陥ってしまったのか。
- 現時点における手元資金の金額をベースに、今後の資金繰り状況がどのように推移するのか。(資金ショートしそうなことが明らかであれば、ショートする日時と足りない金額を明記)
- リスケジュールする事で資金繰りが回るかどうか
こういった説明をきちんとできれば、融資を受けて3ヶ月ぐらいしか経っていないのにリスケジュールを依頼しても、そこまで揉めるような事はありません。
まとめ
以上、銀行から借入をおこした後にすぐにリスケジュールを依頼しても大丈夫なのか?という事について解説しました。
借りてすぐにリスケジュールを依頼するのは良い行動とは言えませんが、3ヶ月ぐらい経ってから依頼する分にはそこまで揉めるような事はありません。
なので、なぜ、3ヵ月しか経っていないのにリスケジュールを依頼することになってしまったのか、という事は銀行にきちんと説明するようにしましょう。