
借入の返済が遅れるかもしれないけど、事前に連絡した方が良いかな?それとも、銀行から連絡が来るのを待った方が良いのかな?
返済が遅れると銀行から借りれなくなったりするのかな?もしそうだと厳しいよ…。
銀行借入の返済が遅れると融資を受けれなくなるのかどうか知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
銀行融資の返済が遅れるとどうなるかはケースバイケース


銀行融資を受けると毎月返済することになりますが、やむを得ない事情で返済が遅れるケースがあると思います。
このような時、銀行から融資を受けている方は、返済が遅れたら融資が受けれなくなるのではないかと心配される方が少なくないですが、
結論から言うと、返済が遅れると必ずしも融資が受けれなくなる訳ではなく、今後の融資についてはケースバイケースで、遅れた時の対応や原因、同月中の延滞なのか、月を跨いだ延滞なのかによって異なります。
事前に連絡しておけば大きな問題は起きない
基本的な前提として、返済期日が到来する前に担当者に連絡・相談しておけば今後の融資に大きな問題が起こることはありません。
例えば、毎月の返済日が20日だった場合、20日よりも前に担当者に返済が遅れる可能性があることを伝えるようにしましょう。
連絡は早ければ早いほど良い
返済が遅れるという連絡は早ければ早いほど良いです。
早めに連絡しておくと、担当者としても新規融資の提案や、借り換えの提案がしやすくなりますので、遅れる事が分かった時点で担当者に連絡するようにしましょう。
事前連絡無しで返済が遅れると今後の融資は難しくなる
事前連絡なしで返済が遅れてしまうと銀行に悪い印象を与えるばかりか、次のようなレッテルを貼られてしまいます。
- 連絡もしてこない不誠実な経営者
- 資金管理もろくにできない企業
このようなレッテルを貼られると、今後の新規融資は非常に難しくなります。
必ず期日到来前に連絡するようにしましょう。
月を跨いた返済遅れ致命的
返済が遅れる場合、同月中に返済ができれば問題ありませんが、月を跨ぐと今後の新規融資は非常に厳しくなります。
- 同月中の返済遅れ → セーフ
- 月を跨いだ返済遅れ → アウト
例えば、毎月の返済日が10日だった場合、同月末までに返済すれば同月中の返済になるので、大きな問題になる事はありません。
しかし、月内の返済に間に合わず、月を跨いで翌月の頭に返済した場合、月を跨いでいるので、その時点でアウトとなり、今後の新規融資は非常に難しいものとなります。
返済遅れの日数は無関係(判定はあくまで月を跨ぐかどうか)
月を跨いだ返済遅れは、基本的に月を跨ぐかどうかという事を重視している為、遅れた日数は無関係となります。
具体的には、返済日が異なる2本の借入金があった場合。
- 毎月の返済日:5日
- 毎月の返済日:25日
上記の借入金をどちらも「月末に返済する」と銀行に伝えたとします。
5日に返済しなければ借入金は、25日以上返済が遅れることになりますが、同月中に返済すれば、25日の返済日の借入金(実質5日間しか遅れていない)と扱いは変わりません。
しかし、25日返済日の借入金の返済が月を跨いでしまい、翌月の頭に返済がずれ込んでしまうと、それは月を跨いだ返済となるのでアウトとなり、今後の新規融資は非常に難しいものとなります。
銀行融資の返済が遅れる4つの原因とその判断


銀行融資の返済が遅れてしまう4つの原因と、銀行がどのように判断するのかを解説します。
- 資金繰りのミスで返済資金が足らなくなった
- 取引先からの入金遅れが発生した
- 売掛金が引っかかった
- 業績悪化で資金繰りが厳しい
上記のとおりです。
資金繰りのミスで返済資金が足りなくなった
入出金日の勘違いや、経理のミスが原因で返済資金が足りなくなり、返済期日に遅れる場合、今後の銀行融資に与える影響は軽微です。
この事が原因で新規融資が難しくなるような事は殆どありません。
何度も起こすと警戒される注意しましょう
返済が遅れるのが1度なら、うっかりミスで済みますが、この手のミスを2度3度と起こしてしまうと、「資金管理もロクにできない企業」というレッテルを貼られ、今後の融資は難しくなります。
今後の融資に悪影響を及ぼさないためにも、何度も返済遅れを起こさないように注意しましょう。
取引先からの入金遅れが発生した
取引先からの入金が遅れた事が原因で返済が遅れる場合、銀行からすると今後の融資は微妙な判断となります。
遅れる状況にもよりますが、例えば次のケース。
- 毎月20日に入金 → 今月だけ月末に遅れる
このような場合であれば、影響は軽微です。
しかし、以下のような場合は銀行からすると貸し難い状況となります。
- 毎月20日に入金 → 来月の20日にジャンプして欲しい
- 毎月20日に入金 → 来月の20日に一部入金、残りは分割にして欲しい
特に後者はかなり微妙で、「倒産する可能性がある(売掛金が未回収となる可能性あり)」という懸念を持たれてしまいます。
金額が小さければ正直に伝えても問題無いですが、金額が大きい場合(例えば、売上に締める割合が30%を超えているような場合)、正直に伝えると今後の融資が難しくなる可能性が出てくるので、金額が大きい場合は「運転資金が足りなくなった」とだけ伝えた方が無難です。
売掛金が引っかかった
売掛金が引っかかった事が原因で返済が遅れた場合、今後の融資は非常に難しくなります。
売掛金が引っかかるということは、取引先が倒産したからこそ起こる訳ですから、銀行からすると非常に貸し難い状況です。
このような場合、正直に「売掛金が引っかかってしまい、返済資金が足りなくなった」と伝えると新規融資は非常に難しくなるので、「運転資金が足りなくなったから返済が遅れそうだ」と伝えるのが得策です。
業績悪化で資金繰りが厳しい
返済が遅れる原因が業績悪化に起因するものだと、基本的に今後の融資は難しくなります。
ただ、一応例外があり、以下いずれかに該当していれば、業績が悪化していても新規融資を受けれる可能性は高くなります。
- 自己資本比率が高い
- 不動産などの資産がある
- 経営者個人に資産かある
上記項目に一つも該当していないということであれば、銀行は新規融資に対して消極的になりますので、新規融資ではなく、借換えかリスケジュール(返済条件変更)が現実的な選択肢となります。
銀行融資の返済が遅れそうな時の対処法3つ


最後に、銀行融資の返済が遅れそうな時の対処法を3つ紹介します。
- 新規融資を依頼する
- リスケジュールを依頼する
- 銀行融資以外の資金調達を検討する
上記のとおりです。
新規融資を依頼する
「事前に連絡しておけば大きな問題は起きない」という項目でも解説したとおり、返済が遅れると分かった時点で銀行に連絡して、新規融資を依頼するようにしましょう。
早めに連絡しておけば、次のような融資を検討してもらいやすくなります。
- 折り返しの融資(ハネ資金)
- 借換え
- 短期継続融資
「返済が遅れる」という連絡が遅いと、上記の融資を検討する時間もなくなりますので、返済が遅れることが分かった時点ですぐに相談するようにしましょう。
ちなみに、返済が遅れるという連絡が返済期日の1週間前とか、2~3日前だと融資は難しいので、別の方法で調達した方が良いです。
リスケジュールを依頼する
返済が遅れる原因が業績悪化に起因するものであれば、新規融資は期待できませんので、その場合はリスケジュールを依頼するようにしましょう。
業績が悪化しているのに約定返済を続けていると、資金繰りはどんどん悪化します。
ひとまず新規融資を依頼して、断られたら即座にリスケジュールを依頼するようにしましょう。
リスケジュールの依頼も、返済期日が到来する前に連絡するようにしましょう。
- 〇 期日到来前にリスケジュールを依頼する → 好印象
- ✖ 期日到来後にリスケジュールを依頼する → 悪印象(資金管理もろくにできない企業というレッテルを貼られる)
返済期日が過ぎてから「リスケジュールして欲しい」と依頼するよりも、返済期日の前に依頼した方が好印象です。
詳しくは「【銀行融資】リスケジュールで返済額を見直して資金繰り改善【基礎知識】」をどうぞ。
銀行融資以外の資金調達方法を検討する
銀行に新規融資を依頼して、融資がおりなかった場合、銀行融資以外の資金調達方法を検討するようにしましょう。
以下の資金調達方法であれば最短即日融資に対応していますので、時間的な余裕がなくても資金調達できる可能性があります。
- ビジネスローン(事業者ローン)での資金調達
- AI(人工知能)融資での資金調達
- ファクタリングでの資金調達
- カードローンでの資金調達
詳しくは「【資金調達】急ぎで事業資金を調達する方法とは?【4つ紹介します】」をどうぞ。
ただ、基本的に調達コストが高く、このような借入を利用していることが銀行にばれると今後の新規融資は難しくなりますので、もし利用する際は、短期的な利用にとどめるようにしましょう。
詳しくは「【銀行融資】ノンバンクの借入があると銀行が融資しない理由と借入を見抜くポイントを解説」をどうぞ。
まとめ
以上、銀行融資の返済が遅れるとどうなるのか、ということについて解説しました。
事前に連絡しておけば大きな問題は起きませんが、事前連絡なしで返済が遅れてしまうと、今後の融資は難しくなりますので、必ず、事前に連絡するようにしましょう。
おわり。