
決算が赤字で債務超過になってしまった…債務超過だと銀行や政府系金融機関からの融資が難しくなるみたいだから、なるべくなら早期に解消したい。
融資を受けにくくなること以外に、債務超過になることで会社が不利益を被ることはどのようなことがあるのかな?
債務超過状態が続くのはメリットが無さそうだから、解消する方法があれば知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
債務超過が会社に及ぼす悪影響2つ


債務超過に陥ったことが原因で会社が倒産する事はありませんが、債務超過を解消しないと今後の事業継続に重大な支障をきたすことになります。
そのため、一日でも早く債務超過の状態を解消するように努力しましょう。特に問題なのは下記2つです。
- 銀行融資が借りにくくなる
- 取引先からの与信が悪化する
上記のとおりです。
銀行融資が借りにくくなる
債務超過になると銀行や政府系金融機関からの資金調達はぐっとハードルが上がります。
もちろん、「【銀行融資】債務超過でも新規融資を受けることはできる?【状況次第】」という記事でも解説しているとおり、債務超過だからといって必ずしも融資を断られる訳ではありませんが、銀行や政府系金融機関などの貸し手からすると、債務超過よりも資産超過の会社の方が融資しやすいのは間違いありません。
- 〇 資産超過 → 審査に有利
- × 債務超過 → 審査に不利
債務超過だと審査に不利なので早期に解消しましょう。
取引先からの与信が悪化する
取引先が大手だと、決算書の提示を求められる場合が少なくありません。
この時、決算書が債務超過だと取引条件が悪化するのは間違いありません。最悪の場合、取引停止という可能性もあります。
- 資産超過 → 与信枠の確保・増大
- 債務超過 → 与信枠の縮小、現金取引の要求、取引自体停止となる可能性もある。
こちらも債務超過だとプラスになる事は一つもないので、早期に解消しましょう。
債務超過の解消方法4つ


それでは、債務超過の解消方法を4つ紹介します。
- 収益を獲得する(儲ける)
- 増資する(出資してもらう)
- DES(デット・エクイティ・スワップ)をする
- 債務免除を受ける(債権者に債権放棄してもらう)
上記のとおりです。
収益を獲得する(儲ける)
収益を獲得すれば資本が増えます。資本が増えれば債務超過は解消されます。
反対に、赤字になれば資本は減少し、債務超過は膨らみます。
- 利益が出る → 資本が増える
- 損失が出る → 資本が減少する
債務超過を解消するために儲けまくりましょう!
増資する(出資してもらう)
経営者自身で資本を増資するか、あるいは、身近な人や投資家・機関投資家から出資してもらうことで、資本を増強し債務超過を解消できます。
DES(デット・エクイティ・スワップ)をする
DES(デット・エクイティ・スワップ)の言葉の意味は、次の3つの単語を合わせた言葉です。
- デット(Dept) → 負債
- エクイティ(Equity)→ 資本
- スワップ(Swap) → 交換
つまり、負債を株式に交換(変換)する事で、擬似的に増資する事で資本の増強を図る方法です。
実際にお金の動きがある訳ではないので、あくまで帳簿上のことではありますが、財務内容は解説されます。
債務免除を受ける(債権者に債権放棄してもらう)
債権者に債権放棄してもらうことで、負債が減少し、債務超過を解消することができます。
まとめ
以上、債務超過を解消する方法を4つ紹介しました。
債務超過を放置すると、銀行や政府系金融機関から融資を受けにくくなるばかりか、取引先からの与信も悪化するので、債務超過に陥ってしまったら少しでも解消するよう努力しましょう。
ちなみに、この記事では紹介していませんが、負債を時価評価して債務超過を解消するという方法があります。簡単な方法ではありませんが、興味のある方は「債務超過を解消するにはどうすれば良い?負債を時価評価する事で早期解消が可能」をどうぞ。