資金調達
カード選び
協同組合でETCカードを作ろうと考えてますが、高速情報協同組合とETC協同組合の違いが分かりません。
違いを把握したうえで申し込みを検討したいです。
この記事では、こういった疑問・要望にお答えします。
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、高速情報協同組合とETC協同組合、2つの組合の違いや事業内容の違いをまとめました。
法人・個人事業主がクレジット機能なしのETCカードを作る際、どちらの協同組合でカードを申し込めばいいのか迷われてる方の参考になれば幸いです。
高速情報組合とETC協同組合を下記4つの項目で比較していきます。
上記の順に解説します。
まずは発行しているETCカードのスペックで比較していきます。下表のとおりです。
高速情報協同組合 | ETC協同組合 | |
---|---|---|
カードの種類 | 法人ETCカード(マイレージあり) ETCコーポレートカード | 法人ETCカード(マイレージあり) |
出資金 [脱退時返金] | 10,000円 | 10,000円 |
カード発行手数料 | 法人ETCカード:550円/1枚 ETCコーポレートカード:629円/1枚 | 880円/1枚 |
取扱手数料[年1回] | 法人ETCカード:550円/1枚 ETCコーポレートカード:629円/1枚 | 880円 |
走行金額手数料 | 法人ETCカード:8% ETCコーポレートカード:なし | 8% |
締日 | 月末 | 月末 |
支払日 | 翌々月6日 or 8日 | 翌々月5日 |
支払方法 | 口座振替 | 口座振替 |
各協同組合共に、出資金や走行手数料、支払条件などはほとんど変わりません。また、どちらもマイレージ登録を代行してくれるので、手続きを自分で行わなくて済みます。
違いがあると言えば、カード発行手数料や取扱手数料ぐらいのもので、高速情報協同組合の方が1枚あたり300円ほどお得です。
発行枚数が多ければ多いほど高速情報協同組合のほうが手数料を抑えられます。
また、高速情報協同組合はETCコーポレートカードを発行していますので、高速道路の利用頻度が高い方、長距離利用が多い方は高速情報協同組合を選ぶといいですよ。
各協同組合共にガソリンカードを発行しています。スペックは下表のとおりです。
高速情報協同組合 | ETC協同組合 | |
---|---|---|
利用可能なスタンド | アポロステーション、出光&昭和シェルSS(全国6,400店舗) | アポロステーション、出光&昭和シェルSS(全国6,400店舗) |
出資金 [脱退時返金] | 10,000円 | 10,000円 |
カード作成手数料 | 無料 | 無料 |
取扱手数料[年1回] | 無料 | 無料 |
ガソリン価格 | 全国平均価格より毎月末に算出(後決め方式) | 全国平均価格より毎月末に算出(後決め方式) |
締日 | 月末 | 月末 |
支払日 | 翌月末 | 翌月末 |
支払方法 | 口座振替 | 口座振替 |
各協同組合が発行しているガソリンカードのスペックは全く同じです。
ちなみに、同じ協同組合でETCカードとガソリンカードを申し込むと、出資金は1万円で済みます。
各協同組合共に、出資金は1社につき1万円です。
なので、ガソリンカードを作る予定がある方は先にETCカードの申し込み先を決めて、同じ協同組合でガソリンカードを申し込んだ方が出費を抑えられますよ。
各協同組合の運営実績を比較すると下表のとおりです。
高速情報協同組合 | ETC協同組合 | |
---|---|---|
設立 | 平成5年(1993年) | 平成16年(2004年) |
取扱サービス | 法人ETCカード ETCコーポレートカード ガソリンカード | 法人ETCカード ガソリンカード 車両保険(フリート・ノンフリート) |
事業地区 | 46都道府県[沖縄県を除く] | 47都道府県 |
公式サイト | https://www.kousoku-j.jp/ | https://www.etc-kumiai.jp/ |
高速情報協同組合は1993年から運営しているため、30年以上の運営実績があります。
ETC協同組合は2004年に高速情報協同組合の姉妹団体として設立されました。運営実績は短いですが、法人ETCカードやガソリンカードの他に、車両保険も扱っています。
以上のことから、運営実績を重視している方は高速情報協同組合を選ぶといいですよ。
各協同組合の審査の難易度は、基本的には同じです。
各協同組合が発行するETCカードはどちらもクレジット機能が無いので、クレジットカード会社の審査と比べて審査条件が緩やかな点は同じだからです。
ただ、あえて比較するなら、ETC協同組合の方が審査の難易度は低いです。
高速情報協同組合 | ETC協同組合 | |
---|---|---|
審査の難易度 | 優しい | より優しい |
ちなみに、運送業をされている筆者のお客様から、「高速情報協同組合の審査に落ちたけど、ダメもとでETC協同組合に申し込んだらカードが発行された」というお話を聞いたことがあります。
このことからも、審査基準は若干異なるといえます。
以上が高速情報協同組合とETC協同組合の比較です。
高速情報協同組合とETC協同組合、どちらの協同組合でETCカードを作るべきかお悩みの方向けに、おすすめをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
下記項目に該当する方は、高速情報協同組合でETCカードが作るのがおすすめです。
高速情報協同組合は1993年から運営しており、老舗ならではの安心感があります。
法人ETCカードは3種類あり、どのカードも年会費550円なのでETC協同組合よりも300円ほど安いです。全てのカードはマイレージサービス対応なのでお得に高速道路を利用できます。
「大口・多頻度割引」対応のETCコーポレートカードも発行していますので、高速利用が多い方や、長距離利用が多い方にピッタリです。
「高速の利用頻度は少ないけど、複数枚カードを作りたい」、「年会費の負担を極力抑えたい」といった方は、高速情報協同組合の法人ETCカードがおすすめです。
また、「高速利用が多い・長距離が多い」、「毎月3万円以上は確実に利用している」という方は、「大口・多頻度割引」対応の、高速情報協同組合のETCコーポレートカードがおすすめです。
下記項目に該当する方は、ETC協同組合でETCカードを作るのがおすすめです。
ETC協同組合は高速情報協同組合と比べて運営実績は短いですが、19年以上の運営実績があります。
カードの年会費は高速情報協同組合と比べて300円高いですが、発行難易度が低いというメリットがあります(要審査)。
ETC割引(休日・深夜割引、平日朝夕割引)を利用可能でマイレージサービス対応なのでお得に高速道路を利用できます。
高速道路の利用頻度はそこまで高くないけど、ETC割引を適用して高速道路を利用したい方や、カード1枚当たりの利用は5,000円以下だけど、複数の社員にカードを持たせて一元管理したい方、確実に審査に通したい方はETC協同組合がおすすめです。
協同組合で法人ETCカードを作る時のよくある質問をその答えは下記のとおりです。
上記のとおり。
どちらの協同組合も出資金は1社につき1万円のみとなっています。
何枚カードを作っても、出資金は1社につき1万円です。
どちらの協同組合も、組合への出資金は1社につき1万円のみとなっています。
したがって、ETCカードとガソリンカードを両方申し込んでも、出資金は1社につき1万円です。
高速情報協同組合、ETC協同組合のどちらで法人ETCカードを作っても、インボイス対応の請求書が発行されます。
協同組合でETCカードを作る主なデメリットは、
などがあります。
詳しい内容は下記記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
法人ETCカードとETCコーポレートカードの主な違いは、
などがあり、上記の中で最も大きなポイントは割引・還元率の違いです。
ETCコーポレートカードは、1か月のETC利用額から最大40%の割引が適用される「大口・多頻度割引制度」があります。
法人ETCカードにはマイレージサービスによるポイント還元がありますが、還元率は最大9.09%なので、ETCコーポレートカードと比べて割引率が低いです。
詳しい内容は下記記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
高速情報協同組合とETC協同組合の両方申し込んで、両方とも審査落ちした場合。
NEXCOが発行しているETCコーポレートカードに申し込んでみてください。
NEXCO発行のETCコーポレートカードはクレジット機能がないため、クレジット審査はありません。支払い保証があればカードを作れます。
ただし、NEXCOでETCコーポレートカードを作る場合、申し込み時に利用額の4か月分のデポジット(保証金)が必要になります。毎月の利用額が5万円であれば、20万円必要になります。
保証金の最低額は10万円
毎月の利用額が2万円ぐらいであれば、最初に10万円の保証金を入れればETCカードが作れますが、毎月の利用額が10万円の場合、40万円の保証金が必要になります。
毎月の利用額が大きい場合、申し込み時に保証金を用意するのが大きなネックとなります。
高速情報協同組合で作る場合、毎月の利用額を問わず1万円の出資金で済みます。
以上、高速情報協同組合とETC協同組合の違いを解説しました、
おわり。