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銀行からローカルベンチマークを使うよう勧められたけど、ローカルベンチマークって何?
ローカルベンチマークを使うと簡易的に経営診断を行えるみたいだけど、どのような診断ができるの?
ローカルベンチマークを使ってできることを詳しく知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
「ローカルベンチマーク」とは、経済産業省が企業の経営状態を把握(健康診断)するために活用するツールとして策定し、平成28年3月に公表されました。
ローカルベンチマークは、企業の経営状態の把握、いわゆる「健康診断」を行うツール(道具)として、企業の経営者等や金融機関・支援機関等が、企業の状態を把握し、双方が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みであり、事業性評価の「入口」として活用されることが期待されるものです。
出典:ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)(METI/経済産業省)
企業を支援する金融機関、支援機関、政府・地公体等が、企業の状態を把握することで、各支援機関が同じ目線にたって企業と対話を行うための基本的な枠組みとなります。
具体的には、ローカルベンチマークツールという名称のエクセルファイルに「財務情報」と「非財務情報」に関する各データを入力すると、分析結果が出ますので、企業の経営状態を把握する事ができます。
これにより、各支援機関は経営状態の変化に早い段階で気付くことができ、早期の対話や、今後の支援を行いやすくなります。
ちなみに、事業性評価融資について詳しく学びたいという方は「事業性評価融資が学べるおすすめな本3冊【銀行融資を受けたい方向け】」をどうぞ。
ローカルベンチマークの枠組みは大きく2段階に分かれています。
ローカルベンチマークの第一段階は「地域の経済・産業の現状と見通しの把握」となっており、金融機関が地域経済・産業の分析、各企業の地域経済に与える影響の把握、重点的に取り組むべき企業の特定をしたり分析することになります。
地域経済や産業の分析を多なうには、地域の産業構造や雇用状況、人口動態等といった様々なデータが必要となるのですが、このデータについては、RESAS(リーサス:地域経済分析システム)というシステムが用意されています。
RESAS(リーサス)は無料で使えるのですが、会社側からの視点でみても非常に興味深いビッグデータを取得することができます。
ぜひ一度、触ってみることをおすすめします。
ローカルベンチマークの第二段階は、「個別企業の経営力評価と経営改善に向けた対話」ということで、経済産業省提供のローカルベンチマークツールを使います。
ローカルベンチマークツールでは上図にある通り、財務情報と非財務情報を用いて会社の経営状態を把握することで、対話に活かそうというものです。
経済産業省のサイトでローカルベンチマークツールを配布していますので、ダウンロードして実際に使ってみて下さい。
参考リンク:ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)(METI/経済産業省)
財務指標のポイントは「売上持続性」、「収益性」、「生産性」、「健全性」、「効率性」、「安全性」の6つの財務指標だけで評価している点です。
それぞれの指標の算式、内容については下図を参考にして下さい。
財務情報は決算書の数値を入力するだけなので、頭を使う必要は無いですが、非財務情報は「作文」が必要なので、若干手間取るかもしれません。
文章が思いつかない方は、以下の資料を参考に文章を考えてみて下さい(P11~P14参照)。
参考リンク:中間とりまとめ概要解説資料 | 経済産業省
非財務情報として「業務フロー図」と「商流図」も用意されています。
自社の特徴、他社との差別化ポイントを分かりやすく記載しましょう。
業務フローをいきなり清書するのが難しい場合、マインドマップツールを使うと書きやすいと思います。
最初にマインドマップツールを使って一番最初に業務フローを洗い出し、全て洗い出した後にローカルベンチマークに清書すると書きやすいと思います。
以上、ローカルベンチマークについて解説しました。
事業内容・企業の成長可能性を銀行に示すことができるローカルベンチマーク。
ローカルベンチマークツール自体は、簡単・シンプルではありますが、非財務状況等を記載するのは若干大変かもしれません。
しかし、この労力は決して無駄にはなりませんので、銀行との対話を円滑に進めるためにも、また、新たな銀行融資のチャンスを掴むべく、是非、取り組んでみましょう。