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リースはリスケジュールできる?【結論:交渉が難しいけど可能】


銀行にリスケジュールを応諾してもらえたけど、正直、リースの支払いもかなり厳しいから、リスケジュールしてもらえると助かるよ。
リースは銀行借入みたいに元本と金利に分かれていないけど、リスケジュールしてもらえるのかな?
リースのリスケジュールできるかどうか、もしできるなら、注意点とかがあれば知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
リースをリスケジュールする事は可能【結論】


銀行借入をリスケジュールしてもらってもなお資金繰りが厳しい場合、銀行借入以外の支払いを見直しつつ、資金繰りを回すことになります。
リスケジュール中に資金繰りを考える時は、基本的に支払い負担の大きい順に支払いの減額、若しくは猶予を検討する事になりますので、リース料の支払い負担が大きければ、一時的に支払いを減額してもらい、資金繰りをまわす事を検討する事もあります。
この時、リースは銀行融資のように元本と金利に別れていないので、そもそもリスケジュールしてもらうことができるのか?という心配が出てくると思いますが、結論から言うと、リースをリスケジュールする事は可能です。
ですので、リース料の支払いが厳しい場合は、リスケジュールを検討しましょう。
過去、経産省からリース会社への協力要請もありました
かなり古い話ではありますが、2010年4月16日、経済産業省からリース会社に対して下記の通達がありました。
経済産業省は16日、リース事業協会に要請書を提出し、中小企業のリース契約の支払い猶予や契約期間延長に柔軟に応じるよう求めた。
出典:経産省、リース業界にも支払い猶予要請 中小向け:日本経済新聞
上記の発表から2年後の2012年4月2日には、経産省から再度、下記の通達が発表されました。
引き続き、中小企業からリースに関する支払猶予や契約期間延長等の申込みがあった場合には柔軟かつ適切な対応を行うよう、改めて要請することとしました。
出典(国立国会図書館):中小企業に対するリースの支払猶予について – 経済産業省
経産省の通達という強力な後押しもあり、現在では、リース会社もリスケジュールの依頼があれば、検討してくれるようになっています。
銀行融資のリスケジュールと同じ感覚でいるのは禁物
ただし、リースをリスケジュールしてもらうのは、銀行借入のように簡単にはいかない場合が殆どなので、銀行借入のリスケジュールと同じ感覚で考えているとリスケジュール交渉はうまくいきません。
リースのリスケジュールを成功させるためにも、まずは注意点を確認しておきましょう。
リース会社にリスケジュールを依頼する時の注意点5つ


リース会社にリスケジュールを依頼する時の注意点は下記5つです。
- 銀行のようにスムーズに応じないため、粘り強さが必要
- リスケジュールできる期間は短い
- 銀行借入のように何回も更新できない
- 交渉決裂すると物品を回収されるリスクがある
- 系列によって対応が異なるので横並びで対応してくれると思い込まない
上記のとおりです。
基本的に応じようとしないので粘り強さが必要
「【銀行融資】リスケジュールで返済額を見直して資金繰り改善【基礎知識】」という記事でも解説しているとおり、銀行はリスケジュールに対して寛容ですが、リースは全く別です。
基本的には「リスケジュールには極力応じない」というスタンスです。
例えば、銀行とリース会社にリスケジュールを依頼した場合、対応に明確な違いが出ます。
- 銀行 → リスケジュールするしか方法が無ければ致し方無いですね(追加融資もできないからリスケも止む無しと判断する)。
- リース会社 → 支払い額・期間が契約で決められてますので払って下さい、払えなければリース物品を引き上げることになります(支払いができなければ物品を回収して中古市場に売却して換金するだけと考える)。
対応が異なる理由
リース契約の仕組みはリース会社から説明を受けていると思うので説明不要だと思いますが、リース物品の所有権はリース会社にあります。
利用者が使用する物品をリース会社が購入し、リース会社から物品を借りる契約です。
つまり、端的にいうとリースはレンタルと同様ですから、利用者が支払えなければ、リース会社の立場からすると「支払えないなら物品を返却せよ」という判断になります。
そのため、銀行借入の感覚でリスケジュールを依頼すると、交渉はうまくいかないので注意が必要です。
リスケジュールできる期間は短い
粘り強い交渉の結果、リスケジュールを応諾して貰ったとしても、そこで安心してはいけません。
リースのリスケジュール可能な期間は銀行のように長くありません。
リスケジュールの期間は半年ぐらいが多く、長くても1年です。
リースは「基本的に応じようとしないので粘り強さが必要」という項目でも解説したとおり、物品をレンタルしているのと同じような契約なので、リース会社からすると「リース料が払えないなら物品を返却せよ」というように考えます。
銀行借入のように何回も更新できない
「リスケジュールできる期間は短い」ということは、何回も更新できないということです。
銀行借入は何回も更新できるケースが少なくないですが、リースは何回も更新できません。
更新に応じるとリース会社のリスクは増える
リース会社の立場からすると、リスケジュールの更新に応じるいうことはリース物品の価値が下がるという事を意味します。
リース物品の価値が下がると、万が一、利用者が支払い不能に陥った際に、リース物品を中古市場で売却しても価値が下がっていれば、最悪、換金できないリスクが出てきます。
中古市場で売却できなければリース会社は損失を被ることになりますので、何回も契約更新に応じるような事はありません。
交渉決裂すると物品を回収されるリスクがある
リース会社とのリスケジュール交渉が決裂すると、リース物品を回収されるというリスクが出てきます。
リース会社からすると、物品の購入費用を全額建て替えて払ってるのに、約束した利用料が払えないなら、中古市場に売却して回収できるだけ回収した方がマシという判断が働きます。
ですので、リスケジュールを依頼する際は、あまり無茶な減額を依頼しないよう、気を付けましょう。


系列によって対応が異なるので横並びで対応してくれると思い込まない
リース物品が複数あり、リース会社も異なる場合、1社でもリスケジュールに応諾してもらうことができれば、他のリース会社も応諾してもらえるのでは?などと思うかもしれませんが、残念ながらそのような事はあり得ません。
ひとことでリース会社と言っても、様々なリース会社があります。
- 銀行系
- 商社系
- メーカー系
- ノンバンク系など
系列が異なれば対応も異なりますので、銀行融資のように「1社がリスケジュールに応諾すれば、他社に応諾してもらいやすくなる」などと思わない方が良いです。
リースをリスケジュールする時のポイント3つ


最後に、リースをリスケジュールする時のポイントを3つ紹介します。
- 約定の何分の1かは支払うよう交渉する
- 銀行系のリースは銀行を味方につける
- 銀行借入のリスケジュールと同様の資料を提出して依頼する
上記のとおりです。
約定の何分の1かは支払うよう交渉する
リース会社にリスケジュールを依頼する時は、約定の支払い額の何分の1かを支払うよう交渉するようにしましょう。
例えば、毎月30万円のリース料を払っているような場合、下記のように依頼すると良いです。
- 現在のリース料30万円 → 半年間だけでも月額10万円に変更して頂きたい。
リース料は銀行借入のように、元本と金利に別れていないので、月々の支払い額をベースに減額依頼をしましょう。
銀行系のリースは銀行を味方につける
利用しているリース会社が銀行から紹介を受けた系列のリース会社の場合。
A銀リースにリスケジュールを依頼して、断られたとA銀行に相談すると、助け舟を出してもらえる事が多く、ほとんどの場合でリスケジュール交渉がスムーズにいきます。
また、A銀行にリスケジュールを依頼しているときに、「A銀リースさんにも相談しようと思っている」ということを相談すると、担当者によっては「ウチから連絡しておく」と助け舟を出してくれる事もあります。
なので、銀行から紹介されたリース会社であれば、銀行の担当者を味方につけておくと協力してくれることが結構ありますので、取引行の系列のリース会社にリスケジュールを依頼する際は、銀行の担当者に相談するのがおすすめです。
銀行借入のリスケジュールと同様の資料を提出して依頼する
リスケジュールの依頼をする際は、銀行にリスケジュールを依頼したときと同等の資料を準備してから交渉に挑みましょう。
「基本的に応じようとしないので粘り強さが必要」という項目でも解説したとおり、リース会社は基本的にリスケジュールに応じようとしませんので、現状ではリース料の支払いが困難であるということを裏付ける資料が必要です。
なので、銀行借入のリスケジュールを依頼した時と同様の資料を用意して、リスケジュール交渉に挑みましょう。
まとめ
以上、リースはリスケジュールできる?ということについて解説しました。
リースのリスケジュールは簡単ではありませんが、粘り強く交渉することで応じて貰うことは可能ですので、リース料の支払いが厳しい場合は、リース料の支払い遅延を起こしてしまう前にリスケジュールを検討しましょう。