【比較】法人ETCカードとETCコーポレートカードの違い

【比較】法人ETCカードとETCコーポレートカードの違い

法人用のETCカード選びで悩んでいます。

法人ETCカードとETCコーポレートカード、どちらのカードがお得なのか知りたいです。

この記事では、こういった疑問・要望にお答えします。

本記事の内容
  • 法人ETCカードとETCコーポレートカードの概要
  • 法人ETCカードとETCコーポレートカードの違い3つ
  • 法人ETCカードとETCコーポレートカード比較表
  • 法人ETCカードとETCコーポレートカードはどっちがおすすめ?

なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。

こういった経験をもとに、本記事では、法人・個人事業主向けに、法人ETCカードとETCコーポレートカードの違いを比較してまとめました。

法人ETCカードとETCコーポレートカード、どちらも高速道路をお得に利用できますが、毎月の利用実態にあわせてETCカードを選ばないと損する場合があります。

これから法人用のETCカードを作ろうとしている方向けに、カード発行コストや割引適用額など、ETCカードを選ぶうえで必要な情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

法人ETCカードとETCコーポレートカードの概要

最初に、各カードの概要から解説していきます。

法人ETCカードはマイレージ対応カード

法人ETCカードは、クレジットカード会社や協同組合(高速情報協同組合・ETC協同組合)が発行する法人用のETCカードです。

休日・深夜割引や平日朝夕割引などのETC割引に加えて、通行料金の支払額に応じてポイントが貯まる「マイレージサービス」でお得に高速道路を利用できます。

協同組合発行の法人ETCカードは、ETCマイレージサービスに対応したカードが1種類しかありません。マイレージサービスを利用したい方はよく注意して申し込んでください。

車両限定ではないため、社用車以外の車はもちろん、カーシェア・レンタカーで利用できます。

法人ETCカードの特徴
  • マイレージポイントが貯まる(非対応カードあり)
  • ETC割引を利用できる
  • 車両限定なし(個人の車、カーシェア、レンタカーなどで利用できる)

ETCコーポレートカードは大口割引対応カード

ETCコーポレートカードは、高速情報協同組合やNEXCO(東日本・中日本・西日本)が共同で発行している法人向けETCカードです。

マイレージサービスはありませんが、休日・深夜割引や平日朝夕割引などのETC割引に加えて、大口・多頻度割引(ボリュームディスカウント)サービスがあります。

頻繁に利用される方や長距離利用の方は、法人ETCカードよりもお得に利用できます(毎月5,000円以上利用される方は、ETCコーポレートカードがお得です)。

ちなみに、ETCコーポレートカード車両限定となっているため、利用登録した車両以外では使えないのでご注意下さい(券面記載の車両ナンバーでのみ使用可)。

ETCコーポレートカードの特徴
  • 大口・多頻度割引が適用される
  • クレジット審査不要
  • 車両限定(利用登録した車両でしか使えない)

詳しくは別記事の「ETCコーポレートカードとは?【メリット・デメリットを徹底解説】」をどうぞ。

以上が法人ETCカードとETCコーポレートカードのそれぞれの特徴です。続いて、法人ETCカードとETCコーポレートカードの主な違いを紹介していきます。

法人ETCカードとETCコーポレートカードの違い3つ

法人ETCカードとETCコーポレートカードの主な違いは下記3つです。

  • カード発行コスト
  • 割引・還元率
  • ETCを使用できる車両

上記のとおり。

カード発行コスト

1つ目の違いはカード発行コストです。

法人ETCカードETCコーポレートカード
カード発行手数料クレジットカード会社:なし
協同組合:550円~880円
NEXCO:629円
高速情報協同組合:629円
年会費・取扱手数料クレジットカード会社:無料~550円
協同組合:550円~880円
NEXCO:629円
高速情報協同組合:629円
走行金額手数料クレジットカード会社:なし
協同組合:8%
NEXCO:無料
高速情報協同組合:無料
出資金・保証金クレジットカード会社:なし
協同組合:10,000円[脱退時返金]の出資金
NEXCO:平均利用月額の4か月分の保証金
高速情報協同組合:10,000円[脱退時返金]の出資金

法人ETCカードの発行コスト

法人ETCカードはクレジットカード会社と協同組合(高速情報協同組合、ETC協同組合)が発行していて、発行コストに下記違いがあります。

  • クレジットカード会社発行 → 年会費のみ(クレジットカードは有料でETCは無料、もしくは両カード無料のパターンあり)
  • 協同組合発行 → カード発行手数料、取扱手数料(毎年1回)、走行手数料(毎月8%)、出資金(脱退時返金)が必要

クレジットカード会社の法人ETCカードは、手数料無料で作れるのでコストは年会費だけです。

カード会社によっては年会費無料のカードもあるので、完全無料で作ることもできます。

詳しくは別記事の「年会費無料で作れる法人ETCカード6選【完全無料あり】」をどうぞ。

協同組合発行の法人ETCカードは、カード申し込み時に発行手数料や取扱手数料、出資金などが必要になります。

ETCコーポレートカードの発行コスト

ETCコーポレートカードはNEXCO(東日本・中日本・西日本)と高速情報協同組合が発行していて、カード発行手数料、年会費、走行金額は同じですが、カード作成時の出資金や保証金に違いがあります。

  • NEXCO → 平均利用月額の4か月分のデポジット(保証金)が必要
  • 高速情報協同組合 → 出資金10,000円(脱退時返金)

ETCコーポレートカードをNEXCOで作る場合、支払い保証が必要になります。平均利用月額の4か月分の保証金を支払うか、金融機関が発行した保証書のいずれかが必要になります。

例えば、毎月の利用額が5万円の場合、20万円の保証金が必要になります。

4カ月分の利用額が10万円以下の場合、最低額として10万円の保証金が必要です。

高速情報協同組合でETCコーポレートカードを作る場合、協同組合が支払い保証をするので、出資金だけでカードが作れます。

割引・還元率

2つ目の違いは割引や還元率の違いです。

法人ETCカードとETCコーポレートカードは、どちらもETC割引を利用できます。

  • 休日・深夜割引:30%OFF
  • 平日朝夕割引:50%OFF(法人ETCカードの一部は、平日朝夕割引を利用できません)

しかし、割引率や還元率が大きく異なります。

法人ETCカードETCコーポレートカード
割引・還元サービスETCマイレージサービス大口・多頻度割引制度
(ボリュームディスカウント)
割引・還元率10円につき1ポイント還元(※1)利用料の10~40%割引(※2)
  • 1 道路事業者がNEXCO(東日本・中日本・西日本)の場合、10円につき1ポイント還元となります。なお、ポイント還元率はカード発行会社によって異なる場合があります。
  • 2 利用料が5,000円未満の場合、割引は適用されません。

法人ETCカードの割引・還元率

法人ETCカードはETCマイレージサービスに対応しています(協同組合発行カードは1種類のみ対応)していて、走行金額の10円につき1ポイント還元されます。

還元されたポイントは、下表のとおり無料走行分と交換できます。

ポイントの交換単位還元額(無料走行分)
1,000ポイント500円分
3,000ポイント2,500円分
5,000ポイント5,000円分
道路を管理する団体により、ポイント加算・還元条件が異なります。
詳しくはETCマイレージサービス公式サイトでご確認下さい。

利用金額を問わずにポイントが貰えるので、利用頻度が少ない方におすすめです。

ETCコーポレートカードの割引・還元率

ETCコーポレートカードはマイレージサービスはありませんが、大口・多頻度割引制度に対応しているのが大きな特徴です。

大口・多頻度割引制度を利用できるのはETCコーポレートカードのみ。

1台の月額利用金額に応じて、最大40%の割引が適用されます。さらに、事業者全体の利用額が大きい場合、全体の利用金額の5~10%、割引が適用されます。

車両1台ごとの1か月の利用額還元額(無料走行分)
5,000円を超え、10,000円までの部分10%(20%)
10,000円を超え、30,000円までの部分20%(30%)
30,000円を超える部分30%(40%)
※( )内は、激変緩和措置として令和7年(2025年)3月末までの期間、
ETC2.0を使用する事業用車両に限り適用される割引率です。

1か月の利用額が5,000円以下の場合、割引はありません。

法人向けのETCカードの中で割引額が最も大きいので、毎月5,000円以上利用される方はETCコーポレートカードがおすすめです。

ETCを使用できる車両

3つ目の違いは車両限定の有無です。

法人ETCカードとETCコーポレートカードでは、利用可能な車両が異なります。

法人ETCカードETCコーポレートカード
車両限定なし(自家用車、レンタカー、カーシェアなど、登録車両以外の車でも利用できる)あり(使えるのは登録車両のみ)

法人ETCカードは登録車両以外でも自由に利用できますが、ETCコーポレートカードは登録車両のみとなっています。

以上が法人ETCカードとETCコーポレートカードの違いとなります。続いて、両カードの違いをまとめた比較表を紹介していきます。

法人ETCカードとETCコーポレートカード比較表

法人ETCカードとETCコーポレートカードの違いを下表のとおり比較してまとめました。

スクロールできます
法人ETCカードETCコーポレートカード
申し込み窓口クレジットカード会社
協同組合
NEXCO
高速情報協同組合
利用可能なETC割引休日・深夜割引[30%OFF]
平日朝夕割[50%OFF]
休日・深夜割引[30%OFF]
平日朝夕割引[50%OFF]
大口・多頻度割引適用なし適用あり
ETCマイレージ対象
[対象外のカードあり]
対象外
割引が適用される利用額利用額を問わずポイントが貯まる登録車両の1か月の利用額が5,000円以下の場合、割引が適用されない
カード発行手数料クレジットカード会社:無料~1,000円程度
協同組合:550円~880円
629円
年会費・取扱手数料クレジットカード会社:無料~550円
協同組合:550円~880円
629円
走行金額手数料クレジットカード会社:なし
協同組合:8%
なし
出資金カード会社:なし
協同組合:10,000円[脱退時返金]
NEXCO:平均利用月額の4か月分
協同組合:10,000円[脱退時返金]
クレジット審査クレジットカード会社:あり
協同組合:なし
なし

発行手数料や年会費は、申し込みを行うクレジットカード会社・協同組合により異なりますので、申し込み時にご確認ください。

以上、法人ETCカードとETCコーポレートカードの比較表でした。続いて最後に、法人ETCカードとETCコーポレートカードはどっちがおすすめなのかを解説していきます。

法人ETCカードとETCコーポレートカードはどっちがおすすめ?

法人ETCカードとETCコーポレートカード、どちらでカードを作るべきかお悩みの方向けに、おすすめなカードをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

法人ETCカードがおすすめな方

下記項目に該当する方は、法人ETCカードがおすすめです。

  • 毎月の利用料が5,000円以下の方
  • たまにしか高速道路を利用しない方
  • 利用車両に縛られず、自家用車やレンタカー・カーシェアでETCを利用したい方

法人ETCカードはETCマイレージサービスが利用できるので、利用頻度が低くてもお得に利用できます。

また、車両限定ではないため、社用車だけでなく、自家用車や社員の車、レンタカー・カーシェアでも使えるので、汎用性が高いです。

毎月の利用料が5,000円以下の方は、法人ETCカードがおすすめです。

ETCコーポレートカードがおすすめな方

下記項目に該当する方は、ETCコーポレートカードがおすすめです。

  • 毎月5,000円以上、高速道路を利用される方
  • 高速道路での利用が多い事業者(運送会社・建設・建築会社など)

ETCコーポレートカードはマイレージサービスがない代わりに、大口・多頻度割引が適用されます。

例えば、毎月5万円近く高速道路を利用している場合、ETCコーポレートカードに切り替えるだけで2万円の割引が適用されます。

高速道路の利用頻度が高い方や長距離利用が多い方は、ETCコーポレートカードがおすすめです。

まとめ

以上、法人ETCカードとETCコーポレートカードの違いを解説しました。

おわり。

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