資金調達
カード選び
法人・個人事業主向けETCカードのおすすめを知りたいです。
ETCカードの種類や選び方のポイントがあれば詳しく教えて欲しい。
本記事では、こういった疑問・要望にお答えします。
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、法人や個人事業主向けに審査なしでETCカードを作る方法を解説していきます。
ちなみに、法人・個人事業主向けのETCカードは3種類あります。
法人カードの附帯サービスとして追加発行されるETCカードの他に、クレジット機能がないNEXCOや協同組合発行のETCカードなどがあり、それぞれ申し込み窓口は異なります。
各ETCカードの概要は下表のとおりです。
申し込み窓口 | ETCカードの年会費 | クレジット機能 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
法人カード附帯のETCカード | クレジットカード会社 | 年会費無料〜1,000円程度 | あり | ETCマイレージと別でカードのポイントが貯まる 法人カードの年会費がかかる場合がある |
ETCコーポレートカード | NEXCO 協同組合 | 629円 | なし | 大口・多頻度割引対応 NEXCO発行カードは支払い保証が必要 協同組合発行のカードは出資金1万円(※1)が必要 |
法人ETCカード | 高速道路6社 協同組合 | 550円~880円 | なし | 高速道路6社発行カードは申し込み時に平均利用月額の4か月分の保証金が必要 協同組合発行カードは申し込み時に出資金1万円(※1)が必要 |
本記事では、ETCカードの種類や選び方のポイント、おすすめなETCカードを紹介していきますので、法人・個人事業主向けのETCカードをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
それでは、最初に、ETCカードの種類から解説していきます。
法人・個人事業主用のETCカードは下記3種類あります。
上記の順に解説していきます。
法人カード付帯のETCカードとは、法人カード(法人専用クレジットカード)の付帯サービスで発行されるETC専用カードです。
法人カード申し込み時にクレジット審査があり、審査に通るとETC専用カードを申し込めるようになります。
ETC専用カードを扱っている法人カードをすでにお持ちであれば、クレジットカード会社に申し込めばカードを発行してくれます。
法人カード附帯のETCカードの特徴は下記のとおり。
クレジット機能があるため、審査落ちするとETCカードが作れないというデメリットはあるものの、
年会費無料でカードを作れたり、ETCマイレージサービスとは別に法人カードのポイントが貯まるので、高速道路をお得に利用できます。
ポイントの他に法人カード附帯サービスも利用できます。
カードの種類も多いので、選択肢が豊富です。
法人カード付帯のETCカードのメリット・デメリットは下表のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
ETCマイレージサービスを利用できる 法人カードのポイントが貯まる 経費の支払いを1つのカードにまとめられる 目的に合わせてカードを選べる | クレジット審査がある 法人カードの年会費が高額なものがある |
ETCコーポレートカードは、NEXCO(東日本・中日本・西日本)や高速情報協同組合が発行している、高速道路の利用が多い法人・個人事業主向けのETCカードです。
クレジット機能はついていませんが、「大口・多頻度割引制度」により、最大40%の割引が適用されるのが大きな特徴です。
車両限定なのでカード券面に記載された車両ナンバーの車両でしか利用できませんが、希望枚数申し込めるため、長距離利用・保有車両が多い法人・個人事業主向けのETCカードです。
ETCコーポレートカードの特徴は下記のとおり。
クレジット機能がないため、新設法人や開業して間もない個人事業主でもカードを作れます。
ちなみに、ETCコーポレートカードはNEXCOと高速情報協同組合のどちらかで申し込むことになりますが、おすすめは高速情報協同組合です。
理由は、NEXCOでカード作る場合、申し込み時に下記いずれかの支払い保証が必要になるからです。
金融機関から融資を受けていて、長年の付き合いがあれば保証書を発行してもらいやすいですが、そうでなければ平均利用月額の4か月分の保証金が必要です。
毎月の高速道路の利用額が5万円であれば、4か月分の20万円を申込み時に用意する必要があります。
平均利用月額の4か月分の利用額が10万円以下の場合、最低額として10万円の保証金が必要になります。
一方の高速情報協同組合であれば、組合が支払い保証をしてくれるため、出資金1万円(脱退時返金)で済みます。カード発行の難易度がNEXCOと比べて低いので、出費を抑えたい方は高速情報協同組合のETCコーポレートカードがおすすめです。
ETCコーポレートカードのメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
クレジット審査がないので、新設法人や開業間もない個人事業主でもカードを作れる ボリュームディスカウント対応(大口・多頻度割引) 複数枚カードを作れる | 保証金や出資金が必要 カード発行手数料や年会費がかかる 車両限定(利用できるのは登録車両のみ) 申し込みの必要書類が多い |
詳しくは別記事の「法人・個人事業主がETCカードを審査なしで作る方法」をどうぞ。
法人ETCカードとは、協同組合(高速情報協同組合・ETC協同組合)が発行するクレジット機能なしの法人用ETCカードです。
申し込み時に出資金1万円(脱退時返金)が必要になりますが、クレジット審査なしで法人ETCカードを作れます。
ETCマイレージサービスのポイントでお得に利用できるほか、車両限定ではないため個人の車両やレンタカー・カーシェアなどでも使えます。
メリットの多い法人ETCカードですが、協同組合発行の法人ETCカードは走行料金に対して8%の事務手数料がかかります。したがって、ポイントを貯めてお得に利用したい方よりも、審査なしで気軽に発行したい方に向いています。
法人ETCカードの特徴は下記のとおりです。
法人ETCカードのメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
クレジット審査がないので、新設法人や開業間もない個人事業主でもカードを作れる ETCマイレージサービスを利用できる | 年会費やカード発行手数料がかかる 走行料金に対して事務手数料がかかる 申し込みの必要書類が多い |
以上が法人・個人事業主用のETCカードの種類となります。続いて、カード選びのポイントを解説していきます。
法人・個人事業主用のETCカード選びのポイントは下記5つです。
上記のとおり。
ETCカードは年会費無料・有料の2種類あります。
高速道路の利用頻度が極端に低い方は年会費が無駄になるので、法人カード附帯のETCカードを選んだ方だお得です。
一方で、高速道路の利用頻度が高い方は、年会費を負担してでもETCコーポレートカードを利用した方が圧倒的にお得です。
法人カードを作るのが難しく、高速道路を定期的に利用される方は、年会費を払ってでも法人ETCカードを作った方がお得です。
ETCカードによってポイント還元率は異なります。
法人カード付帯のETCカードは、クレジットカードのポイントとETCマイレージサービスのポイントがダブルで貯まるため、トータルのポイント還元率は最も高いです。
法人ETCカードはマイレージサービスのポイントのみの付与となるため、ポイント還元率は低いです。
ETCコーポレートカードはETCマイレージサービス非対応なのでポイント還元はありませんが、ポイント還元の代わりに「大口・多頻度割引」に対応しているため、毎月3万円以上高速道路を利用する場合、最もお得に利用できます。
ETCカードの申し込み先によって、発行可能枚数は異なります。
基本的にどのカードを選んでも複数枚申し込めますが、審査の難易度が違います。
したがって、選び方としては下記のとおりとなります。
複数枚必要な方は、平均利用月額を考慮したうえで選ぶといいですよ。
高速道路の利用状況に応じてカードを選びます。
高速道路の利用頻度が高い方や長距離が多く、毎月の利用額が3万円を超える場合、大口・多頻度割引があるETCコーポレートカードを選ぶといいでしょう。
利用頻度がそこまで高くなければ、法人カード附帯のETCカードか、法人ETCカードでOKです。
法人用のETCカードには、クレジット審査あり・なしの2種類あります。
新設法人や開業間もない個人事業主や、業歴は長いけどクレジット審査に不安がある場合、審査なしのカードを選ぶといいでしょう。
以上がカード選びのポイントとなります。続いて、おすすめのETCカードをニーズ別に紹介していきます。まずは年会費無料のETCカードから。
年会費無料の法人・個人事業主向けETCカードのおすすめは下記2つです。
上記のとおり。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、年会費永年無料の法人カードです。ETCカードを年会費無料で5枚まで発行できます。
公式サイト セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
カード名 | セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 無料/無料 |
ポイント還元率 | 0.5% |
国際ブランド | American Express |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行可能枚数 | 5枚まで(全て無料) |
公式サイト セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード)は、年会費永年無料の法人カードです。ETCカードを年会費無料で1枚発行できます(追加発行は本カードの追加が必要)。
公式サイト ライフカードビジネスライトプラス
カード名 | ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード) |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 無料/無料 |
ポイント還元率 | 0.5% |
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行可能枚数 | 1枚(法人カードを追加発行すると、ETCカードを追加可能) |
公式サイト ライフカードビジネスライトプラス
以上が年会費無料の法人・個人事業者向けのETCカードです。続いて、ポイント還元率が高いETCカードを紹介していきます。
ポイント還元率が高い法人・個人事業主向けETCカードは下記3つです。
上記のとおり。
JCBビジネスプラス法人カード(一般)は、利用額の最大3%キャッシュバックされる高還元率の法人カードです。オンライン入会なら、初年度年会費無料で作れます。
公式サイト JCBビジネスプラス法人カード
カード名 | JCBビジネスプラス法人カード(一般) |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 1,375円/1,375円(オンライン入会で初年度年会費無料) |
キャッシュバック還元率 | 0.5%~3.0% |
国際ブランド | JCB |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行可能枚数 | 希望枚数(要審査) |
公式サイト JCBビジネスプラス法人カード
オリコEX Gold for Biz Mは、利用額の最大1.1%のポイントが貰える高還元率の法人カードです。常時0.6%のポイントに加えて、年間200万円以上カードを利用すると、翌年のポイント還元率は1.1%になります。
個人事業主の方向けに「EX Gold for Biz S」というカードが用意されていますが、ポイント還元や利用可能枠などのスペックは同じです(ETCカードは1枚のみ)。
公式サイト オリコEX Gold for Biz M
ETCカードを複数作る場合、メンバーカードを追加してから申し込むことになります(オリコはクレジットカード1枚につき、発行できるETCカードは1枚までとなっています)。
カード名 | オリコEX Gold for Biz M / EX Gold for Biz M(個人事業主用) |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者 |
年会費(初年度/2年目以降) | 無料/2,200円 |
ポイント還元率 | 0.6%~1.1% |
国際ブランド | Visa、Mastercard |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行可能枚数 | 1枚(3枚追加可能:要追加メンバーカード) |
公式サイト オリコEX Gold for Biz M
三井住友カード ビジネスオーナーズは、通常、利用額の0.5%ポイント還元ですが、個人向けの三井住友カードとの2枚持ちで最大1.5%還元される法人カードです。年会費は永年無料です。
公式サイト 三井住友カード ビジネスオーナーズ
カード名 | 三井住友カード ビジネスオーナーズ |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 無料/無料 |
ポイント還元率 | 0.5%~1.5% |
国際ブランド | Visa、Mastercard |
ETCカード年会費 | 無料(前年度に一度も利用がないと、年会費550円) |
ETCカード発行可能枚数 | 1枚(19枚追加可能:要追加法人カード) |
公式サイト 三井住友カード ビジネスオーナーズ
以上が法人・個人事業主向けのETCカードです。続いて、複数枚作れるETCカードを紹介していきます。
複数枚作れる法人・個人事業主向けETCカードは下記3つです。
上記のとおり
JCB法人カードは、ETCカード(ETCスルーカードN)の発行可能枚数が無制限の法人カードです。しかも、ETCカードの年会費無料は無料です。
ETCスルーカードNは年会費無料ですが、JCB法人カードは年会費がかかります。
公式サイト JCB一般法人カード
カード名 | JCB法人カード(一般) |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 1,375円(オンライン入会で初年度無料)/1,375円 |
ポイント還元率 | 0.5%~0.75% |
国際ブランド | JCB |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行可能枚数 | 希望枚数(所定の審査で希望枚数を発行できない場合あり) |
公式サイト JCB一般法人カード
freee Mastercardワイドゴールドは、ETCカードを最大999枚まで発行できる法人カードです。
公式サイト freee Mastercardワイドゴールド
会計ソフト「freee」のディスカウントクーポンや、オフィス家具の割引購入などのオリジナル特典に加えて、空港ラウンジサービスも利用できます。
カード名 | freee Mastercardワイドゴールド |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 無料/2,200円 |
ポイント還元率 | 0.30%~0.60% |
国際ブランド | Mastercard |
ETCカード年会費 | 無料 |
ETCカード発行可能枚数 | 最大999枚 |
公式サイト freee Mastercardワイドゴールド
楽天ビジネスカードは、入会時に9枚までの法人ETCカードを申し込める法人・個人事業主向けの法人カードです。10枚目以降は楽天カード到着時に会員専用オンラインサービス「楽天e-NAVI」から申し込めます。
公式サイト 楽天ビジネスカード
楽天ビジネスカードは「楽天プレミアムカード
ポイント還元率が高く、国内の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティ・パスに無料で登録できます。
カード名 | 楽天ビジネスカード |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
年会費(初年度/2年目以降) | 2,200円/ 2,200円 |
ポイント還元率 | 1.0%(楽天のサービスでカードを利用するとポイント3倍以上) |
国際ブランド | VISA |
ETCカード年会費 | 無料(2枚目以降は年会費550円) |
ETCカード発行可能枚数 | 希望枚数 |
公式サイト 楽天ビジネスカード
以上が複数枚作れる法人・個人事業主向けETCカードです。続いて、高速利用が多い法人・個人事業主向けETCカードを紹介していきます。
高速利用が多い法人・個人事業主向けETCカードは下記1つです。
上記のとおり。
ETCコーポレートカードは、「大口・多頻度割引制度」対応の法人向けのETCカードです。通常のETC割引(休日・深夜割引、平日朝夕割引)に加えて、月ごとの利用料が3万円を超えるとさらに割引されます(最大40%割引)。
NEXCO(東日本・中日本・西日本)、もしくは高速情報協同組合で申し込めます。
公式サイト 高速道路の大口・多頻度割引 | ドラぷら(NEXCO東日本)
公式サイト
カード名 | ETCコーポレートカード |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
カード発行手数料 | 629円/629円 |
年会費(初年度/2年目以降) | 629円/629円 |
ETCカード発行可能枚数 | 希望枚数 |
保証金・出資金 | 平均利用月額の4か月分 / 10,000円 |
詳しくは下記記事をどうぞ。
以上が高速利用が多い法人・個人事業主向けETCカードです。続いて、クレジット審査なしの法人・個人事業主向けETCカードを紹介していきます。
クレジット審査がない法人・個人事業主向けETCカードは下記3つです。
上記のとおり。
ETCパーソナルカードは、高速道路6社が発行するETCカードです。審査なしで誰でもETCカードが作れます。
公式サイト ETCパーソナルカード
申し込み時に平均利用月額の4か月分の保証金(デポジット)が必要になりますが、ETC割引(休日・深夜割引、平日朝夕割引)に加えて、ETCマイレージサービスを利用できます。
カード名 | ETCパーソナルカード |
---|---|
申し込み対象 | 法人代表者、個人事業主 |
カード発行手数料 | なし |
年会費(初年度/2年目以降) | 1,257円/1,257円 |
ETCカード発行可能枚数 | 1枚 |
保証金 | 平均利用月額の4か月分(最低3,000円) |
高速情報協同組合発行のETCカードは、クレジット機能なしで作れる法人ETCカードです。3種類のカードから選べます(スペックは同じ)。
公式サイト 高速情報協同組合
カードブランド | UC | セディナ [グリーン] | セディナ [ブラック] |
---|---|---|---|
カード発行手数料 | 550円 | ||
年会費 | 550円 | ||
走行金額手数料 | 8% | ||
出資金[脱退時返金] | 1万円 | ||
公式サイト |
ETC協同組合発行のETCカードは、クレジット審査なしで作れる法人ETCカードです。カード発行手数料・年会費以外は高速情報協同組合の発行カードと変わりません(姉妹組合のため)。
公式サイト
高速情報協同組合とETC協同組合、どちらも法人カードと比べて審査条件は緩やかですが、ETC協同組合の方がさらに難易度は低めです(確実にETCカードを作りたい方は、こちらがおすすめです)。
カードブランド | UC |
---|---|
カード発行手数料 | 880円 |
年会費 | 880円 |
走行金額手数料 | 8% |
出資金[脱退時返金] | 1万円 |
公式サイト |
以上、法人・個人事業主におすすめなETCカード12選でした。
おわり。