事業譲渡で商号続用する時は「名板貸責任」で負債を引き継がないよう注意

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事業譲渡を検討しているけど、既存のお客様や取引先を混乱させないよう、なるべくなら商号を引き継ぎたいよ。

旧会社と同じ商号を使用すると、負債を引き継ぐ可能性があるみたいだけど、ホントにそんな事が起こるのかな?

トラブルは避けたいから詳しく知りたい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

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旧会社と同じ商号を使用すると負債を引き継ぐ可能性が高い

事業譲渡を検討しているお客様から以下のご要望を聞くことが少なくありません。

  • できれば商号をこのまま使用したい。
  • 長年、使用している商号を今更変更したくない。

地域に根ざして長年営業していれば、近隣のお客様や取引先から商号を覚えて貰えますから、商号を変えたくないという気持ちは非常に理解できます。

しかし、新会社を設立して旧会社の事業を新会社に事業譲渡するような際は、旧会社の商号を使う事は、あまりおすすめできません。

理由は、旧会社と同じ商号を使うと負債を引き継ぐ可能性があるからです。

旧会社の負債を引き継ぐ「名板貸責任」とは

事業譲渡を行う際、その事業の譲渡人(旧会社)の商号を継続して使用する場合、譲渡人(旧会社)の営業により生じた債務について譲受人(新会社)が責任を負う事を法律で定めています。

(自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任)
第十四条 自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。

出典:商法 第14条 | e-Gov法令検索

このことを「名板貸責任」と言います。

「名板貸し」は名義貸しや看板貸しとも呼ばれたりします。商号を第三者が使用して営業する事を許諾することを言います。

第三者に商号を勝手に使われても責任を負う

「名板貸責任」の責任の範囲は事業譲渡に限りません。

第三者に商号を勝手に使用されているのを放置しているだけでも、名板貸人の責任を法律では認めているのです。

旧会社の負債を引き継が無くて済む方法1つ

旧会社の商号を新会社が使用すると、名板貸責任を負う事となり、旧会社の負債を引き継いでしまう事を法律で認めていますが、回避する方法が下記1つだけあります。

  • 旧会社の負債を引き継がないよう「免責登記」をする

上記のとおりです。

旧会社の負債を引き継がないよう免責登記をする

旧会社の事業を新会社に譲渡し、旧会社と同じ商号を使用する場合、免責登記を行うことで旧会社の責任を追わないよう回避することができます。

(譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等)
第二十二条 事業を譲り受けた会社(以下この章において「譲受会社」という。)が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
2 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。

※3項4項は省略します

出典:会社法 第22条 | e-Gov法令検索

登記を怠ってしまうと旧会社の負債を引き継ぐ羽目になりますので、必ず登記するようにしましょう。

旧会社の商号を新会社で使う時の注意点1つ

最後に、旧会社の商号を使用する時の注意点を1つだけ紹介します。

  • 当事者同士で契約せず、弁護士にリーガルチェックを依頼する

上記のとおりです。

当事者同士で契約せず、弁護士にリーガルチェックを依頼する

事業譲渡契約書はネットに雛形がたくさんありますので、自分で作ろうと簡単に作成することができます。

そのため、弁護士や司法書士等といった専門家に契約書の内容を確認してもらわずに、当事者同士で作成した事業譲渡契約書で契約を進めようとするケースを見かけることがありますが、必ず弁護士にリーガルチェックを依頼するようにしましょう。

筆者の知り合いで、リーガルチェックを怠ってしまったために(弁護士・司法書士費用をケチった)名板貸し責任を追及され、負債を引き継ぐ羽目になってしまった。というケースを以下の記事で紹介しています。

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専門家のチェックがあれば、こうしたトラブルは未然に防ぐ事ができたと思いますが、トラブルが起こってしまったら後の祭りです。

こうしたトラブルを起こさないよう、必ずリーガルチェックを行うようにしましょう。

まとめ

以上、事業譲渡で商号を続用する時は「名板貸責任」で負債を引き継がないよう注意ということについて解説しました。

おわり。

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