資金調達
カード選び
ETCコーポレートカードに興味があります。
メリットやデメリット、割引率など詳しく知りたいです。
この記事では、こういった疑問・要望にお答えします。
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、法人・個人事業主向けにETCコーポレートカードの情報をまとめました。
ETCコーポレートカードは高速利用金額が増えれば増えるほど割引率が高くなる「大口・多頻度割引制度」に対応した、事業者専用のETCカードです。
最大40%の割引に加えて、利用額に応じて5~10%OFFになる割引特典があるため、高速道路を頻繁に利用している事業者がETCコーポレートカードを導入すると、大きなコスト削減効果を期待できます。
「高速道路を安く利用したい」、「コスト削減したい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ETCコーポレートカードはNEXCO(東日本・中日本・西日本)と高速情報協同組合が発行している、高速道路の利用が多い事業者向けのETCカードです。
最大の特徴は利用金額が増えれば割引も増える「大口・多頻度割引制度」に対応していることです。
通常のETC割引(休日・深夜割引、平日朝夕割引)に加えて、利用料がさらに割引されます。
月ごとの利用額が3万円を超えると最大30%の割引適用に加えて、「ETC2.0」の車載器使用の車両は40%割引が適用されます(40%割引は令和7年3月末まで)。
そのため、高速道路を頻繁に利用する事業者や、保有車両の多い事業者に特におすすめです。
コーポレートカード、法人ETCカード、どちらもETC割引(休日・深夜割引、平日朝夕割引)を受けられますが、主な違いは下記3つです。
特に大きなポイントは「割引・還元率」の違いです。
法人ETCカードは大口・多頻度割引が無い代わりにマイレージサービスを利用できます。
一方、ETCコーポレートカードはマイレージサービスを利用できない代わりに、大口・多頻度割引に対応しています。
法人ETCカード | ETCコーポレートカード | |
---|---|---|
割引・還元サービス | ETCマイレージサービス | 大口・多頻度割引制度 (ボリュームディスカウント) |
割引・還元率 | 10円につき1ポイント還元(※1) | 利用料の10~40%割引(※2) |
法人ETCカードはETCコーポレートカードと比べると割引率は低いので、毎月の利用額が2〜3万円以上の事業者は、ETCコーポレートカードを利用した方がお得です。
詳しくは別記事の「法人ETCカードとETCコーポレートカードの違い」をどうぞ。
以上がETCコーポレートカードの概要となります。続いて、ETCコーポレートカードのメリットを解説していきます。
ETCコーポレートカードのメリットは下記3つです。
上記のとおり。
ETCコーポレートカードは通常のETC割引(休日・深夜割引、平日朝夕割引)に加えて、「大口・多頻度割引制度」により、さらに最大40%の割引が適用されます。
「ETC2.0」の車載器を使用している場合、40%割引(令和7年3月末まで)が適用されます。
割引対象は1か月の利用額のうち5,000円を超えた分で、利用額が大きければ大きいほど割引率もアップします。
車両1台ごとの1か月の利用額 | 還元額(無料走行分) |
---|---|
5,000円超え、10,000円までの部分 | 10%(20%) |
10,000円超え、30,000円までの部分 | 20%(30%) |
30,000円を超える部分 | 30%(40%) |
上記の割引に加えて、1つの法人や事業者全体での利用額が大きい場合は、さらに5~10%オフになる契約単位割引が適用されます。
契約単位割引の詳細はNEXCO公式サイトの「高速道路の大口・多頻度割引 | ドラぷら(NEXCO東日本)」をご確認ください。
ETCコーポレートカードはクレジット機能がないため、クレジット審査なしで申し込めます。
新設法人や創業したばかりの個人事業主、黒字実績が少ない企業でも申し込めます。
クレジット機能付きのETCカードは申し込み時に返済能力をチェックされるため、会社の業績が悪かったり、代表者個人が利用しているクレジットカードの支払い状況が悪いと審査落ちすることがあります。
ETCコーポレートカードの場合、申し込み時にETC車載機搭載の有無や、車両制限令違反の有無など、クレジットカード会社とは審査の視点が異なるため、クレジット審査とは無関係です。
クレジットカード会社と比べて審査条件は緩やかです。
個人名義のETCカードや現金で利用料を払うと、立て替え精算や領収書の管理などの煩わしい業務が発生しますが、ETCコーポレートカードは高速利用料をまとめて支払えるため、経理作業の効率化を図れます。
毎月、利用明細書が発行されるので、利用状況を確認しやすいのも大きなメリットです(明細は車両単位で発行されます。詳しくは下記リンクをどうぞ)。
参考リンク ETCコーポレートカード利用明細書(サンプル)
ちなみに、NEXCOや協同組合から発行される請求書はインボイス対応です。
参考リンク 高速道路のご利用にかかる適格請求書等保存方式(インボイス制度)について
以上がETCコーポレートカードのメリットです。続いて、デメリットを紹介していきます。
ETCコーポレートカードのデメリットは下記3つです。
上記のとおり。
ETCコーポレートカードは、カード券面に記載された車両ナンバーの車両でしか利用できません(登録車両のみ)。
1枚のカードでETCを利用できるのは1車両のみ。
登録車両以外の車両で使用すると規約違反(車両不一致)になり、ペナルティの対象となります。
ペナルティを受けると、報告書の提出や講習会の参加といった軽度のものから、割引停止、全カード利用停止、退会勧告・違反企業として公表などといった厳しい罰則を受けるので要注意です。
個人の車両やレンタカー・カーシェアを使うことが多い事業者は利用車両が限定されない法人ETCカードがおすすめです。
ETCコーポレートカードの申し込み先によりますが、カードを作る時に保証金や出資金が必要になります。
NEXCOでETCコーポレートカードを作る場合、申し込み時に下記どちらかの支払い保証が必要になります。
金融機関から融資を受けていて、長年の付き合いがあれば保証書を発行してもらいやすいですが、そうでなければ平均利用月額の4か月分の保証金が必要です。
例えば、毎月の高速道路の利用額が5万円であれば、4か月分の20万円を申込み時に用意する必要があります。
平均利用月額の4か月分の利用額が10万円以下の場合、最低額として10万円の保証金が必要になります。
高速情報協同組合でETCコーポレートカードを申し込む場合、支払い保証は不要です。その代わり、出資金の10,000円(脱退時返金)が必要になります。
金融機関の代わりに組合が支払い保証を行ってくれます。
ETCコーポレートカードの割引が適用される高速道路はNEXCO管理の高速道路のみであり、それ以外の有料道路は割引対象外となります。
また、NEXCO管理の高速道路の全てが割引対象になる訳ではなく、割引対象となるのは全体の6割程度となっています。
普段利用している高速道路が割引対象かどうか、事前にご確認ください。
また、平日朝夕割引と大口・多頻度割引の適用関係によっては、走行距離が100km未満だと割引にならない場合があります。
普段どの区間をよく利用しているのか、こちらも事前に確認しておくといいですよ。
以上がETCコーポレートカードのデメリットとなります。続いて最後に、ETCコーポレートカードの申し込み方法を紹介していきます。
ETCコーポレートカードの申し込み方法は下記2つです。
上記のとおり。
NEXCOに直接申し込むことで、ETCコーポレートカードを作れます。
申し込み方法は下記のとおりです。
心配な方は直接電話してご確認ください。
ちなみに筆者は以前、義父の会社の手伝いで連絡したことがありますが、丁寧に教えてくれました。
なお、NEXCOに申し込む場合、下記いずれかの支払い保証が必要となります。
高速情報協同組合経由で申し込む場合、支払い保証不要で申し込めます。
申し込み時に出資金10,000円が必要になります(退会時返金)。
支払い保証が難しい方や手っ取り早く申し込みたい方は、高速情報協同組合に申し込むといいですよ。
少しでも興味がありましたら、下記リンク経由でまずは無料資料請求を申し込んで、詳細を確認してみてください。
公式サイト
以上、ETCコーポレートカードの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
ETCコーポレートカードは法人ETCカードと比べて割引率が大きいので、高速道路を頻繁に利用する事業者はETCコーポレートカードを導入すれば大きなコスト削減効果を期待できます。
申し込みに支払い保証が必要となりますが、高速情報協同組合経由であれば出資金だけで済みますので、高速道路を少しでもお得に利用したいとお考えであれば、ぜひ、ETCコーポレートカードを導入してみてください。