資金調達
カード選び
法人向けデビットカードのおすすめが知りたいです。
本記事では、こういった質問にお答えします。
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験をもとに、本記事では、法人や個人事業主向けに法人デビットカードの特徴やメリット・デメリット、おすすめな法人デビットカードを紹介していきます。
法人デビットカード選びの参考になれば幸いです。
最初に、法人デビットカードの概要から解説していきます。
法人デビットカードとは法人名義のデビットカードのことで、カード決済時に法人口座から利用金額が即時引き落とされる仕組みのカードです。
法人口座の残高の範囲内でカード支払いができます。
クレジットカードと違い、後払いはできませんが、法人デビットカードがあれば法人名義でカード支払いができますので、サービスの利用や事務用品の購入決済時に経費精算が楽になります。
法人デビットカードの特徴は下記のとおりです。
カード決済時、預金口座から即時引き落としされるため、資金繰りは良くないですが、クレジットカードと同じように支払いに使えるため、事業用と個人の支払いを分けて管理したい方におすすめです。
デビットカードとクレジットカードの違いは下表のとおりです。
項目 | デビットカード | クレジットカード |
---|---|---|
与信審査 | 基本的に無い | あり |
口座引き落とし | 利用時即時引き落とし | 1か月後に引き落とし |
分割払い | 不可 | 可能 |
ポイント還元率 | なし~1% | 0.5~1.5% |
附帯サービス | 少ない(ない場合もある) | 多い |
以上が法人デビットカードの概要となります。続いて、法人デビットカードのメリットを解説していきます。
法人デビットカードのメリットは下記4つです。
上記のとおり。
法人デビットカードはクレジットカードと同じように、カード決済対応の店舗やサービスで利用できます。
暗証番号の入力、サインの記入、タッチ決済など、クレジットカードと同じようように支払いに使えます。
法人デビットカードは預金口座残高の範囲内で利用時即時引き落としとなるため、与信審査を必要としません
後払い機能(クレジット)がないので与信審査はありません。
したがって、創業間もない事業者でも作れます。
法人デビットカードを利用することで、経費管理を効率的に行えます。
現金や個人名義のカードで経費を支払うと後々の経理処理や領収書の管理などの手間が発生しますが、会社の必要経費はデビットカードで払うと決めておけば、カードで支払った分は全て経費だと明確に分かるため、経費管理が楽です。
利用明細はネットでダウンロードできます。
また、ほとんどのデビットカードはクラウド会計との連携が可能なので、連携して勘定科目ごとに自動仕訳を処理できます。これにより、経理業務の効率化を図れます。
法人デビットカードの多くは、年会費や発行手数料でカードが作れます。
一部のカードは年会費がかかったり、ゴールドやプラチナカードを作ると年会費がかかりますが、普通ランクのカードであれば年会費・発行手数料無料でカードを作れる場合がほとんどです。
以上が法人デビットカードのメリットです。続いて、デメリットを解説していきます。
法人デビットカードのデメリットは下記4つです。
上記のとおり。
法人デビットカードは利用時に銀行口座から即時引き落としとなるため、資金繰りが悪いです。後払いできないため、現金払いと何ら変わりません。
クレジットカードのように後払いできないのが最大のデメリットです。
ATMで預金を下ろす手間は省けます。
法人デビットカードはクレジットカードと同じようにカード決済ができますが、一部のサービスや店舗で利用できない場合があります。
上記のように利用できないケースがありますので、万が一のためにクレジットカードや現金・電子マネーなどを用意しておく必要があります。
デビットカードは分割払いができず、一括払いでしか利用できません。
ネットショップなどの決済方法の選択欄に「分割払い」の選択肢があっても、デビットカードは分割できません(エラーが表示されます)。
デビットカードで利用できる支払い回数は一括払いに限られます。
法人クレジットカードは国際ブランドを選べるカードが多く、目的に合わせて選べます。
一方、法人デビットカードは「VISAのみ」、「JCBのみ」などのように国際ブランドが決まっているものがあるため、自分で選択できない場合が少なくありません。
カードによっては、VISA、Mastercardのどちらかを選択できますが、数は少ないです。クレジットカードと比べると自由度は低いです。
以上が法人デビットカードのデメリットとなります。続いて、法人デビットカードのおすすめを紹介していきます。
法人デビットカードのおすすめは下記4つです。
上記のとおり。
GMOあおぞらネット銀行が発行しているビジネスデビットカードです。年会費無料でカードを作れます。利用額の1%がキャッシュバック(※一部の利用先を除く)されるため、利用するほどお得になります。
公式サイト GMOあおぞらネット銀行
デビットカードの支払いを利息・利用手数料0円で翌月に後払いできる「後払いオプション」も用意されていて、デビットカードでありながらクレジットカードのように利用することも可能です。
後払い利用枠は、別途GMOあおぞらネット銀行 あんしんワイドを申し込むことで利用可否・利用枠が決定します。
年会費 | 無料 |
---|---|
国際ブランド | VISA、Mastercard |
発行可能枚数 | 最大20枚(※1) |
キャッシュバック | 1% |
\ 最短当日でデビット機能が使える! /
住信SBIネット銀行のデビットカードです。年会費無料でカードを作れます。デビットカードでは珍しくポイント還元(最大0.8%)があります。貯まったポイントは現金に交換できます。
公式サイト 住信SBIネット銀行
法人口座開設時のデビットカードはMastercard(デビット付キャッシュカード)が発行されますが、口座開設完了後、VISAデビットに変更可能です。
年会費 | 無料 |
---|---|
国際ブランド | Mastercard、VISA |
発行可能枚数 | 1枚 |
ポイント還元率 | Mastercard(0.8%)、VISA(0.6%) |
\ 年会費無料!最大0.8%のポイント還元! /
楽天銀行が発行している法人デビットカードです。年会費がかかりますが、1口座につき最大9,999枚まで発行できます。
公式サイト 楽天銀行ビジネスデビットカード
キャッシュカード機能がなく、盗難保険がないというデメリットはありますが、利用額の1%がキャッシュバックされるため、お得に利用できます。
年会費 | 1,100円(税込) |
---|---|
国際ブランド | JCB |
発行可能枚数 | 9,999枚 |
キャッシュバック | 1% |
\ 最大1%のポイント還元! /
PayPay銀行が発行している法人デビットカードです。年会費無料でカードを作れます。
公式サイト PayPay銀行(ビジネスアカウント)
キャッシュバックはありませんが、VISAビジネスオファーを利用できます。
年会費 | 無料 |
---|---|
国際ブランド | VISA |
発行可能枚数 | 1枚 |
キャッシュバック | なし 翌月払いを利用すると0.5%現金還元 |
\ 年会費無料!翌月払い対応! /
以上、法人デビットカードおすすめ4選でした。続いて最後に、法人デビットカードを作る時のよくある質問とその答えを解説していきます。
法人デビットカードを作る時のよくある質問とその答えは下記のとおりです。
上記のとおり。
大手キャリア(ドコモ、au、Softbank)であれば、デビットカード決済に対応しています。
格安Simはデビットカード決済に対応していないサービスがあります。
加盟店であれば利用できます。
クレジットカードであれば料金所の一般レーンで利用できますが、デビットカードは利用できません。
法人クレジットカード、もしくは法人用のETCカードを作ることをおすすめします。
以上、法人デビットカードの特徴やメリット・デメリット、おすすめカードを紹介しました。
法人デビットカードは与信審査がないので作るのが簡単ですが、クレジットカードのように後払いできないため(利用時即時引き落とし)、資金繰りが悪いという大きなデメリットがあります。
とはいえ、法人デビットカードがあれば現金を持ち歩かなくて済みますし、事業用の備品購入は法人デビットカード、個人の飲食代は個人のクレジットカードというように、経費管理が楽になります。
複数枚発行して社員に持たせれば、立替払いなどの経理処理が無くなります。
1枚でも持っておくと便利なので、ぜひこの機会に法人デビットカードを作ってみてください。