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銀行にリスケジュールを依頼したら「他行さんとの兼ね合いもあるのでバンクミーティングしたい」と言われたよ。
バンクミーティングとかいきなり言われても具体的に何する場なのかよく分からないし、バンクミーティングを行うメリットとデメリットが分からないから詳しく知りたい。
この記事では、こういった疑問にお答えします。
バンクミーティングとは、取引銀行の担当者が同じ場所に集まって、融資先企業の今後の対応について意見交換を行う事を言います。
銀行にリスケジュールを依頼すると、以下のようにリスケジュールを応諾する条件を出される事が多々あります。
融資を受けている銀行が一行だけなら、その一行と交渉すればいいだけなので、話はシンプルですが、複数の銀行から融資を受けていると状況は一変します。
残債の多い少ない、保証付かプロパーか、手形貸付の有無、銀行の規模など、様々な要因によってリスケジュールの条件を出される事があります。
このような状況になってしまうと、リスケジュールの話がうまくまとまらず、刻々と時間だけが過ぎてしまい、その間、約定返済の引き落としがかかってしまうという悲しい事態に陥ってしまいます。
複数の銀行と取引していると、リスケジュールを依頼した際にこうした不協和音が出てくる事があるのです。
このような時、バンクミーティングを行うことで、各銀行毎の意見や方向性を出してもらい、メインバンクが各行の意見を汲み取りながらリスケジュールの方針を示すことで、各行の足並みを揃えやすくなるという効果を期待できます。
基本的に銀行の担当者が出席しますが、マル保融資を受けていれば保証協会の担当者も参加します。
ちなみに、バンクミーティングの詳しい流れについては、以下の本に詳しく記載されていますので、どのような流れになるのか詳しく知りたい方は、是非参考にして下さい。
融資を受けている企業からみたバンクミーティングを行うメリットは下記1つです。
上記のとおりです。
本記事の冒頭でも解説したとおり、バンクミーティングは複数の銀行の担当者が一つの場所に集まって、リスケジュールの方針について意見交換を行いますので、リスケジュールの説明をする手間が一回で済むというメリットがあります。
例えば、5つの銀行から融資を受けていれば、5つの銀行に訪問して、個別に相談する事になります。
借入残高が少ないと電話で済む場合が殆どです(後数回で返済が終わる等)。
電話一本でリスケジュールしてくれるのであれば、話は簡単なのですが、数年前と比較してリスケジュールは簡単になったとはいえ、そこまで簡単ではありません。
基本的には、上記の流れを銀行毎に行う必要があるのですが、バンクミーティングを行う事で、全ての取引行の面談・協議を1ヶ所でまとめる事ができます。
バンクミーティングを行うデメリットは下記2つです。
上記のとおりです。
複数の銀行が1つの場所に集まることになるので、日程調整が難しいです。取引行が増えれば増える程、スケジュール調整は難航します。
一行取引であれば、スケジュールを合わせる相手は担当者と上役のせいぜい2人程度ぐらいですし、こちらから銀行に訪問すると伝えれば、比較的簡単に日程調整できると思います。
借入残高が多いと支店長や副支店長が同席する事があり、少しだけスケジュール調整が難しくなることはあります(と言っても、数日~1週間程度の話ですが)。
こちらから訪問することで担当者も移動する手間が省けますから、仕事の合間に面談してもらいやすいです。
しかし、担当者がバンクミーティングのために外出するとなると話は変わります。
移動時間とミーティングの時間を割く必要が出てくるため、スケジュール調整の難易度が一気に上がります。
2行ぐらいからスケジュール調整は難しくなり、4行、5行と取引行が増えるとスケジュール調整はとてつもなく難航します。
例えば、3つの銀行から融資を受けていて、メインバンク主導でバンクミーティングの開催要請があった場合。
月初に各銀行に対し、「今月、参加可能なスケジュールの候補を3つ提出して頂きたい」と要請した際、各行、全くスケジュールが合わないという事はよく起こります。
上記を見て頂ければ分かる通り、関係者全員のスケジュールが合う日は1つもありません。
「今月はスケジュール調整ができないから、来月の頭にしましょう」なんて事も良く起こります。
複数行と取引している方は、スケジュール調整が簡単ではないという事に注意しましょう。
複数の銀行が一同に会すと、以下のようにリスケジュール応諾の条件(要望)が各銀行、個別に出てくるため、話がうまくまとまらない時があります。
また、条件面以外にも、以下の要因で話が難航する場合があります。
バンクミーティングを行うからといって、必ずしも話がまとまる訳では無いということを覚えておきましょう。
以上、バンクミーティングの特徴やメリット、デメリットについて解説しました。
おわり。