銀行融資をリスケジュールするメリット・デメリットを解説【基礎知識】

銀行に新規融資を依頼したら「これ以上の融資はできない」と断られたよ。このまま約定返済を続けるのは不可能だから、リスケジュールを検討しているよ。

リスケジュールすると「元本返済は猶予されるけど、今後の新規借入が難しくなる」ということぐらいは理解しているけど、他にメリットやデメリットがあれば詳しく知りたい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

銀行融資をリスケジュールするメリット3つ

銀行融資をリスケジュールするメリットは下記3つあります。

  • 元本返済が猶予されるので資金繰りが改善される
  • 倒産リスクが下がる
  • 延滞扱いにならない

上記のとおりです。

元本返済が猶予されるので資金繰りが改善される

リスケジュールすると元本返済が一定期間猶予されますので、資金繰りは改善します。

例えば、毎月の元本返済が100万円だった場合、1年間返済を猶予してもらえれば、1,200万円のキャッシュアウトを防ぐ事ができます。

  • 100万円(元本返済) × 12カ月(1年間) = 1,200万円

1,200万円のキャッシュアウトを防いだという事は、資金繰り的には1,200万円の融資を受けたことと同じ効果がありますので、資金繰りは改善します。

リスケジュールの期間

元本返済が猶予される期間は「半年 or 1年」のいずれかが殆どで、どれぐらいの期間を設定されるかは金融機関次第となります。

ちなみに、リスケジュール終了が近づいてくると、銀行からリスケジュールを延長(更新)するか、元本返済を若干増やすか、リスケジュール自体を終了させるか、銀行と協議することになります。

倒産リスクが下がる

リスケジュールすると元本返済が猶予され、借入金の返済負担が無くなるので倒産リスクが下がります。

例えば、経常収支がトントンの企業が毎月100万円の元本返済を行う場合、損益計算書上は収支がトントンでも、毎月、100万円の現金がキャッシュアウトすることになります。

このような状態になると、事業を続ければ続ける程資金が出ていくので、いずれは現預金が尽きてしまい、倒産してしまいます。

しかし、元本返済が猶予されれば、経常収支がトントンであればキャッシュが減る事はありませんので、赤字にならない限り倒産する事はありません。

延滞扱いにならない

単純に返済を止めてしまうと「延滞」扱いとなり、90日以上延滞が続くと期限の利益を喪失し、銀行取引停止となり、既存の借入金は一括返済を要求されます。

しかし、リスケジュールは「延滞」ではなく、銀行に了承を得て返済を止める訳ですから、「延滞」扱いにはなりません。

銀行融資をリスケジュールするデメリット2つ

銀行融資をリスケジュールするデメリットは下記2つです。

  • リスケジュールすると新規融資が難しくなる
  • リスケジュール交渉時の経営者の負担が大きい

上記のとおりです。

リスケジュールすると新規融資が難しくなる

銀行融資をリスケジュールすると基本的に新規融資は難しくなります(リスケジュール期間が終了し、1年近く返済実績を作ればまた借りれるようになります)。

とはいえ、全く借りれなくなる訳ではありません。

リスケジュール中でも以下のような方法で融資を受けることができるケースがあります。

ABL(動産担保融資)は、売掛金を担保にする「売掛金担保融資」と、在庫を担保にする「在庫担保融資」の2通りの方法があります。

詳しくは以下の記事をどうぞ。

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また、銀行ではなくノンバンクであればリスケジュール中でも資金調達することが可能ですので、リスケジュール期間中、どうしても資金が足りないような時は、ノンバンクの利用を検討しましょう。

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リスケジュール交渉時の経営者の負担が大きい

銀行とリスケジュール交渉を行う際、経営者の方は以下の負担が増えます。

  • 取引銀行にリスケジュールを依頼する(銀行への連絡)
  • 経営改善計画を作成する
  • 経営改善計画の内容を銀行に説明する(全取引行)
  • 経営改善計画に記載している内容を実行する
  • 進捗状況を取引行に連絡する

資金繰り表は経理に依頼すれば作成してくれると思いますが、経営改善計画の内容は経営者が考える事です。

また、リスケジュール交渉は基本的に経営者が行う事になりますので、通常業務に加えてこうした実務的な負担が増えることになります。

精神的な負担が増えることもある

実務的な負担の他に、以下のような精神的な負担も増えます。

  • 銀行に謝罪するストレス
  • 第三者に知られないよう、情報を制限するストレス
  • 経営改善を行い、会社を立て直さなければならないというプレッシャーによるストレス

リスケジュールによってこうした精神的な負担が増えてしまうことも、リスケジュールのデメリットといえます。

まとめ

以上、銀行融資をリスケジュールするメリットとデメリットについて解説しました。

おわり。

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