弊社は2009年から「破産・倒産を回避する」という事を大前提でコンサルティング活動を続けてきました。手前味噌ではありますが、専門家・支援機関に相談に行かれ「破産・倒産しかない」と言われた方に対しても破産・倒産を回避する道筋を示してきました。
しかし、2015年の頭ぐらいから、少しづつ、この考え方に若干疑問を持つようになりました。
破産・倒産を回避するという事に対する疑問
疑問を持つきっかけとなったのは、ちょうどこの頃、
- 何年か前に面談相談のご依頼を頂いた方、
- マニュアルをご購入いただいた方、
- ブログの記事をきっかけに自力で倒産回避した方
等から、立て続けにご相談依頼を頂きお話をさせて頂いたのがきっかけです。
ご相談者様の状況は基本的に
- 元本ゼロ、利息のみのリスケジュールを何年も続けている
- 代位弁済し、保証協会サービサーに返済を続けている
というように、銀行取引が不可能な状況で経営継続してきた方が殆どです。
面談相談の中で、直近の対応策、中長期的な対応策などをご提案するのですが、お話の最後の方になると、ご相談者さまの殆どが、
「このまま負債を抱えていても、いつかは返済、若しくはどこかの時点で整理が必要と考えている。今の状態(負債を抱えたまま)で会社を親族に継がせる訳には行かない。もちろん、第二会社という考え方もあるが、親族は事業継続に必ずしも賛成している訳では無い。なので、自分の代で終わらせようと考えている。ただ、社員の事を考えると決断できない。」
というご相談が重複するようになりました。
選択肢が残っているうちに整理することが出来れば承継もスムーズに
こういったお話を何回か聞いているうちに、選択肢が残っているうちに、うまく整理する事ができれば、スムーズに承継させる事もできる。
でも、破産・倒産回避にフォーカスしていると、タイミングを逃してしまう危険性もある。「破産・倒産回避を回避する」という方針が時流に沿っていないのかな…等と考えるようになりました。
なので、最近は何が何でも「破産・倒産を回避する」というよりは、選択肢が残っているうちに、整理を勧めるようになりました。
入口の部分で破産・倒産を回避するようアドバイスする事に変化はありません。
ただ、勘違いして欲しくないのですが、「資金繰りが苦しい」と相談を受けて「破産するしかありません」と回答するのではなく、あくまで出口戦略として
「これこれこうした方法で資金繰りを確保し、資金繰りが落ち着いた頃を見計らって新設会社に事業を移した方が良い。事業とご自身の住まいの確保を図ったら、その後は破産した方が良いですよ。」
という感じで整理を勧めるようになっただけで、入口の部分で破産・倒産を回避するようアドバイスする事には変わりありません。
結局、何を残すか?という事が一番大事だと思ってます。
今までは延命させる事にフォーカスしていた部分が否めないところがありましたが、今後は延命に拘らず、事業を残すという事にフォーカスしたいと考えています。第二会社はもちろん、スポンサー企業へ売却し、社員の雇用と創業した事業を守る。という方法も提案していきたいと思います。
というわけで、長くなりましたが、今後とも、宜しくお願い致します。