手形不渡り、買掛金の支払いの遅延などを起こしてしまうと、ちょっと気の早い債権者が「危ないから早く回収しよう」と乗り込んでくる時があります。
「社長、今月は支払えそうですか?」と、事を穏便にすませてくれる取引先であれば問題ありませんが、血気さかんな債権者の場合、「払ってくれるまで、担保として持っていく」等と言って、勝手に会社の備品を持ち出そうとする事があります。
法的には自力救済は禁じられている
債権者だからといって、勝手に会社の備品を持ち出して回収するような事はできません。これは「自力救済」といって、法的に禁じられています。
ただ、これには例外があり、取引条件にそのような契約になっていれば問題はありません。債務不履行となった際に回収してもよいという契約になっていれば、持っていっても構わないと思います(執行認諾契約を締結していれば、問題ありません)。
しかし、担保にも入っていない会社の備品を持ち出したらただの泥棒(窃盗罪)です。このような債権者には毅然とした態度で挑まなければなりません。
身の危険を感じたら、警察に連絡した方が良い。
もし、あなたの会社でこのような事が起こってしまったら即刻警察を呼んで下さい。
いきなり警察を呼ぶのも気が引けるでしょうが、状況によっては話しもできないほどヒートアップしている事がありますから、そのような時は躊躇せず警察を呼んだ方が良いです。
警察を呼ぶと、いきり立っていた債権者もトーンダウンしてきます。ですから、会社にパトカーが来たら人目に付く等と考える前に、とりあえず呼んだ方が良いのです。
倒産した時、行儀の悪い債権者がおしかけてきた
義父の会社が倒産した時、行儀の悪い連中が何人かおしかけてきました。
勝手に会社のパソコンを持ち出そうとしたり、全く関係ない私のパソコンに目をつけたり(さすがに注意しておきましたけど)、リースの車を持っていこうとしたり、私の車を持っていこうとしたり、まさに泥棒祭りです。

白紙委任状を迫ってきた債権者も
また、私の目の届かないところで、義父に白紙委任状を書かせようとした債権者もいました(未遂で終わりましたけど)。
本当にやりたい放題でした。仮にも上場企業の支所長がこのような真似をしますから、笑うしかありません。このような行為はもちろん立派な犯罪です。
また、副社長という肩書きの人間が「金を払うまで何時間でも居座ってやる。金払うまでこの事務所で泊まる」と言いうのですから、どうしようもありません(群馬の会社で社名を出したいところですが、払えなかったこちらも悪いので止めておきます)。
しかし、この日は家に私がいたので、会話を全て録音させていただき、警察を呼んで丁重にお帰りいただきました。コンプライアンスも何もありません。
ちなみにこのようなケースも立派な犯罪です。
あなたが、このような輩に毅然として対応する事ができれば、警察を呼ぶ必要は無いかもしれませんが、資金繰りが厳しくて、精神的に疲れているような時は、思いきって行政の力を借りるのも良い事だと思います。
悪意は無いのだろうけど、非合法な回収手段に走ってしまう
こういった局面では、我先にと回収を図ろうとする輩が少なくありません。それはまるで、一種の取り付け騒ぎのようです。
特に中小企業の仕入先や取引先は、債権回収に関して無知であるが故に、悪意が全く無いまま非合法な手段をとってしまう事がとても多いです。
不渡りや支払い遅延を出しそうな企業もそうですが、不渡りや支払い遅延をくらいそうな側にも勉強が必要である好例であると思います。
もし、このような債権者が押しかけてきたら、毅然とした態度で挑んで下さい。何か持っていかれそうになったらすぐに警察を呼んで下さい。
まとめ
話が通じる相手なら良いですが、話をしても埒があかず、身の危険を感じたら、すぐに警察を呼びましょう。
このような場面に出くわしそうな時、「ヤバくなったらすぐに警察を呼んでくれ」と家族の方や、幹部の方に話をしておくのが良いかと思います(サインを決めておくのも一つの手です、例えば、目をこすったら警察に電話する等)。
