なぜ、サービサーの回収姿勢は冷淡に感じてしまうのか?

金融事故扱いとなり、債権がサービサーに債権譲渡されたという方からご相談を受けていると、「サービサーが淡々として冷徹で不気味な印象を受ける」という話をよく聞きます。

元々の債権者である金融機関は親身に対応してくれる反面、サービサーへ債権譲渡された途端、冷徹かつ事務的に対応されてしまい、なんとも嫌な感じがするというのです。

同じ債権者なのに、なぜ、このような違いがあるのでしょうか。

それは、原債権者と新債権者では回収方針が全く異なるからなのです。

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回収方針の違いが対応の差を生み出します。

以前、「原債権者」と「新債権者」の違いについてお話しした事がありますが、もう一度、簡単にご説明したいと思います。

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原債権者とは、元々資金を貸し付けていた債権者の事を言います。
※主に銀行やリース会社等ですね。

原債権者である金融機関は融資を実行した当事者ですから、融資の際の経営状況や、滞納に至った一連の流れを全て把握している訳です。

また、金融機関は公共性を有し、広く経済・社会に貢献していく(全銀協倫理憲章抜粋)という、産業振興の役割を担っている訳ですから、支払いが滞ったからといって、倒産のトリガーを引くような回収行為をする事はほとんどありません。

しかし、新債権者は違います。

産業の振興がどうとか、債務者企業を育成しよう等という考えはありません。新債権者は債権を取得した段階で、取得した金額以上の回収ができればそれで良い訳です。それ以上でもそれ以下でもありません。

仕入れた金額以上に回収できれば良い!
サービサーはこれしかないのです。

例えば、1千万円の債権を10万円で取得したとします。

10万円以上の回収を手間暇掛けずにサクッと回収できればそれで良いのです。それ以外の使命など何もありません。極大回収が至上命題であり、回収以外の事に興味は無いのです。

こうした立場の違いから、債務者の立場からみると、「サービサーの回収姿勢がものすごく冷たく感じてしまう。」という訳なのです。

事務的に回収しているのですから、こちらも事務的に対応すればよいだけです。必要以上に気にする必要などないでしょう。

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